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強い総務をつくるために総務コラム

~先進企業における人事情報・データの活用事例~第8回 HRテックと人事情報・データの活用 ②

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今回のコラムでは、HRテックを活用して目標管理制度の運用を変えることにより、社員の定着率改善や会社の業績向上などの成果をあげた事例をご紹介します。

1.HRテックを活用した目標管理制度の運用

システム開発などを行っているS社(社員300名)は、ここ数年、社員の定着率の悪さに頭を悩ませてきました。入社後3年以内に退職する割合は約50%で、労働条件や作業環境の改善も行っていますが、社員の定着率は良くなりません。

人事部が退職予定者に面談を行ったところ、「前任者からの仕事の引き継ぎが終わったら、そのまま放ったらかしにされた。上司や先輩からの指導もない」、「会社が目指していることも分からず、上から言われたことを何となくやっているだけ。自分が成長している実感がない。」などの不満が聞かれました。

S社では、目標管理制度(期初に上司と部下が相談して業務目標を設定し、期末にその達成度を評価する仕組み)を運用しており、上司と部下との間で定期的に面談を行うことも義務付けていましたが、それらは形骸化しており、実際には、ほとんど実施していない職場もありました。

そこで、S社は、HRテックを活用して目標管理制度を運用することにしました。

具体的に言えば、目標設定から達成度評価までの流れすべてをシステム上で行うこととし、上司、部下だけではなく人事部門も各自が設定した目標と達成状況を確認できるようにしました。また、上司と部下の間で目標の達成状況を確認する面談の実施、およびその結果を人事部門に報告することを義務付けて、それらのデータをサーバーに保存することにしました。

こうしたところ、上司と部下の面談が確実に行われるようになり、さらに、面談の中で上司が部下からの質問に答えたり、部下にアドバイスしたりするようになったため、上司と部下のコミュニケーションが大幅に良くなりました。

このシステムの導入後、S社の若年層の退職割合は20%以下に改善されました。


HRテックを活用した目標管理制度の運用イメージ

2.蓄積した情報・データを分析して、人材配置や教育訓練に活用

S社では、目標管理制度をシステム上で運用するようになってから、全社員の目標シートや面談記録などを人事情報システムにデータとして保存しています。この目標シートなどには、社員の得意分野、スキルおよび適性などに関する情報が大量に記載されています。そこで、S社では、AIでこれらのデータを分析して、その結果を人事管理に積極的に活用するようになりました。

例えば、介護施設向けの営業プロジェクトを立ち上げるときには、AIに目標シートを分析させて、介護施設への営業実績がある社員のリスト、および最も高い成果を期待できるチーム編成案の作成を行わせています。また、AIに高業績者の研修履歴を分析させて、社員一人ひとりの育成プログラムの作成も行わせています。

S社は、目標管理制度の中で得られた情報・データを人事管理に積極的に活用することによって、活力ある組織づくりや社員の能力開発などに大きな成果を上げています。

3.目標管理シートは、人事に関する情報・データの「宝の山」

目標管理制度は、これまで多くの企業で「賞与査定のツール」として使われてきましたが、最近は、S社のように「社員のスキルや適性などに関するデータを収集するツール」として使われることも増えてきています。そして、人事部門が、目標シートから得られたデータを分析して、経営に関する様々な提案をするようになってきています。

全国で不動産販売事業を行っているT社(社員数1000名)では、目標管理制度のデータを分析したところ、「各社員の目標達成度のバラツキが小さい営業所ほど、営業所全体の業績はよい(つまり、目標達成度が極端に高い社員、低い社員がともにいないほうが、営業所全体の業績がよくなる)」という傾向を発見しました。そこで、人事部門は、営業所長に対して、部下の営業実績のデータを与えて、部下の能力や得意分野などを考慮して業務目標を設定するように指導しました。

また、それと同時に、「目標達成度は賞与査定には反映させない」という制度改定も行いました。これは、「賞与に影響するという意識を持つと、適切な目標設定ができなくなる」という理由によるものです。

これらの指導や制度改定の結果、T社の事業運営は、「トップ営業部員に依存する体質」から「社員一人ひとりが着実に稼ぐ体質」に改善され、従来よりも高い業績をあげることに成功しています。


今後、S社やT社のような事例が世間に広まることにより、日本企業におけるHRテックの導入は、さらに進んでいくものと考えられます。

皆さんの中にも、HRテックの導入について考えていらっしゃる方がいるかもしれません。そこで、次回のコラムでは、HRテックの導入に関する注意点を説明したいと思います。


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