DX戦略を成功に導く最初に取り組むべき3つのポイント

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新型コロナウイルス感染症対策を契機に、社会全体のデジタル化が加速しています。ニューノーマル時代の中で企業が生き残りを図るには、デジタルを業務効率化のためだけの手段とするのではなく、新たな価値を創出して競争上の優位性を確立させるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することが必要です。

政府は「Society5.0」の実現による更なる経済成長や生産性の向上には、社会全体のデジタル化が不可欠であると表明し、公平な競争を促すデジタル市場のルール整備を進めると共に、DXの推進など社会全体のデジタル化に向けた様々な施策を講じています。

また、2021年12月に行われた内閣総理大臣の所信表明演説では、DXを進めるデジタル庁の機能を更に強化することが語られました。デジタル社会を形成する司令塔であるデジタル庁は、未来志向のDXを推進し、デジタル時代の官民のインフラを5年間で一気に作り上げることを目指しています。

こうした背景の下で、DX戦略の実行で急速に成長する企業が現れています。その多くは、顧客との価値共創を通じて継続的に新たな価値を提供していることが特徴です。

この記事では、企業のDX成功事例を紹介すると共に、DXを戦略的に成功させる具体例やポイントをご紹介します。

DXとは?

DXは、最新テクノロジーをフルに活用することで価値あるサービスを創出する概念です。経済産業省はDXを「企業が顧客や市場の変化に対応するために、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して価値を創出し、競争上の優位性を確立することである」と定義しています。

DXの推進は、業務プロセスや組織風土など、様々なビジネス文化の変革を伴います。企業がDXを成功させる第一歩は、新たな価値創造を目的とするデジタル経営に取り組むことだと言えるでしょう。

企業でDX戦略が必要となる理由

DXの推進で新たなサービスを提供する企業が現れる一方、競合するビジネスモデルの登場で既存のビジネスが破壊される企業(デジタル・ディスラプション)も散見されています。

経済産業省は、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定など、経営者がとるべき対応を「デジタルガバナンス・コード」として取りまとめ、持続的な企業価値の向上を図るポイントとして次の3点が重要であるとしています。

1. ITシステムとビジネスを一体的に捉え、新たな価値創造に向けた戦略を描いていくこと。

2.ビジネスの持続性確保のため、IT システムについて技術的負債となることを防ぎ、計画的なパフォーマンス向上を図っていくこと。

3.必要な変革を行うため、IT部門、DX部門、事業部門、経営企画部門など組織横断的に取り組むこと。

DX戦略は、データとデジタル技術を活用して、従来のビジネスモデルや企業文化を変革する経営戦略を指しています。「DX戦略=企業の成長戦略」であり、現代企業がビジネス環境の激しい変化に対応して成長するには欠かせないものです。

なお、未だにレガシーシステム(老朽化している旧システム)がDX推進の足かせとなっている企業や、ビジネスモデルの変革に取り組むものの、変革の入り口で足踏みしている企業も多いことが指摘されています。早急に本来あるべき姿へ既存システムを刷新することが、DX戦略の遅れている企業の最重要課題であるといっても過言ではないでしょう。

企業のDX成功事例

経済産業省は、東証(東京証券取引所)と共同で「DX銘柄」を選定しています。DX銘柄とは、企業価値の向上につながるDX推進の仕組みを構築して優れたデジタル活用を進めている企業で、業種ごとに選定されDXの成功事例として紹介されています。

2021年6月に「DX銘柄2021」に選定された企業は以下の28社です。単に優れた情報システムの導入やデータの利活用に止まらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革と経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業です。

清水建設株式会社様(建設業)・アサヒグループホールディングス株式会社様(食料品)・旭化成株式会社様(化学)・中外製薬株式会社様(医薬品)・出光興産株式会社様(石油・石炭製品)・株式会社ブリヂストン様(ゴム製品)・JFEホールディングス株式会社様(鉄鋼)・株式会社小松製作所様(機械)・日本電気株式会社様(電気機器)・株式会社日立製作所様(電気機器)・ヤマハ発動機株式会社様(輸送用機器)・株式会社トプコン様(精密機器)・凸版印刷株式会社様(その他製品)・東日本旅客鉄道株式会社様(陸運業)・SGホールディングス株式会社様(陸運業)・日本郵船株式会社様(海運業)・日本航空株式会社様(空運業)・ソフトバンク株式会社様(情報・通信業)・トラスコ中山株式会社様(卸売業)・株式会社セブン&アイ・ホールディングス様(小売業)・日本瓦斯株式会社様(小売業)・株式会社りそなホールディングス様(銀行業)・東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社様(証券、商品先物取引業)・MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社様(保険業)・東京センチュリー株式会社様(その他金融業)・株式会社GA technologies様(不動産業)・SREホールディングス株式会社様(不動産業)・株式会社ベネッセホールディングス様(サービス業)

DX事例から見る成功要因

「DX銘柄2021」の中からデジタル時代を先導する「DXグランプリ2021」 に選定されたのは、株式会社日立製作所様とSREホールディングス株式会社様の2社です。それぞれの選定内容と審査員のコメントをご紹介しましょう。

株式会社日立製作所様(電気機器)

株式会社日立製作所様の「Lumada」は、顧客データから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するためのソリューション/サービス/テクノロジーの総称です。

「DXグランプリ2021」では、「Lumada」の1000件を超えるユースケース、業界を超えたパートナー企業とのアライアンスプログラムによる社会課題や経営課題への取り組み、Lumadaを基盤とするエコシステムの構築など、自社実践による新たな価値の創造が評価されました。

DX戦略の実践例として挙げられている同社の大みか事業所は、製品の設計・開発・運用保守というバリューチェーンの全体最適化や高度化を実現しています。その成果を製品の故障予兆検知や運用効率の最適化などのソリューションとしてLumadaに集約し、パッケージとして提供されています。

【株式会社日立製作所様への審査員コメント】

・DXが変革のエンジンとなっている数少ない会社のひとつ。自社でDXを推進する実験場を有している。
・DX人材を類型化し、人材像ごとに育成・確保を計画している。部署の壁を超えて発想・協力する風土づくりを進めている。
・Lumadaが国内にとどまらず海外に展開できるプラットフォームとなる可能性がある。自グループで実績を踏んだソリューションをグループ外およびグローバルに展開できている。
・実現能力の主要要素に網羅的に対応している。経営ビジョンのDXの位置づけも明快。DXの「サプライヤとして他業種・他企業より先行している」

SREホールディングス株式会社様(不動産業)

SREホールディングス株式会社様は、不動産事業のノウハウとデータを蓄積し、不動産や金融業界などへ実務有用性の高いAIソリューションツールを提供するビジネスモデルを構築しています。

このツールは、同社が不動産事業のスマート化に取り組む過程で創出されました。ツールには売買価格の査定や契約書類の作成など不動産売買に必要なニーズが網羅されており、SaaSプロダクトとして不動産や金融などの業界各社に提供されています。

また、ツール利用顧客から不動産取引に関するデータ提供を受けることで、常時アルゴリズムがアップデートされAI精度が高まる「データエコシステム」を構築しています。これにより、2020年度の1年間でツール契約数を約1.9倍に拡大すると共に、SaaSビジネスにおける重要指標であるチャーンレート(解約率)を0.4%と低水準に抑制しています。

【SREホールディングス株式会社様への審査員コメント】

・「破壊的なビジネスモデル」「DXのそもそもの意味を問うた時に、日本になかった商習慣を打ち出しているJ
・実現能力の主要要素に網羅的に対応している。経営ビジョンにおけるDXの位置づけが明快。組織・人材・レガシーシステム対応も整合性が高い。
・AI等のデジタル技術を積極的に活用し「脱不動産」への布石として多角化ビジネスをDXによって推進する姿勢を評価したい

DX戦略を成功に導く最初に取り組むべき3つのポイント

DXグランプリ2021に選定された株式会社日立製作所様とSREホールディングス株式会社様に共通することは、自社実践の過程で洗練されたDXがツールとして外部に提供されていることです。

それでは、DX戦略を成功に導く最初に取り組むべき3つのポイントを、審査員コメントの中から抽出してみましょう。

DX戦略を成功に導く最初に取り組むポイント1:経営トップによるDX戦略の明確化

DX戦略を成功させるためには、経営トップの確固たるリーダーシップが求められます。企業文化や業務プロセスの変革には、部署の壁を超えて発想・協力する風土づくりが必要となります。経営トップは、全ての従業員にDX戦略を明確に説明することが必要です。

DXグランプリ2021に選定された2社は、経営ビジョンにおけるDX戦略の位置づけが明快であることが評価されています。

DX戦略を成功に導く最初に取り組むポイント2:DX人材の育成

DX戦略を推進する組織には、アイデアを創出する「DXイノベーター」、テクノロジーでアイデアを具現化する「DXデベロッパー」、アイデアをビジネスにする「DXエグゼキューター」を配置することが有効です。

DX戦略を成功させるには、技術面だけではなく、データ分析から仮設・立案・検証ができる人材、経営改革を最新テクノロジーの活用で具現化できる人材の育成が必要です。

DX戦略を成功に導く最初に取り組むポイント3:レガシーシステムの刷新

レガシーシステムは、システムの複雑化やブラックボックス化を招き、DX戦略成功の障害となるため、早急に新たなシステムへ刷新することが必要です。

刷新時は、単純に現行業務をデジタル化(置換)するのではなく、既存の業務やルールを見直し、データを基軸とした経営判断を可能とすることが必要となります。刷新に有効なことは統合パッケージやクラウドの活用です。専用のサーバールームや保守要員が不要になると共に、ノンカスタマイズでの導入は業務の属人化リスクを解消し、将来的なブラックボックス化も防ぎます。

DX戦略を成功させよう

DX戦略を成功させるためには、自社の取り組みと共に最適なデジタライゼーションを提案できるベンダーとのパートナーシップも重要なポイントとなります。

WorkVisionは、経済産業省の定めるDX認定事業者です。この認定は、情報処理の促進に関する法律に基づき、デジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応している企業に与えられるものです。

DX戦略の成功には、デジタライゼーションの実現とDX推進人材の育成が必須となります。WorkVisionは、企業のDX戦略を成功させるために、DXマインドを身につけるリモートスタディ、発想力・企画力を磨くクラスルーム、ケース演習でDX推進プロセスを体得するリモートワークショップなど、様々な学習手段をとおして、DXスキルを高めることのできる研修コースを提供しています。

また、DX戦略の前提となるデジタイゼーション分野においても、「標準化支援サービス」をはじめとする様々なデジタルソリューションを提供しています。

WorkVisionは、コンタクトセンターのオペレーションにAIを導入してお客様対応を高品質化するなど、DX戦略を自社実践しているベンダーです。DX戦略への取り組みにより体得したデジタルテクノロジーによる新たなビジネスモデルの提案など、共創の視点でDX戦略のサポートを行い、お客様のデジタル経営への変革に貢献してまいります。

※Lumadaは株式会社日立製作所の日本、およびその他の国における商標または登録商標です。

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