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強い総務をつくるために総務コラム

~HRテックの現状と今後の見込み~第7回 HRテックと人事情報・データの活用 ①

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近年、「HRテック」に対する関心が高まっています。
HRテックとは、IT(情報技術)やAI(人工知能)を使って、人材に関する情報やデータを分析・活用し、人事業務の効率化や人員配置の最適化などを図る技術・手法を言います。社員の職歴やスキルに関するデータを人事管理に活用することは、昔から一部の企業で行われていましたが、2010年頃にHRテックが登場したことを機に、今では、多くの企業が社員に関するデータを分析し、その結果を人事管理に活用するようになっています。
このコラムでは、今回から3回にわたり、HRテックの現状や今後の見込み、先進事例、導入における注意点などを解説します。

1.HRテックの導入目的は、「効率化」と「高度化」の2つ

HRテックには、「業務効率化を目的とするもの」と「人事管理の高度化を目的とするもの」の2種類があります。

「業務効率化を目的とする」HRテックとは、ITやAIを用いて、データ入力、給与計算および帳票作成の省力化・自動化を進めるものです。代表例としては、社員がスマートフォンから入力した始業終業時刻を収集し、給与計算・支払いを自動的に処理する「勤怠・給与計算システム」などがあります。

一方、「人事管理の高度化を目的とする」HRテックとは、人事情報・データを活用、分析することによって、人材配置の適正化や社員のモチベーション向上など、合理的かつ高度な人事管理を実現するものです。代表例としては、社員の職歴、スキルなどのデータを人事情報システムで管理し、それを使って人材の配置や育成を行う「タレント・マネジメント・システム」などが挙げられます。

HRテックを導入することによって、人事業務の大幅な省人化が可能になり、また、これまで「経験と勘」だけに頼りがちだった人事管理を合理的に行うことができるようになります。そこで、多くの経営者や人事関係者がHRテックに対する関心を高めているのです。

「経験と勘」だけに頼る人事管理 あてずっぽうで非合理的。手作業に頼り非効率。予想が外れることが多く、大損失を招く。従業員が納得しない。動こうとしない。|→|HRテック導入後の人事管理 データに基づき合理的。ITを活用し効率的。確実な予測。予測が外れても損失は小さい。従業員が納得して、自律的に動く。

2.導入が最も進んでいる分野は、「勤怠管理・給与計算」と「募集・選考業務」

HRテックは、募集・選考、配置・異動、勤怠管理(出退勤・労働時間の管理)、給与計算、人事制度の運用、教育訓練、健康管理など、人事管理業務のすべての分野を対象にしています。中でも、「勤怠管理・給与計算」と「募集・選考業務」の2分野は、HRテックの導入が進んでいます。

「勤怠管理・給与計算」へのHRテックの導入とは、例えば、月々の労働時間の集計や給与計算などをパソコンなどで行うことですが、この分野については、すでに多くの日本企業が、機械化・自動化を行っています。なお、2020年4月に施行される「デジタルファースト法」により、資本金1億円以上の会社は、社会保険・労働保険に関する一部の手続きを電子申請で行わなければならないことになりました。これを機に、勤怠管理・給与計算から納税・社会保険の電子申請までを一貫して行うシステムの導入がさらに進むものと見込まれています。

「募集・選考業務」においては、例えば、SNSを使って人材を募集する、AIを使って書類選考を行うなど、様々な場面でHRテックが導入されています。新卒の大量採用を行っている企業においては、AIを使って候補者の絞り込みを行うことにより、採用業務の効率化と(採用担当者の主観を排除した)合理的な選考の実現が積極的に進められています。

すでに、大企業を中心に募集・選考業務へのHRテックの活用が進んでいますが、近い将来、中小企業においても、それが広がっていくことになるでしょう。

3.今後は、「人材配置の適正化」や「能力・キャリア開発」への活用が見込まれる

日本企業は、社員の職歴、研修受講歴、適性やスキルなど、様々なデータを保有しています。今では、人事データを分析したAIが、各職務の適任者を選んだり、各部門の最適人数を算出したりすることも可能になっています。また、AIに優秀者の研修受講歴や職歴を分析させて、その結果に基づいて社員一人ひとりに研修受講や資格取得のアドバイスをしている企業もあります。

今後、HRテックは、このような「人材配置の適正化」や「能力・キャリア開発」の分野で積極的に活用されて、人事管理をより高度な、かつ戦略的なものにしていくことになるでしょう。

すでに、一部の企業では、HRテックを活用して人事管理の高度化を図り、戦略人事を実践されています。次回のコラムでは、このような先進企業の事例をご紹介していきます。

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