2020年11月24日
カテゴリ:プラットフォーム
BCPマニュアルとは
BCPマニュアルとは、災害やシステム障害などが発生したときに、事業を継続できるように立てた計画(BCP)の具体的な手順を示すものです。BCPマニュアルの内容としては、災害やシステム障害などが発生したときに、どのような方針で復旧にとりかかるのか、その手順などがあります。被害を最小限に抑え、できる限り事業をストップせずに続けていくことを目的としています。
BCPマニュアルは企業の信頼につながる
BCPマニュアルの作成は義務ではありませんが、マニュアルを作成しなかったことが間接的な要因となり、トラブルが発生する可能性があります。平時にBCPマニュアルがないことを罰する法律はありません。しかし、仮に災害などが発生したとき、対処が遅れて従業員が不要な害を被ったり、取引先にダメージを与えたりした場合、企業は果たすべき義務を怠ったとして訴えられる可能性があります。震災や豪雨災害が増えている昨今、BCPマニュアルで万が一に備えておくことは企業の義務であり、信頼にもつながります。
BCPマニュアルを作成する際のポイント6つ
BCPマニュアルを作成する際には、非常時の意思伝達をスムーズに行い、的確な対処が行われるようにしなければいけません。具体的には、責任者を明確にして代替拠点と応援要員を確保しつつ、訓練を実施した上で共有する情報を常にアップデートしていくことが必要です。それぞれの要素について詳しくまとめたものを以下で説明します。
BCPマニュアルを作成する際のポイント1:責任者・代行者を明確にする
BCPマニュアルを作成する際のポイントの1つ目は、責任者・代行者を明確にすることです。非常時には、トップダウンで意思決定を行い、明確な方針を示すことが重要です。あちこちからバラバラな指示が飛んでいては現場は余計混乱してしまうからです。責任者は企業のトップが務めます。万が一、トップが指示を出せない状況になった場合に備え、代行者を決めておくことも重要です。
BCPマニュアルを作成する際のポイント2:代替拠点を確保する
BCPマニュアルを作成する際のポイントの2つ目は、代替拠点を確保することです。災害や何らかのトラブルで拠点が使えなくなったとき、代替拠点があれば業務を継続することが可能です。これはオフィスなどのハード面に限りません。基幹業務をクラウド型のシステムにしておくことで、拠点を移しても事業を継続できます。
BCPマニュアルを作成する際のポイント3:応援要員を確保しておく
BCPマニュアルを作成する際のポイントの3つ目は、応援要員を確保しておくことです。外部スタッフの採用という方法もありますが、費用対効果を考えると現実的ではありません。応援要員は、社内で確保できるようにしておくとよいでしょう。
特定の従業員しかできない業務があると、インフルエンザなどでその従業員が休んだだけで事業がストップしてしまいます。急なトラブル発生時にもある程度は対処できるよう、引き継ぎマニュアルを作成するなど、応援要員を日頃から確保しておきましょう。
BCPマニュアルを作成する際のポイント4:情報は積極的に社内で共有する
BCPマニュアルを作成する際のポイントの4つ目は、情報は積極的に社内で共有することです。BCPマニュアルの中には、責任者・代行者の存在や、代替拠点、応援要員など、社内全員が知っておかなければならない情報が多くあります。また、それらの情報は状況に応じて更新されていきます。トラブルはいつ発生するか分かりません。情報は積極的に社内で共有し、全員が共通理解をもてるようにしておきましょう。
BCPマニュアルを作成する際のポイント5:BCPを想定した訓練を実施する
BCPマニュアルを作成する際のポイントの5つ目は、BCPを想定した訓練を実施することです。いくら完璧なBCPマニュアルを作成しても、実際にマニュアルに沿って動くことができなければ意味がありません。たとえば社内でインフルエンザが流行して社員の半数が出社できなくなったとき、災害が起きてファイルサーバがダウンしてしまったときなど、起こりうる状況を想定した訓練を実施しましょう。
BCPマニュアルを作成する際のポイント6:常に情報はアップデートしていく
BCPマニュアルを作成する際のポイントの6つ目は、常に情報をアップデートしていくことです。ポイントの5つ目で訓練を実施したとき、マニュアル通りには上手くいかない点が見つかるかもしれません。また事業の状況に応じて対処が変わることもあるでしょう。マニュアルは一度作成して終わりではなく、常に最新の情報にアップデートしていくことが重要です。
BCPマニュアルを効果的に活用する方法
BCPマニュアルを策定し、効果的な活用に向けて日々ブラシュアップさせていくことが必要です。
また緊急時以外であっても、日頃から様々なリスクを想定した訓練を行うなど、積極的にマニュアルを活用していくことが大切です。頻繁にマニュアルへ目を通すことで、災害やシステムトラブルなどの有事の際にも、混乱することなく迅速に対応することができます。
ここでは、BCPマニュアルを効果的に活用する方法として、3つを紹介します。
考えられるリスクを全て書き出す
まず、企業にとってのリスクを細かく洗い出します。リスクを漏れなく書き出すことで、「想定外の事態」を事前に潰し、どのようなトラブルに対しても事前に対処法を用意しておくことができます。
一般的にリスクと言えば、地震・台風などの自然災害や、火災・停電・通信障害などの事故、受発注のオペレーションミス、個人情報の漏洩などの情報セキュリティ関連、訴訟を伴う法務関連などが挙げられます。
それ以外にも、2020年は新型コロナウイルスが流行し、急遽テレワークを実施しなければならなくなるなどの混乱が起きました。今後は、このような感染症・伝染病といった衛生関連のリスクも事前に想定しておく必要があります。
中核となる事業を決める
中核となる事業を事前に決めておきます。ここで言う中核事業とは、会社の存続にとって最も重要性の高い事業、つまり、災害時に最優先で復旧すべき業務です。
財務面や他社との関係、社会的重要性などを鑑み、災害時に立て直すべき事業の優先順位を付けておくことで、有事の際の混乱の中でも効率良く迅速な復旧が可能となります。
従業員の行動を明確にしておく
予測できる様々なリスクについて、それぞれのケースに応じた従業員の行動マニュアルを細かく策定しておくことが大切です。
具体的な行動指針を明確にしておくことで、一人一人の従業員が目的を持って対処行動に移ることができます。
例えば、災害時に確認すべき項目(人、物、金、情報など)をすべて洗い出し、事業ごとに重要業務や具体的な行動を簡潔に明示しておきます。そうすることで、緊急時にマニュアルを参照し、焦らずに適切な行動が取れるようになります。
WorkVisionが行う対策
BCPマニュアルを作成する上で参考になるのが、WorkVisionが提供するBCPに有効なサービスです。具体的には、バックアップや冗長化システムの導入、リモートワークの活用などです。バックアップシステムでは、クラウド上にデータを保管することで、拠点が被災したときにも継続して事業を行うことができます。予備のシステムを準備しておく冗長化システムや、近年注目が集まるリモートワークなども提供しています。
3つのバックアップを解説
WorkVisionが提供するバックアップシステムは、①データバックアップ、②システムバックアップ、③仮想サーバーと物理サーバー間のバックアップの3つです。
データバックアップとは、ファイルやフォルダ単位でバックアップを行うものです。必要に応じてデータのバックアップをとり、ファイルやフォルダ単位でリカバリすることが可能です。
システムバックアップとは、業務で使用するシステム全体を異なるサーバーにリカバリできるようにするものです。これにより、システムがダウンしたときに速やかにリカバリし、事業に及ぼす影響を最小限に抑えられます。
仮想サーバーと物理サーバー間のバックアップとは、物理サーバーと仮想サーバー間のやりとりを自動で変換するものです。2つのサーバーを同じように扱えるため、速やかなバックアップやリカバリが可能です。
BCPマニュアルを作成して災害に強い企業を作ろう
BCPマニュアルを作成することは、企業を強くし、信頼を得ることにつながります。平時からトラブルに備え、何が起きても対処できるようにしておくことで、従業員は安心感をもって業務にあたれます。また有事の際の具体的な復旧計画があることで、取引先からの信頼も向上します。BCPマニュアルを作成し、災害に強い企業を作っていきましょう。BCPマニュアルの作成については、WorkVisionのサービスが参考になります。ぜひご覧ください。
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