導入の背景業務品質の向上とスピード感ある事業の展開へ
コジマは、東京23区を中心に43店舗を展開する「ペットの専門店コジマ」の経営、関東・関西に15院を展開する動物病院の経営、ペット用品の輸入、オンラインショップ「コジマ通信販売オンライン」の運営など、ペットに関わる様々な事業を手がける企業です。
コジマでは、ペットをCA(コンパニオン・アニマル)と呼びます。経営理念である「限りない安心をお客様へ」のもと、単にCAをお客様にご提供するだけではなく、動物病院、トリミング、ペットホテル、しつけ、ペット用品の販売、オンラインショップでのフードや用品の通販まで、トータルなケア体制を整えています。
しかし、その体制を支えるICT環境は、企業規模の拡張に伴い導入を進めてきた様々な構築ベンダー(マルチベンダー)製のシステムが混在していることで、データの重複管理やデータ集配信でのタイムラグ発生など、業務品質の向上とスピード感ある事業展開の支障となっていました。
導入の目的ICT アセスメントで従来の課題を明確化
創業100周年を機に、CA専門店として更なる顧客満足度の向上に向けた活動を進める中で、基幹業務システムをリプレイスすることとし、幾つかのベンダーに現状のシステム課題と分析を踏まえた提案を依頼した結果、流通業や医療機関など様々な業界のシステムにノウハウを持つ東芝ソリューション販売へ構築を委託しました。
先ず実施いただいたことは、各部門別の日常業務の洗い出しによる業務プロセスの分解でした。インフラ基盤、アプリケーション、セキュリティやガバナンス状況など、ICTの現状を見える化して課題を洗い出す「アセスメントサービス」により、従来システムの運用課題のみならず新システムで実現できる業務イメージが明確化され、全社でリプレイスの目的を共有化できました。
導入のポイント新システム運用環境の整備へ
アセスメントの結果、優先課題として抽出されたことは、マルチベンダ化に起因するシステムの分断、BCP対策の必要性でした。さらに、各部署のシステム情報を整理する中で、システム運用の領域、形式知化の領域、セキュリティの領域に於いて、運用面の属人化やガバナンス不足などが共通リスクとして新たに抽出されたことから、新システムの運用環境の整備も進めていくこととしました。
それは、教育、情報共有、ドキュメント整備による段階的な属人化の防止。そして、セキュリティ対策ツール、情報資産管理ツールの導入によるコーポレート・ガバナンスの強化です。システムの導入で改善できる業務と、プロセスの標準化を加えることでより改善効果を高めることができる業務を切り分け、スムーズなシステム導入体制が整いました。(菅様)
導入の効果最大の効果は顧客サービスの充実
構築フェーズでは、商品や顧客など各マスター間のデータ連携整備に加え、棚札や店舗別売上予算の実績管理などもシステム内に取り込むことで、データの整流化を図りました。また、アプリケーションサーバー内に新設されたデータの集配信機能の分離により、他のプログラムのパフォーマンスへの影響が抑止されました。
さらに冗長化を図ることで障害に強いシステムが実現しましたが、最大の効果は「顧客サービスの充実に繋がるシステム」となったことではないでしょうか。店舗、トリミング、病院など、それぞれのデータがリアルタイムで連携し、商品の入荷や在庫・納期など、お客様からの問い合わせに、きめ細かな対応が可能となりました。
また、CA販売時のCAと物販のレシートや契約書時の切り分け、センター在庫商品の消費期限管理、通販サイトの新規会員登録の即時反映、診察券とポイントカードの連携、薬剤の在庫管理など、各部署の様々な課題を解消できたと共に社内の情報が共有されたことで、スタッフは「お客様の現在の姿」を理解することが容易となり、的確なお客様対応と専門技術の向上につながりました。
東芝ソリューション販売の、コジマの目線に立った「共に創る」構築スタンスを評価しています。
今後の展望お客様が求める新たな価値の創造へ
コジマでは、技術や知識だけでなく、何よりもスタッフの「人間的魅力」を磨くことを大切にしています。「この人なら信頼できる」「この人から買いたい」そうお客様から信頼される人間へ成長できるよう、人間的魅力を磨く努力を重ねています。
継続したイノベーションの実行は、企業の進化とビジネスの幅を拡大することにつながります。IT化が進む社会のなかで、常にお客様が求める新たな価値創造に挑戦してまいります。(大隈様)