2018年10月02日
カテゴリ:医療
昔の旅は、何百kmもの道程を自分の足で歩き、目的地に辿り着くまで何日もの時間を要した。古代ローマ時代、巡礼で旅する人や戦地へ出向く人が、移動の途中で怪我や病気で困った時は、その経路にあたる住民が食べ物や寝る場所を提供したと言う。また、教会はそのような人たちを看病する場所として開放された。こうした奉仕の心は、もてなしの意であるHospitalityと言われるようになり、宿泊場所のHotelや病院のHospitalにも通じている。これらの単語は共通して「Ho」で始まるが、この「Ho」にこそ、人を思いやる気持ちがたくさん込められていると思いたい。
時間の経過とともに、ホテルは様々なサービスで人々の心を癒やしてくれる空間に成長した。病院もまた同様である。患者を苦しめる病気を治すためには、優れた医療技術を駆使した治療がもちろん必要だ。それと同等に病院は、悩める患者の心に寄り添い、内面的なサービスを提供できる場所でなくてはならない。医療スタッフ間の情報共有、患者が暮らす地域における医療機関同士の連携、患者本人との円滑なコミュニケーションなどの課題解決のため、病院では電子カルテシステムやオーダリングシステムなど、ICTを取り入れた総合的な医療サービスの導入が加速している。このような情報技術は医療スタッフをサポートし、良質な医療サービスを実現する。その結果生まれるのは信頼の二文字。双方の心が通い合う病院こそ、患者がHoっとできる場所なのだ。
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