時差出勤とは?勤怠管理における注意点3つと導入のメリット・デメリット
時差出勤とその目的とは?
時差出勤とは始業時間を変更した働き方で、通勤に伴う諸問題の解決を目的とした制度です。
満員電車によるストレスや、通勤時間が重なることによる渋滞の発生などの解決手段として有効とされています。新型コロナウィルスの感染拡大もあり、3つの密が発生しやすい公共交通機関の利用は社会的にも問題視されており、時差出勤は注目されている働き方の1つです。
フレックスタイム制との違い
フレックスタイム制は、始業時間と終業時間をある程度自由に選べる制度です。会社によっても異なりますが、週間・月間で決まっている労働時間と、必ず出勤すべき時間帯を守れば、自由に出勤する時間や退勤する時間を選べます。
朝夕の子どもの送り迎えや、自己啓発の時間を確保できるなど、フレックスタイム制は仕事とプライベートをより充実させるための制度です。
時差出勤制のメリット・デメリット
時差出勤は、従業員の業務効率や生産性のアップに繋がります。通勤ラッシュを避けられることでストレスが低減されることはもちろん、忙しい朝の時間に余力を持たせること自体にメリットを感じる従業員も多いでしょう。
デメリットとして、実労働時間の把握が複雑になる点が挙げられます。そのため、時差出勤を行っても問題がないシステムの導入が必要になります。
従業員から見た時差出勤のメリット・デメリット
時差出勤は従業員にとってどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。ここでは、具体的に2つずつのメリットとデメリットを挙げて解説をします。
時差出勤を検討するのであれば、まずはメリットとデメリットを十分理解したうえで、各部署で導入が可能かどうかの検討と社内コミュニケーションを密に取ることが大切です。
時差出勤のメリット1:満員電車に乗らなくてもよい
時差出勤における大きなメリットは、満員電車を避けられるという点です。通勤時間は従業員によって異なりますが、数時間かけて満員電車で通勤するような場合、精神的にも肉体的にも大変なストレスがかかります。それが回避できるだけでも、時差出勤には大きなメリットがあります。
ストレスの回避以外にも、新型コロナウイルスをはじめとした様々なウィルス感染を回避するという点においてもメリットがあります。
時差出勤のメリット2:ワークライフバランスが保たれる
ワークライフバランスが保たれるという点も、従業員にとっては大きなメリットになります。朝の忙しい時間に余力が出来ることで、子どもの送り迎えやお弁当作りなど、プライベートの満足度を向上させる効果があります。
もちろん、始業時間を早めることで終業時間を早めることもできるため、従業員の家庭環境に応じた働き方が選べる仕組みにすれば、満足度を向上することができます。
時差出勤のデメリット1:帰りの時間が遅くなる
従業員にとって一番のデメリットは、帰りの時間が遅くなる点です。出勤時間を遅くすれば、当然ですが退勤時間も遅くなります。
朝の時間に余力を持たせるメリットを考えると一長一短の部分はありますが、夜の時間を確保したい従業員もいることを理解し、導入前にアンケートなどで希望を確認しておく必要があるでしょう。
時差出勤のデメリット2:スケジュール調整が難しくなる
顧客との打ち合わせはもちろん、社内でも時差出勤を行わない部署がある場合は、社内会議等でもスケジュールの調整が必要になります。外部の顧客との打ち合わせが多い従業員の場合、始業時間が遅すぎると準備が間に合わない場合があります。
社内であっても、人によって始業時間がバラバラの場合は終業時間もバラバラですから、ミーティングを行う場合は全員が出勤している時間帯で調整する必要があるでしょう。
時差出勤を管理する際に必要な準備
時差出勤を管理するためには、始業時刻のパターンを作ることと対象従業員を選定すること、実施する期間の開始前に始業時刻を決定することの3つの準備が必要です。
時差出勤にはメリット・デメリットがあることを説明しましたが、以下の3つの準備をしっかりと行い適切に管理することで、デメリットを大きく抑えてメリットを発揮させることができます。
始業時刻のパターンをいくつか用意する
始業時刻を変更することで生じる諸問題に対応するためも、まずは勤務パターンをいくつか用意しましょう。
例えば始業時刻ごとに、A:7時~16時、B:8時~17時、C:10時~19時といったように記号やアルファベットで区別すると分かりやすくなります。複数のパターンを用意すれば、状況に応じて勤務時刻を選ぶことができます。
時差出勤の対象となる従業員を選ぶ
時差出勤を行っても業務に支障が出ないかを確認し、対象とする従業員を選びましょう。
職種や部署によっても異なりますが、確実に出勤していなければならない時間帯はあるはずです。顧客との打ち合わせが多い部署や、受付業務を行う従業員などは時差出勤の対象にできない場合があるため、各部署とコミュニケーションをとって選定を行いましょう。
実施する期間の開始前に始業時刻を決定する
時差出勤を導入する場合は、実施する期間が開始する前の早い段階で始業時刻を決定するのが理想的です。勤務パターンを直前になって知ることは、本人はもちろんですが部署内・会社内でも無用な混乱に繋がりかねません。
勤務パターンが多ければ多いほどより複雑化していくため、最低でも実施する期間の開始前に始業時刻を確定し、社内で共有することが大切です。
時差出勤を導入した際の勤怠管理における注意点3つ
実際に時差出勤を導入する場合、勤怠管理を行う上で3つの注意すべき点があります。
従業員がそれぞれでバラバラの始業時間になると、労務管理も複雑化していきます。従業員ごとの労働時間の計算はもちろんですが、他にも注意すべき点があります。まずはこの3つの項目をクリアにしたうえで、時差出勤の勤怠管理を行いましょう。
時差出勤導入時の注意点1:時間帯ごとの賃金形態について知る
22時から5時までの間に勤務する場合は、深夜労働割増賃金を支払う必要があります。時差出勤で13時以降を始業時刻として設定すると、22時以降の勤務が発生するので注意しましょう。
また、時期や業務内容で残業が予想される従業員は、始業時刻を遅くすればするほど、22時を過ぎてしまう可能性も高まります。遅すぎる退勤時刻は、従業員にとってストレスになる可能性があるばかりか、人件費が増加するため注意が必要です。
時差出勤導入時の注意点2:従業員ごとの実労働時間を把握する
従業員によって始業開始時刻が異なると、労働時間の把握は複雑化します。勤務パターンを多く用意すればするほど、時差出勤はより有効に運用できるようになりますが、管理は難しくなっていきます。
時差出勤の導入においては、就業管理システムの利用が効率的です。一人一人にパソコンがない勤務形態であっても、専用のタイムレコーダーや携帯・スマホなどからでも打刻、操作管理を行うことができ、現場の様々なニーズに対応できます。
時差出勤導入時の注意点3:一斉休憩を適用除外としなくてはいけない
出勤時刻の時間差が大きい場合、休憩時間は従業員ごとバラバラになってしまいます。時差出勤を導入したことで一斉休憩ができない場合は、労使協定の締結が必要です。
一部の職種を除き、従業員の一斉休憩は労働基準法によって定められています。労使協定は各都道府県の労働局から書類の入手・提出ができるため、事前に準備しておきましょう。
勤怠管理に気を付けながら時差出勤を導入しよう
時差出勤は多くの企業で導入が進んでいますが、勤怠管理に気を付ける必要があります。
新型コロナウイルスの感染拡大から注目度は高まっており、従業員の満足度向上だけでなく、リスク管理の観点からも必要な制度です。
WorkVisionは、業種ごとに異なる働き方に応じて、時差出勤にも最適な勤怠システムを提案しています。詳しくは下記リンクを参考にしてください。
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