導入の背景豊富な知識・経験・技術で地域社会へ貢献
当センターでは、箕面市内在住の高年齢者のうち、約1,300名の方々が会員として活躍しています。60歳以上の人口における、高年齢者のセンターへの入会率は、全国平均よりも高く、さらに会員のセンター事業への積極的な参加も特徴の1つです。
当センターには、「働く」「遊ぶ」「学ぶ」「社会貢献」をキーワードとした様々な活動があり、会員の皆さんが健康で元気に活動している姿そのものをセンターの魅力の1つとして情報発信しています。
また、他のシルバー人材センターでは、あまり実施していないような事業にも取り組んでいることも特徴です。その中の1つとして、福祉有償運送事業「オレンジゆずるタクシー」が挙げられます。
「オレンジゆずるタクシー」は、バスやタクシーなどの公共交通機関を利用しづらく、外出時における移動が困難とされる方々が利用できるものです。この事業においては、運転者、運行管理者、オペレーターといった職種があり、会員はこれまでの経験や資格を活かして、活躍しています。(平野様)
導入の目的「あるべき姿」を実現するシステム構築へ
この他にも、保育士や幼稚園教諭などの資格を有する会員による「子ども一時預かり事業」、市内の耕作放棄地等を活用して野菜等を栽培する「ふれあい農園事業」など、一般的なシルバー人材センターが取り扱う仕事だけでなく、様々な事業に取り組んでいますが、会員の活動をサポートするには、会員の職歴、資格、技術、経験といった情報をはじめ、これまでにセンターが蓄積してきた様々な情報を駆使するとともに、センター事務局が「縁の下の力持ち」として行動することが必要です。
そこで、ICTによる事業運営、特に会員サポートの強化を進めていくことにしました。システムの開発ベンダーは、多くの公益法人のICTサポートにノウハウを持つ東芝ソリューション販売を選定しました。5年から10年先のセンター運営のあるべき姿を開発ベンダーと共有し、「地域社会に輝くセンターを目指して躍進!」といった、当センターが掲げるスローガンの達成をICT活用のコンセプトといたしました。(平野様)
導入のポイントシステム化が「考える時間」を創出
業務運営サポートシステムを導入するにあたり、当然、業務の効率化が最大の目的となる訳ですが、その際、「システムを導入することで、事務局職員に新たな時間を生み出す」といったコンセプトをもとに、機器やソフトウェアの選定を行っています。
これまでの作業時間が短縮されることにより、そのかわりに「考えることのできる時間」、つまり「余裕」が職員に生じます。その「余裕」が職員の仕事に対する意識の向上に寄与し、その結果、会員や発注者に対する応対の充実や新しい事業を創り出すことに繋がり、やがて、それらは地域社会の貢献へと結びついていくものになります。
システム化の推進には、前例にとらわれることなく、また、単なる業務の改善にのみとどまらず、センター事業の発展に貢献するものかどうかといった観点が必要であると考えています。(白川様)
導入の効果共創によるシステム化でセンター運営が活性化
東芝ソリューション販売との共創(共に創造)で開発したシステムのひとつは、コンビニエンス・ストア(コンビニ)で支払いのできる振込用紙付き請求書の自動発行です。従来の会計処理は、入金データを消し込むことが仕事でしたが、システム導入後は自動消込の実現と共に、発注者の利便性も高まり、未収金の回収率が向上しています。
また、OCR(光学的文字読取装置) で就業報告書を読み取り、請求書を発行するOCR就業登録システムでは、従来の入力業務が激減し、タイムリーな会員サポートが可能になりました。
そして、ローテーション就業を推進する「長期就業管理規程」の運用に合せて開発した就業期限管理システムでは、月次で発生する対象者への確認書、年度末での継続確認通知、特例会員向けの就業確認書の送付など、複雑な運用を迅速に対応できています。
東芝ソリューション販売との共創によるシステム化は、さらなる「効率化」に加え、「考えることが仕事」という職場環境が定着し、変化する社会に柔軟に対応できるセンター運営を実現することができました。(平野様)
今後の展望様々な形での社会参加をサポートするために・・・
当センターでは、会員証発行システムも使用しており、その活用方法の1つとして、会員は、飲食店などの対象店舗で、会員証を提示すると優待サービスを受けることができる制度を会員互助会にて導入しています。
その対象店舗は増加しており、このことにより、地域の商店等との新たな結びつきも生まれました。システム化の推進によって、会員の福利厚生の充実、地域社会との新たな結びつきといった、思わぬ副産物を生み出してくれたと思っています。(白川様)
現在、多様化する受注に対して、様々な情報を的確に把握し、より速やかに対応することができるよう、作業現場での見積もりや作業の報告にタブレット端末の活用を検討しています。
これからも多様化する高年齢者のニーズ、地域社会からの期待に応えることができるよう、積極的にICTの活用を図っていきたいと思います。(平野様)