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強い総務をつくるために総務コラム

「正社員と非正規社員の不合理な待遇差の禁止」への対応とは第4回「パートタイム・有期雇用労働法」と「同一労働同一賃金ガイドライン」

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働き方改革には、「労働時間法制の見直し」と「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」の2つのポイントがあります。このうち「労働時間法制の見直し」の実施内容である「時間外労働の上限規制」と「年5日の年次有給休暇取得の義務づけ」については、前回までのコラムで取り上げました。今回のコラムから3回にわたり、働き方改革のもう一つのポイントである「雇用形態に関わらない公正な処遇の確保」について、実施内容と会社の取るべき対応を解説したていきます。

1.2020年4月から「パートタイム・有期雇用労働法」が施行される

正社員と非正規社員(パートタイム労働者、有期雇用労働者など)の間の不合理な待遇差の解消に向けて、2020年4月1日から「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されます。(なお、中小企業への適用は2021年4月1日からとなります。)この法律では、次のことが定められています。

  1. (1)職務内容(業務の内容+責任の程度)、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の違いを考慮して、正社員と非正規社員との間に不合理な待遇差を設けてはならない。(均衡待遇規定)
  2. (2)職務内容、職務内容・配置の変更範囲が同じ場合、正社員と非正規社員との間で差別的取扱いをしてはならない。(均等待遇規定)

例えば、非正規社員の職務内容が正社員の半分である場合、正社員の賃金が20万円、非正規社員の賃金が10万円であれば、合理的な待遇差と認められますので、法的には問題ありません。しかし、非正規社員の賃金が5万円であると、正社員と比べて金額が低すぎる(不合理な待遇差がついている)ととらえられますので、法律違反になります。
また、非正規社員と正社員の職務内容や配置の変更範囲がまったく同じである場合、正社員の賃金が20万円、非正規社員が10万円であると、非正規社員に差別的取扱いをしているものととらえられ、やはり法律違反になってしまいます。職務内容などが同じであれば、賃金についても正社員と非正規社員との間で同額にしなければなりません。

2.同一労働同一賃金ガイドラインには待遇差の合理性を判断する基準が示されている

「パートタイム・有期雇用労働法」に均衡待遇・均等待遇規定が盛り込まれましたが、会社にしてみれば、正社員と非正規社員の間の待遇を一気に統一することは不可能で、ある程度の待遇差については残さざるを得ません。

そこで、「どのような待遇差が合理的とされ、あるいは不合理とされるのか」という判断基準が必要になります。この判断基準を示したものが、「同一労働同一賃金ガイドライン」です。

「同一労働同一賃金ガイドライン」では、基本給、賞与、手当、福利厚生などの待遇ごとに、正社員と非正規社員との間の差について、どのようなものが合理的とされ、また不合理とされるかということを、具体例を示しています。

例えば、ガイドラインでは、基本給や賞与については、正社員と非正規社員との間で能力や業績貢献度等が同一である場合は同じものを、それに相違がある場合は相違に応じたものを支給しなければならないとしています。

一方、通勤手当については、(同じ通勤経路であれば、雇用形態に関わらず同額の交通費がかかるので、)正社員と非正規社員との間で同一のものを支給しなければならないとしています。

ただし、正社員については「1 か月分の定期代に相当する額」を支給し、労働日数が正社員の半分程度の非正規社員については「出勤日の往復交通費に相当する額」を支給することは、通勤手当の支給額に差がついたとしても、合理的と認められるものとしています。

「パートタイム・有期雇用労働法の条文を読んでも、どのような待遇の見直しを行えばよいのか分からない」と言う人は、厚生労働省のホームページに掲載されている「同一労働同一賃金ガイドライン」に目を通してみるとよいでしょう。

3.不合理な待遇差と判断されないための手立てと待遇差の根拠を考えることが重要

会社は、正社員と非正規社員との待遇差是正に伴う人件費増加を極力避けたいと思うものです。ですから、「パートタイム・有期雇用労働法」の施行にあたり、「正社員と非正規社員との待遇差は、どこまで残せるのか」また「両者の待遇差を残すのであれば、どのような根拠が必要か」ということを考えることも重要です。

そうなると、「同一労働同一賃金ガイドライン」よりも、正社員と非正規社員との間の待遇差について、実際に裁判で争われた事例のほうが、参考になるかもしれません。そこで、次回は、このような裁判例を取り上げながら、「パートタイム・有期雇用労働法」の施行に向けた対応を考えていきたいと思います。

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ガイドラインに待遇差の合理性を判断する基準が示されている・・・

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