導入の背景複数のシステム、仕組みがそれぞれ独立して稼働していた
販売管理システムについては、オフコンの時代からスクラッチ開発で運用しており、受注~出荷~売上~請求/発注~仕入を一元管理していました。時代の流れで、ECサイト(Amazon・yahoo・楽天)からの受注にも対応できるように販売管理システムとの連動は行っていました。
一方、物流システムは自動倉庫メーカ―のシステムを導入しましたが、販売管理システムとの連携はできていませんでした。
また、販売管理や会計システムのデータを、Accessを使って分析するシステムも作っていましたが、こちらもシステム連携は行えていませんでした。
会計システムは他社製パッケージを活用、人事給与は外部委託していましたので、全社での一元管理はできていませんでした。
そんな中で、販売管理システムのプラットフォーム(OS,ミドルウェア)の制約から見直しをせざるを得ない状況も迫っておりました。
導入の目的業務全体を見通した上で、標準化された業務に見直すことで全社効率化を目指す
それぞれのシステムを個別最適化の観点で導入してきましたが、当該システムを担当している人しか解らないという属人化も目立つようになってきました。
そのため、業務全体を見直したうえで標準化された業務に従業員が合わせるということで、全体最適を実現したいと考えました。
その上で、標準化された業務にあったシステムを導入することにしました。
導入のポイント標準化支援サービスを最初に行う事で全体最適の青写真を作り、受注から出荷までが繋がるシステム化を実現
WorkVisionより、具体的なシステムの検討の前に「標準化支援サービス」を実施して、業務全体の標準化を実施したうえで、段階的にシステム導入をすすめていこうという提案をいただいたため、WorkVisionとともに業務標準化の作業に取り組みました。
その過程では、業務にシステムを合わせるスクラッチ型開発ではなく、自社の上流から下流までの業務を再度見つめ直し、従来のやり方に拘らず全体最適を考えることで、業務の標準化を実現していくという考え方で作業を進めました。
その上で、標準化した業務を実現できる販売管理システムを導入しました。
導入の効果業務の見える化が進んだことで、各部門で業務効率化への機運が高まった
システムの入り口としての受注から、全てのデータが繋がるようになったので、作業時間の短縮につながりました。各部門間で、状況の見える化が進んだことで、全体最適に向けて、各部門での協調が進みました。
例えば、従来システムでは、営業の取り置き在庫が増えても誰がどういう目的で取り置きしているのかわからず、倉庫に在庫は沢山あるのに、売れる在庫が無いという問題がありましたが、新システムでは見える化が進んだため、営業間や部門間で調整ができるようになり、商品の有効活用が進み、在庫削減や機会損失の撲滅が実現できました。
また、出荷部門では当日の出荷内容が事前に分かるようになったため、ダンボール箱のサイズを工夫・調整して、効率の良い箱詰めを実現し、物流費の削減が実現できました。
このように業務の流れが全社で見えるようになることで、各部門で業務効率化の工夫を行う機運が定着できたことが大きな収穫となりました。
さらに、クラウド化により、コロナ禍における在宅ワークの実現にも寄与できました。
今後の展望自動倉庫やECサイトとの更なる連携強化と、輸入管理・電子請求書発行 等の新システム導入による業務効率化を目指す
入出荷関連では、検品の効率化等を含め、まだまだ自動化を進める余地があります。
またコロナ禍で増えたECサイトからの受注はコロナ後も減る事が無く、受注全体の4割を占めるようになり重要性が増してきました。
これらのECサイトとの更なる連携も進めたいと考えています。
さらには、輸入管理システムの導入や、電子請求書への対応も進め、更なる業務効率化を進め、お客様に喜んでいただける商品づくりの為の、クリエイティブな活動を増やすことが目標です。