導入の背景長年利用によるシステムのブラックボックス化、保守の属人化を問題視
弊社では約30年にわたってAS400を販売管理・会計業務のシステムとして利用していました。バージョンアップを繰り返しながら、法令変更や運用変更がある度に、自社の運用に合わせてカスタマイズして運用しており、会社全体で使い慣れたシステムになっていました。
しかし、自分たちの使いやすいようにカスタマイズしたことによる便利さはありましたが、AS400を今後も継続して利用していくことに不安がありました。
システム制作を依頼した会社が閉鎖したため、その当時の担当の方に継続して保守やシステム変更の対応を依頼していました。
そのため、その人だけがシステムのことが分かるという危険な状態になっており、世の中的にもAS400に対応できるエンジニアの高齢化が進んでいるため他の方への依頼も難しく、基幹システムが突然使えなくなるリスクを抱えながら日々業務に取り組んでいました。
そんな中、利用していたバージョンの保守切れのタイミングが訪れ、これを契機に基幹システムのリプレイスを検討し始めました。
導入の目的法対応や業務負担軽減を含む、安定したシステム運用を検討
基幹システムをリプレイスするにあたり、これまでのように個人や特定の人に依存するのではなく、長期的に安定したシステムの運用を実現するというのは重要な目的の一つでした。
その他には、法令変更の度に発生する改修コストの削減や、専門知識が無くても必要な人が必要なタイミングで手間なく欲しいデータにアクセス・抽出を可能にすることで、データの確認・集計作業の負担軽減といった運用コストの削減も重要です。
また、先行して給与システム、勤怠システム、グループウエアなど社内システムを順次クラウド化してきていたため、販売管理・会計システムにおいてもクラウド化を進めて社内のシステム間連携を強化することで、ブラックボックス化を解消しながらDXを今以上に推進していこうという目的もありました。
AS400自体の保守切れのタイミングがきっかけではありましたが、将来への不安の解消・コスト削減、DX推進などの方針をもとに社内を説得しリプレイスすることが決まりました。
導入のポイント自社ノウハウを活かした運用、コスト削減と業務標準化を実現できる提案を評価
リプレイスが決定した際に、これまでの運用や機能をそのまま移行しようとする話もありましたが、独自に開発した機能も多く、その場合はシステムの開発に膨大な費用が必要になりました。
また、一時的な費用だけではなく、独自のシステムを作ることで法令対応への個別開発コストや、システムを長期的に安全に運用できなくなるリスクを残す可能性がありました。
そこでパッケージ型のシステムを導入することで、コスト削減と運用の標準化を行うことにしました。
WorkVisionを知ったきっかけは信頼している会社からの紹介でした。
商談において製品も当然大事ですが、営業担当者や技術担当者も重要で、実際に商談をしてみるとレスポンスも早く、丁寧な対応で、
安心して任せることができると感じました。
そこでより詳しく製品の紹介を受けていくと、パッケージのコア機能を維持しながら、アドオンなどのカスタマイズをすることで、これまでの自社のノウハウを残しながら運用することができるものでした。
また、会計システムとの連携性も高く、既に決まっていた会計システムとの連携も問題なく実現でき、販売管理・会計業務の効率化を望むことができそうでした。
導入の効果システム連携によるデータ分析力向上、請求書電子化による大幅なコスト削減を実現
従来のAS400では、システム内のデータのアウトプットに課題がありましたが、WorkVision販売管理では、当然データのアウトプットはできましたし、会計システムとの連携によってデータ分析が非常に容易になりました。
また、別の請求書発行システムと連携することで、請求書・納品書の電子化を実現し、インボイス制度へ対応しながら大幅に作業量・費用を削減することができました。
納品書や請求書などは、印刷・封入・郵送を毎月丸1日かけて実施していましたが、ほとんどが電子化しメールで対応できるようになったので、チェック作業さえ終われば、印刷等の作業は数分で終わるようになりました。
毎月月初になると張り詰めた空気が発生しがちでしたが、今では落ち着いた月初を迎えることができています。
多くの課題が発生し難航する部分もありましたが、親身になって解決いただけたので、無事にリリースすることができました。
今後の展望グループ間連携の強化による更なる効率化を推進
現在異なるシステム・コードで管理しているグループ会社とのシステム連携を実現することで、受注入力の伝票作成における二度手間削減による効率化や、ヒューマンエラーの防止を推進していきたいです。
また、まだ決算が終わっていない状態ではありますので、データをどのように分析していこうかというところも検討中ではありますが、今後もWorkVisionに適宜相談しながら進めていきたいと思います。