導入の背景サービス改善と業務品質を高めるシステム化を検討
パルシステムは、英語のpal(友達)とsystem(制度)を組み合わせた造語で、「個人の参加が大きな共同を作り出す」ことの意味を込めています。
よりよいものを適正価格で自宅までお届けすることで、地域社会に連帯と協同のセーフティネットづくりを実践していますが、組合員数の拡大に伴い、各地に展開する配送センターには配送状況や商品に関しての電話件数が増加し、また問い合わせの内容も多岐に亘るようになってきました。
生協の原動力は、組合員ひとりひとりの声です。これまでにもパルシステムに届く多くの声を、商品の開発や改良、物流やサービスの向上につなげてきましたが、現在150万人を超える組合員の多様化するニーズに的確に対応するには、さまざまな声を迅速に把握して、サービス改善と業務品質を高めるシステム化が必要だと考えました。
導入の目的問い合わせをサービスセンターに集中化
パルシステムでは、従来より組合員が日常的に声を届けられる仕組みを作り、モニターやアンケートで収集した組合員の意見もあわせて参考にし、業務改善を進めてきましたが、対応が後追いとなってしまうこともあり、課題のひとつとなっていました。
そこで、新システムには、変化する組合員のライフスタイルに対応し、さらに役立つ生協となることをテーマに加え、各センター宛に寄せられる電話の問い合わせをサービスセンターに集中化させ、組合員の声の「見える化」と、配送部門への迅速なエスカレーションを図ることといたしました。(直井様)
導入のポイントCRM(顧客情報管理)構築のノウハウに期待感
新システムは、OCRシステムをはじめ、生協に特化した情報基盤の構築に実績のある東芝ソリューション販売に委託しました。
生協向けに開発された「問い合わせセンターシステム」の機能も評価ポイントでしたが、システム品質を維持しながら開発期間を短縮しコストを抑えるベースソリューションの提案、生協の業務設計支援の経験値に加え、企業のCRM(顧客情報管理)システム構築のノウハウも豊富であることから、スムーズな導入が期待できました。
導入の効果サービスセンターで「声」を一元管理
サービスセンターでは、商品・サービスに対するご意見、質問、クレームの受付を開始しましたが、組合員との応対品質の向上はもとより、組合員の声を一元化できたことで、迅速かつ精度の高い情報連携が可能となり、部門連係も活性化しています。(千葉様)
組合員が商品を購入するときだけでなく、購入に至るプロセス、購入した後の利用状況など、あらゆるシーンで寄せられる声を、組合員と購入商品を軸に統合管理することで、対応履歴や関連情報の正確な把握が可能となり、サービスカルテとして活用できる情報整備が実現しました。(直井様)
今後の展望組合員志向で、さらなるサービスレベルの向上へ
サービスセンターシステムは、多様化する組合員のニーズに対して、組合員の視点で価値ある情報やサービスを提供できるICT基盤となりました。システムの稼働により、マネジメント力の強化や生産性の向上も実現しました。
今後も、基幹システムとの連携情報を充実させ、組合員志向でサービスセンター機能の拡張を進め、さらなるサービスレベルの向上を図ってまいります。(直井様)