導入の背景車両点検部品の適正在庫化に向けた取り組み
小田急バスは全社員が一丸となって安全で快適な輸送を実現すべく事故防止に取り組んでいます。お客さまが毎日快適で、安心してご利用いただけるバスであるために、各整備工場で定期的に行っている車両のメンテナンスは、バスを持ち上げてあらゆる角度から異常や不具合がないかをチェックし、隅々まで入念な整備・点検を行いバスの安全を守っています。
また、6地域の営業所では出庫前と入庫後にバスの日常点検を行います。毎日欠かさず車両をチェックすることで細かな異変も見逃さず、より安全な運行を心がけていますが、整備に使用する部品等の管理が事業所単位となっていたことで、全社部品の適正在庫の把握に時間を要していることが課題となっていました。
導入の目的部品センター機能を最大限に活用するシステムへ
そこで、開設を進めていた部品センターを核とした全社的な適正在庫のコントロールを図ることといたしましたが、従来利用していた部品管理システムは会計的な要素が強いシステムとなっていたことでタイムリーに拠点別の在庫データを一元管理することが難しく、部品マスター登録作業にも制約があるなど、在庫管理等の精度を改善するには機能的に不足するところがあり、センター機能を最大限に活用できるシステムへリニューアルを行うこととしました。
次期システムは、部品センター在庫を全社で把握することで拠点別の在庫過不足を解消すること、そして整備管理や車検管理システムとの連動により安全運行サービスのさらなる強化を図ることを目的としました。(熊澤様)
導入のポイントシステム採用のポイントは同業者の改善事例
従来システムの機能を備え管理データが移行し易いこと、リアルタイムで全社・拠点別在庫が把握できることなどを要件に各社のシステムを調査した結果、業界イベントで他のバス会社様が業務改善事例としてプレゼンテーションを行っていた東芝ソリューション販売の部品管理システムを導入することといたしました。
採用のポイントはバス会社をはじめとするシステム構築実績が豊富なことでしたが、滞留部品の解消も含めた適正在庫化や商品マスタ整備の進め方など、同業者の方が語る具体的なシステム利用効果に信頼性を感じました。
導入の効果在庫確認の業務コストを大幅に削減
部品センターと各営業所は、ハンディターミナルを利用した在庫管理を行うことで他拠点も含めた数量を把握することが可能となり、入出荷や倉庫間を移動させた後に手入力で修正していた数量がリアルタイムでデータに反映されるため、在庫管理に要していた業務コストを大幅に削減することができました。
これまで把握しづらかった滞留部品も、全社在庫データがタイムリーに確認できることで、営業所は先ずセンター在庫を確認したうえで手配依頼を行うこととなり、それぞれの拠点に重複していた在庫量が確実に減少しています。これは期待通りの効果でした。
また、部品センターでは部品単価や納期確認が容易となり、請求内容の帳合などの業務効率も向上し、経営判断のスピードアップにも貢献できていると考えています。(萩原様)
今後の展望お客様に満足いただける更なるサービス向上へ
システム導入の最大のメリットは、適正在庫のコントロールによる業務の効率化だけではなく、整備担当者からの要望に迅速かつ的確な対応が可能となったことで、輸送の安全確保に向けた継続的な改善に貢献できたことだと考えています。
これからも、他のバス会社様の改善への取り組みも参考としながら車両の計画整備を進め、お客様に満足いただける更なるバスサービスの向上を目指してまいります。(熊澤様)