導入の背景業務品質の向上とスピード感ある事業展開へ
当社は、食品包装資材をコアとして、多数の商品を広くマーケットに提供しています。食に関連する業務用の資材であれば何でも取り扱っていますが、その商品アイテムは、自社グループ製造の紙関連資材(キッチンペーパーや紙おしぼり、他)、様々なメーカー様のラップ・ホイルなど8万余点を数え、全国3千社に及ぶ取引先様を通じて、大手外食産業・コンビニエンスストアから地域の飲食店まで、幅広いお客様にご利用いただいています。
年々変化する市場環境に的確に対応する仕組みづくりとしては、1980年代にオフィスコンピューターによる販売管理システムを導入し、多岐に亘る商品の効率的な流通促進を開始しています。以降も、段階的にICTの最新トレンドを取り入れたシステムに更新してきました。
今回は、プラットフォームの保守サポート終息、市場変化に伴うオペレーションギャップなど、一世代前のシステム運用に様々な課題が発生してきたことから、業務品質の向上とスピード感ある事業展開を可能とするシステムにリニューアルすることといたしました。(業務本部 部長 別府 偉 様)
導入の目的受発注業務の効率化と営業施策の活性化
リニューアルに向け、業務プロセスを整理する中で、先ず課題として抽出されたのは、取扱いアイテムの拡大に伴う、流通業務の煩雑化でした。従来システムは、東西物流センターの受注・出荷情報の処理が、繁忙期のシステム速度に影響を及ぼしていたことから、システムの負荷分散対策を前提とし、オペレーション画面(GUI)の改善による操作性の向上、受発注業務の効率化を、新システム導入の目的としました。
また、営業部門では、販売傾向などのデータ分析を行うには、出力された実績表からExcelへの転記が必要になるなど、非効率な時間を要していることがマネジメント面の課題として抽出されており、新システムでは販売データの可視化による営業施策の活性化も目的といたしました。(鈴木様)
導入のポイントパッケージシステムをベースとする拡張性を評価
新システムの構築は、当社のシステム開発パートナーである東芝ソリューション販売より、従来のスクラッチ開発ではなく、パッケージシステムをベースに当社独自の要望を追加する提案をいただきました。(鈴木様)
東芝ソリューション販売は当社の業務内容を熟知していますが、今回の提案は、ユーザインタフェースの改善、新たなRDB(リレーショナルデータベース)化による情報分析の自由度拡大など、パッケージの持つ機能を最大限に活かし、将来的な拡張性も容易とするものでした。
また、EDI(電子データ交換)を併用することで、流通業務のデータインプット作業に大幅な簡素化が見込めること、システム標準のCSVファイル出力機能を利用することで、営業部門でのデータ分析が容易となることも評価いたしました。(石川様)
導入の効果顧客満足度の向上を実現する情報基盤の構築
新システムの開発と並行して進めていたプラットフォームの強化では、BCP対策も含めた複数のアプリケーションサーバーを設置し、業務負荷を分散させることで、レスポンスの改善を図りました。
その結果、繁忙期の業務処理スピードが飛躍的に向上しました。東西物流センターと配送情報のリアルタイム連携が実現し、自社商品の製造番号を出荷先別にロット番号で管理するなど、細やかな当日出荷対応を可能としています。(森實様)
また、取引先とのEDI化を順次進めていますが、接続に至っていない取引先には、FAX注文書による自動発注システムを構築しました。16回線をシステム連携させたことにより、人的作業が大幅に解消されました。取引の確実化に加え業務の省力化も実現できたことは大きなメリットです。(鈴木様)
さらに、年々増加している納期・価格・仕様の電話問い合わせ、サンプル品の出荷依頼に対しては、Web商品検索システムを公開し、サービス向上を図りました。新システムは、業務効率化に加え、CS(顧客満足度)向上を実現する、有効な情報基盤であると評価しています。(鈴木様)
今後の展望多様化する顧客ニーズに的確な対応を継続
企業の成長には、流通の安定に加え、変化する市場の動向を可視化したマーケティング活動が必要です。
今後も、生産管理システムによる業務プロセスの効率化、消費税法改正や軽減税率制度へのスムーズな対応など、情報基盤の整備を継続することで、多様化する顧客ニーズに的確にお応えしてまいります。(別府様)