目標達成のシナリオは誰が書く?
「54」…この数字は18ホール全てバーディで成せるスコア。世の中のゴルファーが自らの可能性を信じ、成果の達成に向けて頑張る気持ちを「ビジョン54」に込めている。「サブ4」…これはフルマラソン42.195kmを4時間以内で走りきること。「下」を意味するサブを「以内」に置き換えているわけだが、空前のマラソンブームに沸く世の中で、市民ランナーたちはまずこの数字を目標にする。ゴルフにしても、マラソンにしても、初心者は「まず100切りだよ…」「なんとか完走できればね…」などと口にするが、どちらも継続とともにモチベーションが上がり、達成の現実味が帯びてくるにつれ、自己目標のハードルを徐々に高めていくようだ。
仕事でも目標設定は付きものだ。もちろん、職種によって設定の仕方も違えば基準も違ってくる。それにしても、組織ではどうして個人の目標設定が必要なのか。理由の一つ目は、仕事を仕上げる過程で自分自身の成長も把握できるから、とされている。もう一つは、自分がやりたいことについて、実現の確率を高められることが理由だ。つまり二つの理由とも、「自分」と「目標」を強く結び付けていることになる。しかし、組織人である以上、組織全体の目標を踏まえ、個人目標と共有させることも忘れてはいけない。上司から頭ごなしに叩き付けられる目標は、モチベーションが上がるどころか、やる気が薄れてしまうだけだ。これでは“1番ホールOB”“オーバーペースで息切れ”といったところ。そうならないために、目標設定による成長のシナリオは、自分の頭でしっかり考えてつくってみよう。