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既存の鳥獣被害対策をそのままに、都市部の協力者をアプリで爆発的に増やすプロジェクト

第2回鳥獣対策・ジビエ利活用展(主催: 一般社団法人日本能率協会/会場: 東京ビッグサイト) の弊社セミナーにご参加いただきました皆様、有難うございました。

当日は、鳥獣被害の対策地域応援アプリ「.Wanna!」 のビジョンを中心に、本プロジェクトが目指すことをご紹介しました。



「.Wanna!(ドット ワナ)」のコンセプト

猪や鹿などの鳥獣に農地や家畜が荒らされることが多発し、被害額も年々増加していることから、農家では鳥獣対策が大きな問題となっています。各自治体では、捕獲用の檻やハンターを増員する等の対策を行うと共に、動いた罠の状況をメールで通知するなど、IoTを活用したハンターの負担軽減も試みていますが、これらはいずれも対症療法的であり、一時的な効果は得られても永続的な対策とはならないことが課題となっています。

鳥獣被害は、農家には深刻な問題である一方、都市部では認知度が低いのが現状です。「.Wanna!」は、都市部での鳥獣被害の認知度を高め、永続的な対策への貢献を目的とするスマートフォン向けのWebアプリケーションです。各自が無理せずに自分たちに必要なことを行うだけで自然と鳥獣対策が加速し、そこに参画する様々な人達が満足を得る。それが「.Wanna!」の目指す姿です。

既存の鳥獣被害対策をそのままに、都市部の協力者をアプリで爆発的に増やすプロジェクト「.Wanna!」 のセミナー風景



プロジェクトのスタートと鳥獣対策に対する仮説

弊社はICTソリューションベンダーの視点で、鳥獣対策のアイデアを考えました。仮説を立て、その仮説を証明するために、対策に携わる方々(研究所、鳥獣対策に取り組むメーカー、大学)を尋ねました。

産学官連携エコシステムで全国有数の成功例である熊本県の団体様をお尋ねしたときは、里山に同行させていただき、捕獲センサーを使った罠の使い勝手などを伺いましたが、何より感銘を受けたのは取り組みの姿勢であり、滅私ともいえる真摯さでした。振り返れば、この体験がプロジェクトの起点でした。

里山への同行



見えてきた鳥獣対策の課題と対策案

まず、従事者の高齢化が挙げられます。農家・ハンターとも高齢化が進み、次世代確保が難しく、協力者の確保や育成が必要です。また、対策が徹底されていない間に動物が知恵をつけ被害が拡大することも多く、勉強会や知識の共有も必要です。

さらに、捕獲後の処理も重要な課題です。捕獲しても処理できない。数十キロある個体の放置は違法であり、運んでも猪はジビエ化できるのは個体の3%程度だと伺いました。運び、処理する施設、それを回すエコシステムを作る必要があります。



WorkVisionが理解したこと、実行したこと

農家には物理罠が補助金で支援されますが、餌の交換、見回り、罠の再設置など日々の作業には見返りがないため、結果的に長く続かず、いわゆる放置罠が増え、罠は設置しているのに鳥獣対策がされていないケースも多いことを伺いました。

鳥獣対策は、国や自治体をはじめ、既に多くの方が取り組んでいますが、不足していることは農家の日常をケアする仕組みと努力が報われる仕組みです。それには、農家に支払う原資が必要となり、直接的に鳥獣対策に繋がっていない方々に協力頂くことを考え、都市部のユーザー参加型アプリの開発を進めることとしました。

都市部のユーザーは、アプリで仮想的な狩猟体験をします。仮想的なワナを購入し、様々なデータをもとに推理してワナを設置します。そのワナは農家が設置している物理的な罠と連動し、農家で捕獲があるとアプリ内のワナもホカクとなり、的中させたユーザーはポイントがもらえ、一定量で景品と交換できます。このアプリ内でワナを買うときの課金を原資に農家へ協力金を還流します。このモデルは新しいアイデアと認められ、現在特許申請中です。

都市部のユーザー参加型アプリの開発



実証実験の開始

神奈川県小田原市様と慶応大学一ノ瀬研究室様で、小田原の石橋地区で罠オーナー制度の実証実験を行っていることを知りました。「.Wanna!」が目指すことに近いものを感じたため、農家を紹介していただき実証実験を開始しました。

「.Wanna!」は、AWSサーバレスモデル(Lambda) を採用したブラウザアプリでスマホを選びません。ユーザーは自分が設置しているワナの場所と、そのワナの有効期間が見られます。あとは的中するのを待つというスタイルですが、ワナは有効期間内であれば何度でもつけかえができます。1つのワナで何回も捕獲することができるわけで、そこはユーザーの腕の見せ所です。

なお、実証実験で分かったことは、ずっと捕獲されない可能性もあるということです。ワナは期間消費するルールですので、一定期間どこにも捕獲がなければ、ワナ用コインの配布対応を行うこととしました。



都市部ユーザー・農家・ハンターのメリット

都市部のユーザーは、アプリを介して手軽に地域貢献の機会を得ることができます。弊社調査では鳥獣対策の支援をしたいという方が一定層ありましたが、実際に リアルなイベントへの参加は難しいという声もありました。「.Wanna!」は、全く鳥獣対策に興味がなかった方々も含め、地域貢献の敷居を下げる効果があります。

農家は、このプロジェクトのために何かを置き換えることはなく、負担が増えることはありません。この仕組みを取り入れることで今までより楽になり、さらに日々の活動に対する見返りが発生します。一般的に農家は狩猟免許を持っていませんので、捕獲後はハンターへの電話連絡で処理をお願いすることとなりますが、不在時は時間を要します。そこで、ハンターへの連絡を「.Wanna!」を通じて行うようにします。これにより、依頼後はすぐに自分の仕事を始めることができます。

ハンターは聞き間違いや聞き漏らしがなくなり、依頼が確実になり数も増えます。また記録に残るため活動を振り返ることもできます。このプロジェクトは商業狩猟に影響せず、農家の捕獲数が増えることで、依頼増、収入増につながる可能性があります。

都市部ユーザー・農家・ハンターのメリット



自治体のメリット

「.Wanna!」は、これまでの施策を無駄にしません。既存施策の何かに置き換わるものではありません。調査の過程で、各地域での取り組みは画一でないこと、やるべきことも進み具合も異なることを認識しています。これまでの取り組みはこれまで通り。現在進めている施策の後押しとしてアタッチできるものです。

また、「.Wanna!」をきっかけに興味を持った都市部のユーザーを地域へ連れてくることができると考えています。鳥獣対策はジビエなど地域おこしイベントとの連携が多く、いわゆる観光としての送客です。例えば、地域のお祭りチケット、ジビエ店のディナー券、エコツアーの参加券などをアプリの景品とすることで、広告デバイスとしても、全国のユーザーへ訴求することができます。

なお、「.Wanna!」は全国横断で展開します。どの地域でどれだけ捕獲されるのか、どういう景品があるのか、都市部ユーザーは横並びで判断し、よりメリットがあるものを選択します。これは結果的に参加地域の競争にも繋がり、鳥獣対策の活性化が進むと考えています。

さらに、よく捕獲成功している地域との情報交換も可能となることで、有効な施策を展開するきっかけとなります。全国の参加者が自分たちの地域の鳥獣対策をアプリを通じて見ている。それをイメージすると、いろいろなアイデアが生まれてくるのではないでしょうか。

既存の鳥獣被害対策をそのままに、都市部の協力者をアプリで爆発的に増やすプロジェクト



WorkVision の目指すもの

「.Wanna!」は、2020 年にアプリ会員数1 万人と連携10 エリア、2022 年には会員数10 万人と連携300 エリアを目指します。活動を通してビッグデータを収集・分析し、見えないノウハウを定量化するとことで、次世代の育成へ貢献したいと考えています。

たとえば、捕獲によく成功するワナにセンサーを設置し、温度、湿度、土中水分、日照などのデータを集め、捕まえやすい条件のデータを見つけだすこと、新米ハンターを捕獲確率の高い場所へ誘導し、そこでスマホをかざすと映像解析で罠を設置する場所のアドバイスが受けられることなどです。

また、罠の再設置や餌交換の手間を減らすため、目的外の個体を捕獲しないこと。センサーで目的外個体を判断し、罠に近づく前に追い払う、例えば猪の母親だけを捕獲するというケースへの取り組み、一時的に山を下りた動物を捕獲しないこと。「.Wanna!」の目指す鳥獣対策は専守防衛です。里に定着した個体は自然の個体と行動が違うかもしれません。それを判別し、害をなすと判断したもののみを捕まえる。このような選択駆除についても現在特許申請中です。

活動を通してビッグデータを収集・分析し、見えないノウハウを定量化



全ての参加者に負担が少なく、長期的に続けることのできる応援の仕組みを提供し、永続的な被害対策に貢献すること。それが「.Wanna!」の目指す姿です。

動物の命をゲームでおもちゃにするという発想はありません。ここまで至るに色々考えてきました。思いつきで始めていることではない、WorkVision は真剣にこの問題に取り組み、このモデルを考え出したのだということをご理解いただきたいと思います。

PDFファイルダウンロード

本ページでご紹介のレポートがPDFファイルでダウンロードできます。必要事項を入力して送信してください。ご入力いただきましたメールアドレス宛にパンフレットのダウンロードURLをお送りします。



本レポートは、2019年11月22日の開催セミナーを取材したものです。



「.Wanna!」アプリの利用方法

スマホからhttps://dotwanna.comにアクセスしてください。QRコードもご利用できます。

QRコード

「.Wanna!」インフォメーションページ
https://workvision.net/wanna/



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