シフト勤務が新型コロナウイルス対策になる2つの理由|シフト勤務を導入する前の準備
シフト勤務とは?
企業の勤務体系には「定時勤務」と「シフト勤務」がありますが、シフト勤務とは交代制の勤務のことです。
一般的には、1ヶ月以内で単位を区切り、1週間の労働時間が平均40時間以内になるように、シフト勤務表などを用いて交代で勤務します。
しかし、この1日8時間、週40時間を超える労働時間の勤務体制を組む必要がある場合は、時間外労働に関する36協定を締結の上、所轄の労働基準監督署への提出が必要となります。また、法定の週40時間を超える勤務体制の場合には、変形労働時間制(週単位・月単位)と併用する場合があります。
二交代制
シフト勤務のうち、勤務時間を二つに分けて、交代で勤務するのが二交代制です。24時間勤務の現場では、12時間以上の労働時間になるなど従業員の負担が大きくなりがちですが、引き継ぎ回数を減らせるなどのメリットもあります。
他にも早番、遅番に分けたうえで、二つのグループが同時に勤務する時間の体系もあります。
三交代制
三交代制は、勤務時間を三つに分けて交代勤務する体系のことをいいます。24時間を8時間ごとに分けることが多く、残業時間が発生しにくい勤務体系です。
三交代制のシフト勤務は、24時間稼働している工場や医療機関などで導入されています。従業員を3つのグループに分ける他、4つのグループに分けるシフトもあります。
シフト勤務とフレックス勤務の違いとは?
労働基準法上の変形労働時間制には、シフト制の他にフレックスタイム制があります。勤務時間が一定ではないという点から混同されることがありますが、両者には大きな違いがあります。
それは、シフト勤務は管理者が決めた勤務時間から選択して働くのに対し、フレックス勤務は従業員が自分で勤務時間を決めて働く点です。
フレックス制では、従業員自身が、一週間や一日といった単位のなかで所定の時間を満たすように勤務時間を決められます。
新型コロナウイルス対策にシフト勤務が効果的である理由2つ
シフト勤務というと、パートタイマーやアルバイトのイメージがあるかもしれませんが、サービス業やそれ以外の業種でも10時間以上の営業時間を持つ店舗は珍しくありません。そのため、正社員でもシフト勤務をとっている企業は多く見られます。
現代では欠かせなくなったシフト勤務ですが、出勤を交代制とすることで、新型コロナウイルスの感染対策にも効果的であると言われています。以下でその理由を見ていきましょう。
新型コロナウイルス対策にシフト勤務が効果的である理由:顧客や従業員との接触を減らせる
新型コロナウイルスは人から人へと感染していくものですから、対策として、人と人との接触を減らすことが効果的です。例えばオフィス勤務とテレワークでの勤務のグループに分け、出勤を交代制にすることで、会社内での人の接触を最低限に抑えることが可能になるでしょう。
新型コロナウイルス対策にシフト勤務が効果的である理由:通勤ラッシュを回避できる
シフト勤務を取り入れると、従業員の出勤時間を制限することができます。同時刻に一斉に従業員が出社すると、その時間帯の通勤ラッシュは避けられません。
特に通勤ラッシュ帯では、交通機関内の密や待ち時間での接触が起こります。シフト制にして公共交通機関を利用する時間帯をずらすことができれば、人混みを避けることができ、新型コロナウイルス対策としての効果を得られるでしょう。
シフト勤務以外の新型コロナウイルス対策でサテライトオフィスが効果的である職種2選
シフト勤務と同様に、新型コロナウイルス対策として注目されるのが、サテライトオフィスの導入です。サテライトオフィスとは、本社や支社とは別に従業員が利用することのできる小規模なオフィスのことで、都市型や、郊外型、地方型などがあります。
通勤ラッシュを避けられる、密を避けて業務にあたることができるなど様々なメリットがあります。対応する業務内容により全面的とは言えませんが、以下に挙げる職種ではサテライトオフィスの利用が効果的です。
SE(システムエンジニア)
SE(システムエンジニア)はサテライトオフィスと相性の良い職種です。
顧客対応が多い時期はオフィスなどに出向いての対応となるため、リモートワークやシフト勤務が難しいことがありますが、顧客や自宅から近いサテライトオフィスを利用することができれば、移動時間の短縮を図ったり、人員を分散させることができます。
コールセンター
コールセンターもサテライトオフィスと相性のいい職種といえるでしょう。メールやWebのみの顧客対応であれば、サテライトオフィスで対応することが可能であり、自宅から近いところでの勤務ができます。
電話対応の場合でも、クラウドシステムが導入されていれば、センター内で対応する従業員を分散させることができ、密を防ぐことができます。
但し、共用型のサテライトオフィスでの電話対応は難しく、情報漏洩のリスクもあるため、専用型のサテライトオフィスを利用することが望ましいでしょう。
シフト勤務を導入する際の準備3つ
シフト勤務は通常の定時勤務と比べ、夜勤があったり、勤務時間が不規則になったりと、従業員に負担が大きくなります。そのため、シフト勤務体制を導入するためには、労働基準法に基づいた準備が必要となります。
新型コロナウイルス対策としてシフト勤務を導入するために必要な準備を以下で説明していきますので、参考にしてください。
シフト勤務を導入する際の準備1:就業規則の見直し
就業規則には、「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項」が絶対的必要記載事項として定められています。
これからシフト勤務を取り入れる際は、就業規則例や規定例を参考に、それらの事項を盛り込む様にしなくてはいけません。法定休日や休日出勤の割り増し、シフト勤務者の有給休暇消化などについても考えておく必要があります。
シフト勤務を導入する際の準備2:業務状況の分析とシミュレーション
シフト勤務を効果的に取り入れるために必要なのが、企業内での繁閑の時期を分析して把握し、業務に支障を与えないような人員配置をよくシミュレーションすることです。
極端に人員が偏ることのないように、事前のシミュレーションは欠かせません。シフト勤務と労働基準法の定める変形労働時間制をうまく組み合わせて、法律を遵守しつつ進めていくことが大切です。
シフト勤務を導入する際の準備3:健康診断の頻度を見直す
シフト勤務においては、不規則な勤務時間に加え、深夜帯の勤務時間を行うこともあるため、体に負担がかかりやすいと言われています。そのため、22:00~5:00の勤務になる従業員は、6ヶ月に1回の健康診断が必要になる可能性があります。
半年間のうちの平均で月4回、または週1回程度の深夜勤務などが要件となりますので、確認しておきましょう。
シフト勤務の導入におすすめのシステムとは?
シフト勤務は従業員ごとに始業や終業時間が異なるため、勤務状況を把握するのはかなりの手間がかかります。しかし、実労働時間をきちんと把握していないと知らぬ間に法令に抵触してしまう可能性もあり、気が抜けません。
就業管理システムを使えば、月単位、週単位でシフトを組むことができ、休日数や休日割増の管理などにも役立ちます。「自動シフト作成機能」で、シフト人員の調整や勤怠管理も容易です。
シフト勤務の体制を理解して導入しよう
シフト勤務を取り入れることは、従業員の多様な働き方や残業代などの人件費の削減、そして人が集中して業務をすることの解消による新型コロナウイルス対策などたくさんのメリットがあります。
導入後はきちんとした管理体制の確立のために、就業管理システムを導入するのがおすすめです。
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