導入の背景年々拡大する事業環境への対応が急務
高圧ガスは圧力が高く、爆発性、可燃性、支燃性、毒性などの危険があり、高圧ガス保安法で、種々の規制が課せられています。(※参照元:高圧ガス保安協会ホームページ)
当社は、経済産業省の認定により、窒素充填工場・酸素充填工場・炭酸充填工場・アルゴン充填工場を保有していますが、最新の設備を駆使し、各種ガスおよび関連製品の安定かつスムーズな供給に万全を期しています。
また、取り扱う製品の品質上、特に保安面を重視しています。工場での高圧ガスの取り扱いには常に最善の保安体制を図り、災害防止に努力していますが、充填工場では消防団を組織して、万一の場合に備えた定期的な防災訓練を行っています。
さらに、ガスの扱い方や関連機器の使い方については、社内の高圧ガス取り扱い資格者が丁寧にレクチャーするなど、アフターメンテナンスに至るまで、お客様に徹底したサービスを提供しています。
一方、企業活動をサポートする容器管理システムについては、履歴データの検索範囲が6ヶ月間に限定されていたことから、リピート品の価格問い合わせなど、過去の履歴調査に長時間を要することも問題点として顕在化するなど、年々拡大する事業環境への対応が急務となっていました。同時に、プラットフォームの老朽化による保守面も重要な改善テーマとなり、システムのリニューアルを決定しました。
導入の目的業務プロセスを改善する新システムへリニューアル
システムの選定基準は、業界特有の煩雑な商品管理体系に対応できること、また従来の業務プロセスを改善できることとし、WorkVision(ワークビジョン)のパッケージシステムを選択しました。
ワークビジョンの提案システムは、バーコードによる容器管理で、RFIDタイプと小型バーコードタイプのハンディターミナルが選択可能でした。納品書発行、空瓶引取、仕入、充填などに対応し、現場での顧客や容器のインプットにもスムーズに対応できることを評価いたしました。
導入のポイント管理業務の正確化と省力化へ
容器管理にはハンディターミナルを導入し、各拠点の現状をリアルタイムで把握することで管理業務の正確化と省力化を図り、業務効率の改善とデータの可視化を進めることといたしました。
また、販売管理と容器管理のシステム連携では、容器の出荷や引取状況を売上データに反映させることで、従来システムの課題であった長期履歴のデータ保管、データ検索、指定伝票対応が可能となることを要件としました。
さらに、OSのバージョンアップなど最新プラットフォームへの対応を行うことで、安定したシステム稼働と保守性の向上に加え、次世代に継承できるシステムであることを目標としました。
導入の効果全社でリアルタイムの容器管理が実現
ハンディターミナルの導入により、容器ラベルのバーコードが印刷可能となりました。その結果、手書きや手入力が不要となり、処理時間が削減されると共に、ヒューマンエラーによる記入ミスがなくなり、管理業務の高品質化が実現しました。
また、従来は煩雑であった配送員の業務省力化に加え、全社でリアルタイムのデータ共有を実現しました。管理部門では、従来の個別システム利用による重複業務が改善され、ガス種はもとより取引先、出荷先など充実した検索機能が装備されたことで、業務の最適化とスピードアップが図れています。
さらに、本社と拠点間の常時(暗号化)通信など、インフラ面も強化されたことで、システムの安定稼働も可能となりました。ワークビジョンの構築システムは、日常の様々な容器の流れへの対応に加え、保安体制の維持にも有効であることを評価しています。
今後の展望次世代へのノウハウ継承を可能とする情報基盤に
今後も、高圧ガス製造・販売業の重大ポイントである「事務処理業務の効率化と容器情報の徹底管理」をさらに充実させ、お客様へのサービス向上に反映いたします。
また、システムが生成する様々なデータ分析を進め、業務プロセスを可視化することで、課題の共有や次世代へのノウハウ継承を可能とする情報基盤に成長させてまいります。