事業承継を行う方法3つを紹介|事業承継のリスクを抑える方法は?

2020年10月07日

カテゴリ:総務

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事業承継とは?

事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことです。事業承継は、資産だけでなく経営権や顧客からの信用など、会社のすべてが引き継がれますので、慎重に対応しなければなりません。

特に中小企業にとっては、経営者のビジネスセンスが会社の基盤となっている場合も多々あります。会社の存続に大きくかかわるため、後継者への引き継ぎは重要な経営課題となっています。

事業継承や事業譲渡との違い

事業承継とは、前経営者の経営理念や意思・精神なども含め、すべてを後継者に引き継ぐことです。これに似た言葉に、事業継承や事業譲渡という言葉があります。

事業継承とは、前経営者の権利や財産などを受け継ぐことです。経営理念や意思・精神などを受け継ぐというよりは、権限を受け継ぎ、新たな経営者としてマネジメントをする場合に使用します。

事業譲渡とは、会社の事業を売却して譲り渡すことです。基本的に会社全体を譲り渡すのではなく一部の事業のみが譲渡されます。

事業承継が必要な理由とは?

事業承継が必要な理由は、経営の損失を防ぐためです。

経営者はいずれやってくる自身の引退に備えて、会社の今後をどうするのか検討しておかなければなりません。現在の日本では急速に進む高齢化に伴い、多くの企業が後継者不足に陥っています。そのため、やむを得ず廃業しなければならない場合もあり、大きな損失を被っています。

そのようなことがないよう、これまで築いてきた会社が次世代へと存続していくために事業承継が必要です。

事業承継を行う方法3つ

事業承継を行うには、事業計画書の作成を行い、後継者への引き継ぎをします。これが叶わない場合には廃業という手段を取ります。

重要なプロセスですので、これらの方法についてきちんと確認しておきましょう。以下で、それぞれについて詳しくご紹介します。

事業承継を行う方法1:事業承継計画書の作成

事業承継をスムーズに進めるために、まずは事業承継計画書を作成しましょう。焦って事業承継を行えば様々なトラブルを引き起こしかねませんので、計画的に進めることが大切です。

事業承継計画書に記載すべき項目として、今後の経営ビジョンや売上高・利益などの資産に関する事柄や、事業の今後の見込みなどが挙げられます。経営者と後継者間の認識をすり合わせるためにも、できるだけ詳細に記載しましょう。きちんとした認識の擦り合わせが、外部への信頼感につながります。

事業承継を行う方法2:後継者の引き継ぎを行う

事業承継には、親族内承継・親族外承継・従業員に承継する場合・M&Aの場合の4つのケースがあり、後継者が誰であるかによって引き継ぎ方が異なります。

それでは、それぞれの引き継ぎ方について詳しく見てみましょう。

親族内承継の場合

親族内承継とは、事業を子や孫などの親族に引き継ぐことです。経営者とつながりの強い親族に引き継がれることが多いため周囲からの理解が得られやすく、早い段階で準備を行うことができます。また、経営権と財産を一度に引き継ぐことが可能です。

しかし、候補者本人の意思や、経営者としての素質の有無を判断する必要もあります。また、後継者の候補者が多数いる場合は、後継者を巡る争いが起こる可能性も考慮しておきましょう。

親族外承継の場合

親族外承継とは、親族以外の人を後継者として事業を引き継ぐことです。親族外承継の方法は、経営権だけを引き継ぐ方法と、経営権と自社株の両方を引き継ぐ方法の2通りです。

将来的には親族に承継するが、一時的に親族外の人に代行してもらう場合は、経営権のみを引き継ぎます。一方、経営権と自社株の両方を引き継ぐと、完全に親族外の人に会社を承継することになります。

従業員の場合

従業員承継とは、自社の従業員や役員に会社を引き継ぐことで、親族外承継で多くみられるケースです。

従業員承継では、会社のことをよく知る従業員の中から経営に適した人材を選ぶことができます。また、経営者の素質がある人材を見出し、後継者として育てることも可能です。

また、長く働いている従業員から選抜すれば、企業文化を損ねる可能性は少なく、取引先や他の従業員などからの理解を得られやすいというメリットがあります。

M&Aの場合

M&Aとは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略で、二つ以上の会社が合わさることや、ある企業が他の企業を買いとることを意味します。

日本では後継者不足が進む中、廃業を余儀なくされている企業が増えています。そのような中で注目されているのがM&Aです。信頼できる企業へ自社を譲渡し、これまで培ってきた独自の技術や取引先との関係などを、存続・発展させることが可能になります。

事業承継を行う方法3:廃業をする

廃業とは、経営者が自主的に事業を辞めることです。どうしても事業承継ができない場合は、廃業を選ぶことも一手となります。

廃業になれば、従業員を解雇し、取引先との関係に終止符を打つことになります。また、廃業に伴う資産の売却処分で低く見積もられ、借金を背負うかもしれません。

しかし、資金繰りが安定した状態で廃業するのであれば、廃業時に余った資産を手にすることが可能で、従業員にも退職金を規定通りに支払うことができます。また、仕事の負担がなくなるため、精神的に開放されます。

事業承継を行うときのリスク

会社の経営にはリスクがつきものです。事業承継を行う際には、起こりうるリスクにきちんと対応できるよう、事前に適切な解決策を考え準備しておきましょう。

それでは事業承継を行うときのリスクについてご紹介します。

損失が発生する可能性

業績改善を期待して事業承継を行ったにもかかわらず、事業承継が失敗してしまった場合には、業績がさらに悪化し、取り返しのつかない損失が生じてしまいます。

こうなると、資金繰りを行う必要がありますが、スムーズに進まない場合には廃業を選択することになります。

このような状況を回避するために、事業承継のデメリットをきちんと理解し、成功させるための対策を練る必要があります。

後継者の育成に時間がかかる

経営状態が好調だった企業が、事業承継後に業績が悪化するケースは少なくありません。原因の一つとして考えられるのが、後継者の問題です。

後継者が決まっていても、その後継者が経営の能力を備えているとは限りませんが、事業承継後の業績は後継者にかかっています。

取り引き先との関係の築き方やビジネスのノウハウなど、特に時間をかけて着実に育成していくことが必要です。

事業承継によるリスクを抑える方法

ビジネスにリスクはつきものです。事業承継も様々なリスクが伴いますので、起こり得るリスクを理解し、リスクマネジメントを行って可能な限りダメージを抑えられるようにしておきましょう。

融資を検討する

事業承継直後は、後継者の社会的信用が乏しい状態です。したがって、経営者の交代によって融資が受けにくくなり、資金繰りが悪化する場合があります。

このリスクをカバーするために、「中小企業信用保険法の特例」を利用して融資を受けることも検討すべきでしょう。この制度を利用することで、事業承継時に必要な資金を金融機関等から借りる際、特別に信用保証協会によって保証してもらうことが可能になります。

また、「日本政策金融公庫法・沖縄振興開発金融公庫法の特例」を利用して、代表者(個人)が融資を受けることもできます。

事業引継ぎ相談窓口に相談する

事業承継では、後継者の問題や様々なリスクが伴うため、悩みを抱えることは少なくありません。しかし、悩みを相談する相手が見つからず、なかなか事業承継に向けての準備が進まないという方も多いのではないでしょうか。

このような事業承継で悩む経営者に向けて、日本全国に事業引継ぎ相談窓口が設置されており、事業承継に悩む企業に対して、情報提供や適切なアドバイス、マッチング支援をしてくれます。

事業承継を機に社内システムのレガシー化を回避しよう

現在、日本の企業の約8割がレガシーシステムを抱えているといわれています。しかし、レガシーシステムを使用し続けていては、企業の成長を妨げてしまうかもしれません。

このような事態を避けるためには、WorkVisionのソリューションを活用することが有効です。

例えば、人事管理・給与計算においては、企業合併やM&Aで人事制度の見直しが行われるため、様々な法定管理や給与計算に対応する様式が多数用意され、人事情報の変更管理をスムーズに行うことができるシステムへの見直しも必要となります。

システムのリニューアルの選択肢の一つとしてクラウド型システムがあります。クラウド型システムには、導入・運用コストを抑えることができ、最新のセキュリティで安全に運用できるなど、様々なメリットがあり、事業承継に於ける管理体制の変更に有効です。

事業承継を円滑に進めよう!

この記事では、事業承継を行う方法と、リスクを抑える方法についてご紹介してきました。事業承継を行う際には、綿密な計画を立て、リスクにも対応できるよう準備してください。

今回ご紹介した方法をぜひ参考にしつつ、WorkVisionのソリューションを活用しながら円滑な事業承継に取り組みましょう。

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