日本の会社よ、健康経営で元気になろう。

2019年04月01日

カテゴリ:オピニオン

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八面六臂な人材はいるか

八面六臂という四字熟語がある。「彼の八面六臂の活躍で仕事が一気に進んだよ」と言うように、一人で何人分もの働きをしてくれることの例えだ。三面六臂とも言うが、現代風に言えば、バイタリティに溢れ、スキル豊富なマルチ人間といったところか。

こうした人間像は「健康」という表現で置き換えることもできるだろう。その証拠に、世界保健機関は、「健康」を疾病や傷害がないだけでなく、肉体的、精神的、社会的にも快適な状態であることと定義している。つまり、「健康」は人間の財産で、「食生活の改善」「適正な休養」「適度な運動」など、個人がいかに健康維持・増進に向けて気配りできるかによって財産の価値が変わってくる。

さらに、このような人材を多く抱える企業こそ、健康経営を実践していると言われている。従業員の健康と仕事へのモチベーションは比例し、健康な従業員が多い企業はそうでない企業に比べて生産性が高い。しかも、医療費負担や離職率が低いとされる。これは、アメリカの心理学者であるロバート・ローゼン氏が米国内企業200社の実態を分析し、そこから導いた結論だ。八面六臂な従業員が多い企業は優れた健康経営を実践している、ローゼン氏はそう唱えているようにも思える。

経営陣は健康経営を認識せよ

日本で健康経営が叫ばれ始め、大企業を中心に広がったのは2000年代終盤から。リーマンショック以降の景気低迷、それに伴う人件費削減の影響で、従業員の労働環境は一気に悪化した。同時に、長時間労働・過労死などが社会問題化し、企業は大きな舵取りを余儀なくされることになった。

このような実態が確認された企業で共通するのは、従業員の遅刻や欠勤、有給休暇の取得率が著しく低いことだ。また、内部からの不平不満が多く、生産性向上に結び付いていない。そればかりか、ヒューマンエラーによる損失を引き起こしかねない。

では、企業はどのようにして健康経営を取り入れるのか。まず大切なのは、経営層が健康経営の重要性を認識することだろう。健康管理そのものが経営課題の一つであり、組織全体で課題の解決にあたることが何よりも優先される。その上で、健康経営のための体制づくりや従業員に対する告知を行い、健診・ストレスチェックといった具体的な状況確認を実行しなければならない。

健康経営によって時間外手当が減り、その分を様々な形で従業員に還元する企業も増えてきた。働き方改革時代の企業ブランディングを語る時、間違いなく健康経営がキーワードになっている。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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