タイムカードアプリとは?
特徴や選び方、メリット・デメリットを紹介
タイムカードアプリとは
タイムカードアプリとは、モバイルデバイスを利用して、出退勤の打刻や労働時間の集計など、勤怠に関するデータ入力や管理を行うことができるアプリのことです。
最も基本的な機能は、出勤、退勤の打刻です。たとえば、従業員が個人のスマホにタイムカードアプリをインストールすれば、そこから出退勤時の打刻ができるようになります。
また、有休休暇や直行直帰などの申請・承認業務もモバイルデバイス上で完結できるアプリも多く存在します。
さらに、アプリから入力した勤怠データは、自動的に集計されるため、人事労務担当者の勤怠管理の負担を軽減することもできます。
日々の出退勤や勤務時間の記録を楽にできるツールとして、また、勤怠管理の効率化を実現する手段として、活用事例が増えています。
タイムカードアプリの特徴
現在、様々な機能や特徴をもったタイムカードアプリが提供されていますが、どのアプリにも共通している特徴は、出退社時間や労働時間をデジタルデータとして管理できることです。
従来の紙のタイムカードや出勤簿、エクセル表への手入力とは異なり、勤怠データをデジタル化することによって打刻データの自動集計が可能となります。
また、給与支払システムや労務管理システムとの連携が可能なアプリも存在しています。こうしたアプリを導入すれば、バックオフィス業務全体の効率化につなげることもできます。
タイムカードアプリの種類
特徴ごとにタイムカードアプリを大まかに分類すると、以下3種類に分けられます。
タイムレコーダー型
タイムレコーダー型は、事業所に設置された1台のデバイスを全従業員が共有して打刻を行うタイプのアプリです。
従来のタイムレコーダーと異なる点は、紙のカードや出勤簿ではなく、アプリをインストールしたモバイルデバイス(タブレットなど)を使っての打刻となる点で、勤怠データのデジタル管理を行えるようになるため、労働時間管理の効率化が可能になります。
タイムレコーダー型のバリエーションとして、新型コロナウイルスの流行以降、顔認証など非接触タイプのものや、出退勤記録と検温を同時に行える付加機能のついたものなども登場しています。
多機能型
多機能型は、個々の従業員が自分のパソコンやスマホにアプリをダウンロードして打刻操作を行うタイプです。
多機能型の大きなメリットは、クラウド型なので、場所を選ばず個々人のデバイスから出退勤を打刻することができる点です。外出先や自宅などからも打刻ができるので、外回りの多い職種や、在宅勤務などの働き方改革を推進している企業などにとって、非常に使いやすいツールとなります。
また多機能型アプリは、出退勤の打刻以外にも、勤怠管理に関するさまざまな機能を持ち、本格的な勤怠管理システムとして機能してくれます。
入力漏れなどがあった際にアラートを送信して知らせてくれる機能が搭載されていたり、単なる出退勤の打刻と労働時間の自動集計だけでなく、休暇や直行直帰の申請・承認や残業時間の管理、勤務シフトの登録・管理などもアプリ内で完結できるようになっているものも多く、全般的に勤怠管理業務を効率化することができます。
他業務連動型
他業務連動型アプリは、多機能型アプリの特徴に加えて、給与計算システムや労務管理システムなど、他のシステムと連携できる機能をもつタイプです。
例えば、タイムカードアプリに入力された勤怠データを給与計算システムと連動させることで自動計算が可能になるなど、勤怠管理の効率化だけにとどまらず、勤怠に関連する他のバックオフィスの業務効率化も同時に実現することができます。
バックオフィス全体の業務効率化を目指したい場合には、他業務連動型アプリが最も適していると言えるでしょう。
タイムカードアプリ導入のメリット
こうしたタイムカードアプリを導入することによるメリットについて、いくつか具体例を挙げてみます。
勤怠打刻の利便性向上
まず、日々の出退勤の打刻の利便性の向上が挙げられます。
特に多機能型・他業務連動型アプリであれば、オフィス以外の場所からも勤怠打刻が可能となります。例えば、外回りの多い営業職にとってはタイムカード打刻のためだけに会社に戻る必要がなくなりますし、訪問看護師など、主にオフィス外で業務を行う職種の勤務時間管理にも役立ちます。また、リモートワーク導入などで働き方改革を推進している企業にとっても役立つツールとなるでしょう。
労務管理の効率化・ペーパーレス化
また勤怠管理の担当者にとっては、労務管理の業務効率化が大きなメリットとなります。
紙のタイムカードやエクセル表とは異なり、アプリから入力された勤怠データは自動集計されるため、手作業での集計が不要になります。自動化によって集計ミスなどのヒューマンエラーを削減することが可能です。
また、勤怠管理のデジタル化によって、紙のタイムカードや出勤簿は不要になり、労務管理のペーパーレス化にもつながります。
バックオフィス業務全体の効率化にも寄与
給与計算システムや労務管理システムなど、他システムと連携できる機能をもつ他業務連動型アプリを導入すれば、給与支払など他のバックオフィス業務も一元管理できるようになり、バックオフィス全体の業務効率化への効果が見込めます。
タイムカードアプリ導入のデメリット
このように活用メリットの多いタイムカードアプリですが、導入時にはデメリットも考慮しておく必要があります。
社員のITリテラシーが低いと活用できない
ITリテラシーが低い社員が多い場合、アプリ導入のメリットを享受できない可能性があります。
タイムカードアプリは使いこなせる人にとっては便利なツールですが、ITリテラシーが低く使いこなせない社員が多い場合には、打刻ミスや修正作業を増やしてしまい、かえって業務負担を重くしてしまう懸念があります。
アプリベンダーの事情に影響を受けることがある
また、アプリを提供するベンダー側の事情に影響を受けてしまう部分が発生してしまうことも、あらかじめ念頭に置いておく必要があります。
たとえば、ベンダー側でアプリの機能を改変し、機能やインターフェイスに変更が生じると、アプリの利用者側も新しい操作手順を再度おぼえなおす必要が生じます。
また、ベンダー側でシステムトラブルやセキュリティ上の問題が発生した際に、アプリ利用者側も連動して影響を受けてしまう可能性もあります。
アプリ利用者の環境に起因するエラーも起こりうる
他にも、アプリの利用者のデバイスの性能やインターネット回線の速度によっては、操作中にシステムエラーが発生してしまう可能性があることも認識しておきましょう。
タイムカードアプリ選び方のポイント
タイムカードアプリ導入時のサービス選定にあたって押さえておくべきポイントには、以下のようなものがあります。
自社の勤務体系に合っているか
アプリの機能が自社の勤務体系に合っているかの見極めは欠かせないポイントとなります。
フレックスや時短勤務など、複数の勤務体系が混在していたり、正社員や契約社員など様々な雇用形態が混在していたりするなど、企業によって状況はさまざまです。
アプリにも、それぞれ様々な特徴がありますので、自社の状況にフィットしたタイムカードアプリを選びましょう。
他システムとの連携しやすさ
勤怠データと給与計算システムや労務管理システムとの連携によって、バックオフィス業務の効率化をめざしたい場合は、他の業務システムとの連携しやすさも重要です。
サービスによって連携できる内容に違いがあるので、選定時に自社の目的に合致しているかをしっかり確認すると良いでしょう。
アフターサポート体制
アプリ導入後のサポート体制についても、事前に比較検討しておくと良いでしょう。
一般的なサービスでも電話やメール等でのサポートは受けられる場合が多いですが、専任サポートスタッフが対応してくれるような、さらに手厚い体制のサービスもあります。
また、労働関連の法改正があった際の移行サポートにも対応していると、より安心です。
コスト面で要件に合っているか
タイムカードアプリには無料や低価格をセールスポイントとしているサービスも多く、あまりコストをかけず手軽に導入できるイメージです。ただし、導入時には初期費用が必要になる場合もあり、運用していく上では通信費や端末代などのコストも別途必要になってきます。費用面も事前に検討しておくとよいでしょう。
タイムカードアプリ導入の失敗例
せっかくアプリを導入しようとしても、上手くいかないケースもあります。陥りがちな失敗例を紹介します。
自社の現状をしっかり把握し、解決したい課題を明確にした上で、最適なアプリを選ぶようにしましょう。
自社の勤務体系に合わなかった
自社の就業体系にあわないアプリを導入してしまうと、集計ミスや手作業での修正が頻発し、かえって作業負担が増えてしまう事態も想定されます。特に注意が必要とされるのが、変形労働時間制やシフト制など変則的な勤務体系を導入している場合で、こうした勤務体系に対応しているアプリを選ぶことが必須となってきます。
他システムとの連携がうまくできなかった
労務管理の効率化をめざしてタイムカードアプリを導入したにも関わらず、他業務システムとの連携がうまくいかず、結果として効率化・自動化を達成できなかった、という事例もあります。
サービスによって連携できるシステムが異なってきますので、導入時に比較検討しておく必要があります。
社員が使いこなせなかった
せっかくアプリを導入しても、社員に使いこなしてもらえなければ本末転倒です。
こうした失敗の原因としては、アプリのインターフェイスが使いづらいことや、機能が複雑すぎたり不足していたりすることなどが考えられます。
導入時に、直感的に使えるかアプリかどうか、また機能が自社の状況にあっているかをしっかり確認しておきましょう。
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