導入の背景顧客・案件管理はSalesforceで管理し、販売管理パッケージをカスタマイズした上で連携していた
同社では顧客・案件管理システムとしてSalesforceを導入し、訪問記録、案件情報、受注・売上・入金などの販売状況が一元管理できるよう「顧客カルテ化」を実施していました。
顧客カルテ化の実現には販売管理システムとの双方向のデータ連携が不可欠でした。
「顧客カルテ化」の実現により、次のようなメリットが生まれました。
①:営業の方がお客様でSalesforceに受注したデータを自動的に販売管理システムに取込む仕組みを構築したことで、営業から営業事務に電話や社内SNSを使い受注情報を連絡→営業事務で受注データ入力という作業がなくなり業務効率は格段に上がりました。
②:販売管理システム側から過去受注データを取込むことで、顧客の農家で今後必要になるであろう需要予測がわかり、提案型営業を行うことができるようになりました。
③:またそれらの予測値を使って、発注管理を行うことで、在庫の適正化と機会損失の防止ができるようになりました。
導入の目的オンプレからの脱却とマスタメンテナンスがしやすいシステムへの変更によるDXの実現
前システム導入の過程では、オンプレによる販売管理パッケージに大幅なカスタマイズを行って機能を作り込んでいました。
しかし、この方法では、システム構築時の担当者が異動や世代交代したときにブラックボックス化してしまうリスクがあり、OS、開発言語、データベース等のプラットフォーム更新に伴い、システム側も更新に多額の費用がかかるというデメリットもありました。
また、オンプレでは、サーバー管理者を置く必要もあり、それも負担が多く、それらのデメリットを解消することを目的にしました。
導入のポイントDX実現のために、パッケージのカスタマイズはせず、SaaS版クラウドを採用
新システム構築にあたっては、「現行業務にシステムを合わせる」ことは止めて、WorkVision販売管理パッケージの標準機能に合わせることを前提に、どうしても対応できない部分は外部プログラムをアドオンする方針でシステムを見直しました。
農薬業界特有の特殊帳票「毒物劇物譲受書」の発行もその方法で実現しました。
WorkVision社のSEも従来システムを熟知していたため、新システムへの移行もスムーズに実現できました。
導入の効果システム間連携のシンプル化とサーバー管理からの解放を実現
パッケージを無修正で使用することにより、標準仕様で運用するSaaS版を使用して、Salesforceや会計システム、業界の受発注システムと連携が実現できました。
これらにより、システムがブラックボックス化するリスクやプラットフォーム更新費用の増大のリスクを低減することができました。
また、サーバー管理の煩わしさからも解放され、BCP対策の観点からも有効であったと考えます。
※ Salesforceは、Salesforce.com Inc.の登録商標です。
今後の展望更なるシステム活用によるDX化の前進
労働時間の短縮、賃上げ、労働者不足など経営からみると様々な課題があります。
それらの解決のためには、更なるIT活用を進めていきたいと考えています。
それらを通じて、バックオフィスの業務効率化のみならず会社全体の生産性向上を目指していきます。