導入の背景内製システムから脱却し、全体での業務効率化を
2015年までは手組みのオフコンで基幹システムや財務会計システムを運用しており、時代に合わせた修正だけではなく、システム変更に伴うデータコンバージョンなども自社で対応していました。設計から構築まで自社で行うため、短期間で実施可能なことも多かったですが、必要な知識の吸収には苦労し、後進が育たず開発メンバーの高齢化が進んでいました。
また、会社内でも業務効率化と生産性向上を永続的なテーマとして掲げており、システム適用範囲の拡大や自社開発システムからパッケージへの移行が求められていました。
導入の目的業務効率化のためにシステム統合や連携を検討
基幹業務、固定資産管理、会計業務や経費精算などの業務を効率化していくためには、それぞれの業務をシステム化するだけではなく、システムの統合や連携が不可欠でした。
手組のオフコンは自社が求める機能を実装しやすいなどのメリットもありましたが、属人化のリスクと開発要員確保の問題と今の時代に求められるデータの粒度や機能には限界があり、リプレイスを検討しました。
導入のポイント基幹システムと財務会計システムの連携性とサポートの充実さを評価
リプレイスを検討する際に重視したポイントは、既存の基幹システムとの連携しやすさと導入支援やサポートの充実です。連携面では、基幹システムと財務会計システムの連携により実際原価を把握して、より正確な原価管理を実現する必要がありました。基幹システムと財務会計システムでは、自動仕訳、取引先マスタや入金、支払、製造費用(原価計算)を連携する必要がありました。
導入支援やサポート面では、導入段階では未知数でしたが、我々が求める機能をもったシステムと将来を考えた提案をしてくれたWorkVisionに任せることにしました。実際に導入決定後には、アドオン開発時や弊社独自の会計処理の運用にも丁寧に相談に乗ってもらえたり、理解度が浅いメンバーにも根気強く支援いただきました。また、抽象的な質問をしても、具体化して適切に返信をくれるなどのサポートをしてもらっています。
導入の効果正確な原価管理の実現と経費精算業務の省力化
基幹システムと財務会計システムの連携により、標準原価ではなく実際原価で管理ができるようになり、より正確な数値をもとに経営判断ができるようになりました。また、データ連携により二重入力も削減することができ、作業時間の短縮にもつながっています。
その他には、財務会計システムとワークフローの連携を実施し、経費精算作業の効率化を実現しました。システム連携によって、領収書と申請書の確認作業が大幅に省力化され、不備があった場合も、再申請や差戻機能により効率的に運営が可能となりました。
伝票入力業務では、必要な項目はアドオンで事前に反映されていることで、入力時間が短縮でき、これらの作業時間を従来の半分以下にすることができました。
その他にも、複数画面の立ち上げ機能や各種画面のエクセル出力、画面レイアウト編集機能による作業の効率化や、部門長が事業計画を作成する際、決算内容を画面で見ながらの入力で、作成時間が短縮できています。加えて、パッケージ自体を改変するのではなく、アドオンで対応したためバージョンアップ時にもズムーズに対応できています。
今後の展望ペーパーレス化・業務効率化で、より一層の業務の質向上を目指す
今後は、電子帳簿保存法への対応やAIOCRによる紙書類の自動仕訳などのペーパーレスに積極的に取り組んでいきたいと思っています。また、財務会計システムを税務申告ソフトと連携することで税務手続きの効率化にも取り組んでいきます。
システムを活用することで、業務効率化や生産性向上を実現し、今まで業務に追われて難しかった「質」の向上にもっと時間を使っていきたいと考えています。