2020年01月09日
カテゴリ:総務
給与計算はミスがなくて当たり前?
どんな仕事でもミスは避けなければいけませんが、給与計算は何よりミスがあってはいけません。従業員の生活に関わる業務だからです。しかし人間は機械ではないので、100%の精度で業務を行うことは不可能です。ましてや給与計算は、有給休暇や時間外労働など煩雑な計算が必要になります。ダブルチェック、トリプルチェックはもちろんのこと、ミスが起こる原因を分析し、ソフトウェアなどを活用して、ミスが起こらないための取り組みを行いましょう。
給与計算のミスが多い原因5つ
ミスを防ぐためには、ミスの原因を探ることが一番の近道です。いくつかある原因を分類し、それぞれ善後策を考えましょう。ミスが多い原因は大きく分けて5つあります。各会社によって起こりがちなミスが違うのは当然ですが、ここにあげる5つの要因はどの会社でも共通して注意を払いたいポイントになりますので、参考にしてください。
給与計算のミスが多い原因1:複数名による作業分担
給与計算業務を複数名で担当している場合、役割分担の境目のデータ入力漏れなどに注意が必要です。1人で給与計算を行う場合、様々な要素について担当者が体系的に把握できるためミスが起こりにくい傾向があります。しかし複数名で作業を分担する場合、自分の担当分野にしか携わらないため、全体を見通せる人がいません。会社の規模が大きければ大きいほど分業をすることは避けられませんが、担当分野を固定せず、各担当者全員が全体を把握できる仕組みを作りましょう。
給与計算のミスが多い原因2:年齢の変化に伴う保険料の変化
保険料はその従業員ごとに違います。さらに年齢によっても変化します。一番身近な例でいえば介護保険料がそれにあたります。介護保険料は40歳になる誕生日の前日が属する月からかかります。5月2日が誕生日の人は5月からですが5月1日が誕生日の人は4月から徴収されます。このような正確な知識がないと、給与計算にはミスが起こります。また、保険料の仕組みは刻々と変化します。新しい制度ができたり税率が変わったりといった最新の情報を手に入れることも必要です。
給与計算のミスが多い原因3:改定届の届出漏れ
従業員の昇給や降給、パートから正社員に雇用契約が変更され、給与が大きく変わる場合は標準報酬月額の改定届の提出が必要です。改定届の提出をする理由は、保険料がそれに伴って増額するからですが、改定届は頻繁に提出する類のものではありません。転居によって交通費が変わったり、住居手当が変更されたりした場合も改定届の提出が必要ですが、一時的な時間外手当による報酬があるときは提出する必要はありません。改定届の提出が必要な条件を担当者が把握し、失念しないようにしなければいけません。
給与計算のミスが多い原因4:随時改定や年度ごとの改定
改定届について、さらに詳しく解説をします。この部分が一番複雑でミスが多発する傾向がありますので注意が必要です。具体的に下記の3つの条件にすべて当てはまる場合は、月額変更届を提出しなければいけません。
- 昇給または降給により固定的賃金に変動があった。
- これまでの標準報酬月額と、固定的賃金が変動した月以降の3か月間に支給された報酬の平均月額に該当する標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
- 3か月とも支払い基礎日数が17日以上である。
給与計算のミスが多い原因5:日割り計算方法の誤り
途中入社や退職する場合、給与は日割りで計算し支払いを行いますが、社会保険料はどうなるのでしょうか。社会保険料については月末に在籍していた場合には、その会社で保険料がかかるため、月の途中で退職をする場合は、該当月の社会保険料はかかりません。給与の支払いに関しては、会社の就業規則によって変わります。ミスが発生しやすい箇所ですから、細心の注意を払いましょう。
給与計算のミスをなくす対策法
給与計算でミスが起きてしまう原因についてみてきましたが、給与計算のミスをなくすためには有効な対策法を考えなくてはなりません。入社退社はもちろんのこと、扶養家族の変動や従業員の誕生日も必要な情報ですので、人事情報については正確に記録をしましょう。登録のタイミングは、新しく入社した時と、登録情報に変更があったときの2つです。このタイミングを押さえれば、ソフトウェア上でミスが起きることを防ぐことができます。
給与計算のミスが発生したときの対応は?
どれだけエラーが起きないように対策をしても、完全にミスをなくすことは難しいでしょう。そこで、ミスが発生した際時の対処法が必要になります。給与の支給後にミスに気づいたときは、まずは本人にお詫びをしましょう。その後、再計算をして差額を支給する流れになります。給与にずれが生じると、社会保険料にもずれが生じますので、源泉徴収票などの修正も必ず行いましょう。
給与計算でミスや間違いを繰り返さないようにしましょう
給与計算は働くうえで、必要不可欠な業務です。給与計算に関わっているのは、担当者だけではありません。給与をもらう方全員が、正しく給与が支払われているかを確認する必要があります。正しい知識をもとに、優秀な給与計算ソフトウェアを使うことが、一番のミスを減らす方法です。また、給与計算をアウトソーシングすることも手段の一つです。従業員に気持ちよく働いてもらうためにも、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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