会計ソフトとERPの違いとは?
意味や導入時のポイントなど解説

2024年1月31日

本記事では、経営資源を総合的に管理し、業務の効率化を追求するERP(Enterprise Resource Planning)システム(以下ERP)と、財務・会計業務に特化した会計ソフトの、違いとメリットについて詳しく解説します。
最後までお読みいただき、最適なシステム選びの参考にしていただければと思います。
まず会計ソフトとは、企業の財務状態を記録・管理するツールです。
日々の取引記録、財務報告、税務申告などの会計業務が効率的に行えます。
多くの会計ソフトは直感的な操作が可能で、専門知識のないユーザーでも容易に会計処理ができるように設計されています。
一方、ERPとは、企業の業務プロセスを統合管理するシステムです。
ERPには会計機能だけでなく、人事、購買、在庫管理など様々な業務モジュールが含まれています。
ERPの特徴は、これら異なる業務を一元化し、データの連携によって業務効率の向上を図れる点です。
両者の導入ポイントとして、会計ソフトは特に小企業や単純な会計処理を行うビジネスに適しています。
対して、ERPは情報の一元管理を必要とする課題に応えられることから、大企業や複雑な組織構造を持つ企業に最適です。
結論として、会計ソフトは財務業務に特化したソリューションであり、ERPは企業のリソースと業務を網羅的に管理するシステムです。
会計ソフトとERPを適切に選択し導入することで、適正な業務管理を実現し経営の効率化をサポートします。
企業にとって最善の選択を行うためにも、それぞれの特性をよく理解し自社に合ったシステム選びを行うことが重要です。
下記にて、ERPと会計ソフトについて、さらに詳しく見ていきます。

ERPとは?

ERPとは、会計業務だけでなく、人事、生産、販売、在庫管理など多岐にわたる企業業務を一元的に管理し、それらの情報をリアルタイムに1つのシステムで連携させることが可能です。
その結果、経営資源の可視化を促進し、意思決定の精度と速度を大幅に向上させることができます。
ERP導入の最大のメリットは、業務の効率化だけでなく、各部門間のコミュニケーションを円滑にし、業務プロセスの統合により全社的な情報共有と最適化が進む点にあります。
しかし、導入に際しては、会社の現状の業務プロセスを慎重に分析し、適切なカスタマイズが必須です。
その理由は、ERPの柔軟性によって、企業特有の運用ニーズに対応するためです。
企業の経営者や情報システム部門の担当者にとって、単なる会計ソフトの運用を超えた、より包括的な情報管理を実現するためには、ERPの導入が重要な選択です。
財務会計の正確さを追求するだけでなく、生産性の向上、経営の戦略的な意思決定支援ツールとしての側面を持つことが、ERPの大きな特徴の一つです。
ERPの備える具体的な機能とメリットについて、次項にて説明いたします。

ERPで出来ること

ERPは、会社の複雑で多様な業務を統合的に管理し、全体の効率化と意思決定支援を目的としています。
会計管理に必要な財務会計機能に加えて、営業から生産、物流までのプロセスを一元的に扱うことで、企業経営の様々な管理業務において、一貫性のある情報流通に加え、プロセスの標準化と最適化を可能にします。
また、財務管理の複雑な業務やデータをシームレスに統合することで、財務の透明性を高められます。
具体的には、会計だけでなく発注管理から在庫管理、生産スケジューリングや配送最適化まで、サプライチェーン全体を見渡せるため、業務効率化が期待できます。
さらに、CRM機能を統合し、マーケティング活動からカスタマーサービスまでをトータルにサポートすることで、顧客満足度の向上と長期的な顧客ロイヤリティの育成が可能です。
これにより、人事管理や給与計算を含む人的資源管理も対応し、組織全体の人事業務の最適化を図ります。
これらの幅広い機能が連携し、一つのシステムで動作することで、情報の一貫性を保ちつつリアルタイムでのデータ活用が可能になります。
結論として、ERPの導入は業務プロセスの改善を促進し、企業が目指す経営戦略の実行を強力にサポート、企業の情報を集約し、迅速かつ正確な意思決定に貢献します。

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会計ソフトとは?

対して、会計ソフトとはどのようなものでしょうか。
会計ソフトは会社の財務業務を簡素化し、正確性を高めるツールです。
ソフト導入により、財務データの確認から報告書の作成まで、企業運営に必要な業務を迅速かつ容易に行えます。
また、現代の会計ソフトは主にクラウドベースであり、外出先からもリアルタイムで財務情報にアクセスできます。
これにより、経営者は常に財務状況を把握し、迅速な意思決定を可能にします。
さらに、クラウドサービスの導入により初期投資を抑え、システムの拡張性も得られます。
続いて、会計ソフトの持つ機能やメリットについてご説明いたします。

会計ソフトで出来ること

会計ソフトの導入に期待できるメリットとして、企業の経費管理、売上分析、税務申告業務の大幅な簡略化が挙げられます。
具体的には、自動仕訳機能が日常の取引を迅速かつ正確に会計データとして処理し、これを基に決算処理が自動で行えます。
また、会計基準に準拠した複数形式の財務諸表を容易に作成し、税務申告に必要な資料を整えることが可能です。
その他にも、会計ソフトは豊富な機能を備えております。
請求書管理機能では、受け取った請求書データをシステム上で一元管理し、支払い漏れや重複支払いを防ぎます。
経費精算機能を活用することで、従業員の経費申請から承認、支払いまでの流れをスムーズに行い、透明性と迅速性を高めることができます。
資金繰り予測機能では、将来のキャッシュフローを予測し、資金管理の効率化を図ります。
これらの特徴を活かし、会計の精度を上げ、経理担当者の作業負担を軽減し、全体的な業務効率を向上させることが可能です。

会計の基礎から学ぶ!企業会計とは

これまで会計ソフトとERPに関しまして、機能やメリット、両者の違いについて解説いたしました。
では、これらのシステムを活用して行う企業会計とは、そもそもどのような業務でしょうか。
まず企業会計は、管理会計と財務会計の二つに分けて考えられます。
管理会計は、主に社内の意思決定者が日常業務や戦略計画に役立てる内部情報を扱い、予算編成、コスト管理、業務効率性分析などの業務に密接に関連しており、持続可能な企業成長を支えるための、重要指標を提供する役割を担っています。
一方、財務会計は外部の利害関係者、たとえば投資家やクレジット会社に向けて、企業の財務状況を公正かつ透明に報告する役割を果たし、利益計算や財務諸表の作成を含み、企業の信頼性と公的な責任を高める中心業務です。
このように、会計は企業経営に不可欠な要素であり、その効率化と精密化には会計ソフトやERPは欠かせません。
管理会計と財務会計について、下記にて詳しく解説いたします。

管理会計とは

管理会計は、企業経営の戦略的ツールであり、経営者や情報システム部門の専門家にとって不可欠です。
業務プロセスを効率化し、正確な意思決定をサポートし、企業の持続的成長を促進し、経営上のリスクを最小限に抑える役割を果たします。
その中心となるのは、コスト計算、予算管理、業績評価の情報分析です。
これらは経営者が事業展開や投資判断、リソース配分の戦略を立てる基盤になります。
また、日常的な決断においても、迅速で高品質な判断のために、リアルタイムで正確な情報提供が必要です。

財務会計とは

対して財務会計は、企業活動の結果を算出し、ステークホルダーに対して公正な財務情報を報告する不可欠なプロセスです。
具体的には、利益計算、バランスシート、キャッシュフロー計算書の作成が含まれ、企業の財務状況を示す重要な指標であり、投資家、金融機関、税務当局の判断材料になります。
経営者や情報システム部門の責任者は、正確で透明性の高い財務報告を作成するため、法規制や会計基準を守ることが求められます。

企業の成長を支えるERP移行のメリットとは?

ここからは、ERPへの移行によって得られるメリットについて、会計ソフトとの比較を交えながらご説明いたします。
これまで、経営資源を最大限に活かし、企業の持続的な成長を促進するためには、情報の一元管理と業務プロセスの効率化が不可欠であることを、ご説明いたしました。
一般的な会計ソフトは、会計業務に特化していますが、ERPは会計業務だけでなく、販売、在庫、製造、顧客関係管理など、企業運営全般にわたる業務プロセスの統合管理が可能です。
これにより、ERPの移行は業務全体の透明性を向上させ、コストを削減し、経営の意思決定を迅速化するなど、企業に多角的なメリットをもたらし、戦略的な会計管理を実現させます。
では、ERPによって実現できるメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

多種多様な業務を一元化!効率化を実現

ERPは、会計ソフトだけでは対応しきれない領域をカバーし、部門間の情報連携を強化することでプロセス全体の透明性を高め、より精密な管理と意思決定が可能です。
特に経営層や情報システム部門が直面する多様な課題に対し、ERPは包括的な解決策を提供します。
重複作業やデータ入力ミスを減らし、時間とコストを節約できるのはERP導入の主要なメリットです。
さらに、業務アプリケーションをERPに統合することで事業運営の効率が大幅に向上し、経営資源を戦略的に配分することが可能になります。

経営を加速するデータ分析

ERPの高度な分析機能は、複雑なデータセットから有益な情報を抽出し、将来の売上動向やコスト構造を予測することに貢献します。
この予測分析はリスクを事前に回避し、賢明な資源配分を可能にし、経営上の戦略的な判断のための強力な支えになります。

経費削減・トータルコストを抑える

ERPによる統合管理は、従来利用していた複数の専門ソフトウェアを1つのシステムに統合することで実現します。
これはライセンス費用や保守コストを大幅に削減すると同時に、システムの多様化に伴う調整や更新作業の手間も減らします。
また、業務の効率化により間接労働コストを減らし、企業の生産性向上に寄与します。
さらに、ERPは業務データをリアルタイムで活用し、正確なコスト予測と分析を実現します。
これにより、無駄な資金流出を防ぎつつ、戦略的な資金配分と投資が可能になり、経営資源を効果的に活用できます。
結論として、ERP導入は当初コストがかかると思われがちですが、ライセンス費用の削減、保守コストの縮小、生産性の向上、無駄な経費の排除など多くのメリットが合わさり、トータルコストを確実に削減し、持続可能な経営に導くための重要な役割を果たします。

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