導入の背景増加する貿易業務を販売管理システムと連動
グラフテックの輸出の多くを占めているのがカッティングプロッタです。屋外広告・看板製作に利用する企業向けの高機能な大型製品が主力ですが、コンシューマ向けの小型機器も好評いただいております。
国内外の様々な生産現場より求められる製品をスピーディーに供給するために、受注・販売や在庫情報を連動して管理する環境づくりを進めてきましたが、従来の販売管理システムは増加する貿易関連の業務システムと在庫データが共通して利用できず、受注、販売それぞれの業務で再度データの入力が必要となるなど、効率化に適したシステムとは言い難い状況でした。
導入の目的販売管理に求められるデータ連動性の改善
グラフテックの製品は、通常の営業対応の他にもECサイトや特定企業とのWeb-EDIで発注いただいていますが、貿易システムと在庫データが連動しないことに起因して、Web受注の納期・在庫のデータ確認にも多くの時間を必要としていること、Web-EDIは取引企業が増えるたびにプログラム開発が必要となっていること、商品ラインナップの拡充により担当者毎の見積もり様式が異なってきたなど、業務効率が向上できていないことが課題として抽出されました。
市場ニーズの変化に迅速に対応していくためにもデータの連動性を改善することを優先課題と捉え、販売管理と貿易管理システムのリプレイスを決定し、シームレスなデータ連動が可能である東芝ソリューション販売の提案システムを採用することと致しました。(杉田様)
導入のポイント統合システムで業務パフォーマンスが向上
評価したポイントは、在庫データの連動だけではなく、当社業務への適合性が高く、貿易システム(海外)と販売管理システム(国内)の受注・売上が連動する統合したシステム対応で業務パフォーマンスの向上が見込める点でした。 従来、営業部門と生産部門で同一内容のデータを二重入力していたことからFAXやリスト等の重複処理が混在することもありましたが、データ連携で二重入力が廃止され、輸出入業務が効率化できること、また回収・支払予定、売掛・買掛管理も統合管理できることはメリットであると認識しました。
導入の効果業務の質もグレードアップ
新システムではセット商品構成をマスタに登録でき、システムが製品在庫を確認し自動引当を行います。引当後に出荷案内書が発行され物流担当者に出荷指示を行い、出荷案内データをもとに自動売上処理が可能となりました。
従来システムは、センター倉庫からの出荷業務がバッチ処理であり、当月内の出荷予定日の引き当て処理が必要でしたが、新システムではリアルタイムで引き当て処理が実行されることで、納期回答や出荷確認の業務が大きく改善されました。
また、パッキングリスト(梱包明細書)のデータを生産管理システムに連携でき、インボイス(商業送り状)を元に出荷入力されたデータを全社の販売管理システムへ連携することもでき、二重入力や確認に費やしていた業務コストを大幅に削減することができました。
さらに、システムで見積書のフォーマットを統一でき業務標準化の環境づくりも実現できました。東芝ソリューション販売の構築システムは、業務の質もグレードアップできたと評価しています。
今後の展望モノづくりで信頼される企業を目指して
当社を取り巻くビジネス環境は常に変化し続けています。単なる商品・サービスの提供というビジネスモデルから、よりお客様の立場に立ち問題解決を図るソリューションビジネスが強く求められてきました。
計測事業に於ける自動車業界向けの大型インライン試験装置や、コンピュータ周辺機器事業に於ける大型カラーコピーシステムは、そうした事業活動を反映した製品です。
現在の輸出国は40ヶ国を上回り、高品質なラベルを自由に作成できるラベルプリンタや、カッティングプロッタ、大判スキャナほか、新製品も続々と誕生しています。今後は、海外拠点、海外関連会社にもシステム化を進めることで、人と社会に認められる価値を共有し、より分かりやすく、より使いやすいモノを作り、信頼される企業を目指します。(杉田様)