2020年01月09日
カテゴリ:総務
給与計算の資格とは
給与計算には「給与計算実務能力検定試験」という資格があります。「給与計算実務能力検定試験」は内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会が認定する資格で、企業や組織に不可欠な給与計算業務についてその知識や遂行能力を判定し、実務能力への確かな評価を与える検定試験となっています。給与計算業務には社会保険の仕組みや労働法令、所得税・住民税等の税法などに関する幅広い正確な知識が必要不可欠です。そのため、試験では管理部門で求められる給与計算業務に対する知識や実務遂行力を測ります。
資格なしでも大丈夫?
給与計算実務能力検定試験の資格を持っていなくても業務自体は可能です。給与計算実務能力検定試験は給与計算業務において必須の資格ではないため、持っていなくても問題ありません。しかし経理の仕事の中でも給与計算は大変重要な業務であり、さらに所得税や社会保険料などの税金を差し引いて計算する必要があるため、計算方法が複雑です。そのため、ある程度の知識を持っている必要があり、給与計算実務能力検定試験を持っている方が即戦力になれるでしょう。
試験のメリット
給与計算実務能力検定の資格を取ることでさまざまなメリットが期待できます。資格を取得することで業務品質を向上させることができ、給与計算担当者レベルの向上に繋げることができます。また、資格試験であるため、給与計算の学びに対するモチベーションに繋がるだけでなく、資格を取得することで、給与計算の実務能力を客観的に証明できます。
資格試験の種類
給与計算実務能力検定には1級と2級の試験区分があります。2級は給与計算における実務上の基礎となる労務コンプライアンスについて正しく理解し、基本的な給与計算を行い、明細を作成できるレベルとなっています。また、一般職員として年末調整以外の通常の給与計算業務と賞与の計算ができるレベルと定められています。1級は労働法令や税務についても正しく理解し、複雑な制度やイレギュラーな給与体系にも対応可能で、年末調整も含めたすべての給与計算業務に精通したレベルとなっています。また、社会保険や税務等付随する手続きを行うことができ、給与計算業務の管理ができるレベルと定められています。
給与計算の資格を取得するには
給与計算に役立つ給与計算実務能力検定はどのように取得すればよいのでしょうか。給与計算実務能力検定の資格を取得するには、決められた日程で試験を受け、合格する必要があります。試験日や試験開催地は各回によって異なるため、受験する場合にはその年の受験要綱を確認するようにしましょう。ここでは給与計算実務能力検定の日程や難易度などの受験概要を紹介します。
給与計算実務能力検定の日程
給与計算実務能力検定は年2回行われます。給与計算実務能力検定の試験区分が2級と1級にわかれており、2級が3月と11月に実施、1級は11月のみ実施となっています。具体的な試験日や試験開催地は毎年異なりますので、受験する年によって受験要項を確認する必要がありますが、2018年は3月18日と11月23日、2019年は3月21日と11月17日に試験が行われました。
給与計算実務能力検定の難易度
給与計算実務能力検定の難易度は、2級は「やや易しい」、1級は「普通」だと言えます。合格率は経理系の資格の中では高い方なので、取得しやすい試験であると言えるでしょう。また、受験資格として実務経験や学歴による制限もないため、問題集や認定テキストを利用して学習するだけで実務経験がない人でも十分に合格を狙えます。
給与計算実務能力検定の合格率
合格率は平均して2級が75%~80%、1級が30%~35%程度となっています。2018年11月23日の試験では、2級を受験した人数が1,209人、合格した人数が853人で、70.55%の合格率、1級では受験者数が1,316人、合格した人数が779人となっており、59.19%の合格率となっていました。2018年度は1級も約60%が合格していることもあり、合格率は高いと言えます。
給与計算実務能力検定の過去問
給与計算実務能力検定の過去問は公式サイトに掲載されています。一般的に試験勉強をする場合、問題集やテキストを購入して練習問題を解いたり、過去問題を解いたりして勉強をする必要があります。しかし給与計算実務能力検定では過去問の掲載されたテキストが販売されていないため、試験勉強では一般社団法人実務能力開発支援協会のサイトに掲載されている過去問題のサンプルを使って勉強する必要があります。
給与計算業務の知識向上のためにも資格試験を受けてみましょう
給与計算実務能力検定の知識は給与計算業務に役立ちます。給与計算実務能力検定では給与計算業務で必要な給与計算の知識や税務や労働法令に関する知識、さらにイレギュラー対応など、経理として働くために必要な知識を付けることができます。また、最近では給与計算に対応したシステムやサービスの導入も広まってきているため、そういったサービスを活用するためにも知識を身につけておくと良いでしょう。
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