2023年03月31日
カテゴリ:ワークフロー
「e-文書法」などの制定に伴い、近年公的文書や手続きの電子化が急速に進んでいます。
このことにより、電子承認ワークフローシステムを取り入れる企業も増加しています。
しかし担当者の中には、電子承認ワークフローシステムについて正確に理解していない方も多いのではないでしょうか。本記事では、電子承認ワークフローシステムを導入するメリットや注意点をご紹介します。
INDEX
ワークフローとは?
ワークフローとは、業務の一連の流れのことを指します。
たとえば、稟議のための手続き、交通費精算、備品購入、休暇申請のための作業を示します。
業務内容や書類の種類によって対応をする人や処理の流れが変わることもあります。
このように複数人が関わる業務を流れに沿って処理すること、また、流れそのものをワークフローと呼びます。
電子承認ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムは、この流れを電子化し申請、確認、承認の一連の流れを効率的に行うことのできるシステムです。
申請から承認までの流れを分かりやすく可視化することで、業務の効率をサポートします。
承認までの経路を設定することで、誰がどんな役割を担当していて、承認作業がどこまで進んだのかを把握することができます。
このように、業務の流れを可視化し、やりとりを円滑にするワークフローシステムを利用することで、組織に様々なメリットをもたらすといえるでしょう。
電子承認ワークフローシステムを用いるメリット
電子承認ワークフローシステムを導入することは、さまざまな効果とメリットがあります。ここでは、メリットを6つご紹介いたします。
- 申請から承認までの時間が短縮できる
- テレワークの場合など場所に制約されず承認対応ができる
- 印刷代などのコストが削減できる
- 書類の保管スペースが削減できる
- プライバシーの保護になる
- 内部統制が強化できる
電子承認ワークフローシステムを用いるメリット6つ
申請から承認までの時間が短縮できる
従来の人の手による承認作業は、必要な情報の入力、書類の印刷、提出や押印といった作業をすべて手作業で行っていたため多くの時間を要しました。
それに対して、システム化により、メールなどオンライン上で書類の送付が可能となり、紙の書類でやり取りするよりも圧倒的に業務がスピーディーに行えます。
また、電子文書の場合は最初から文書を作成する必要もなく、修正も容易なため業務時間の短縮につながります。
テレワークの場合など場所に制約されず承認対応ができる
電子承認ワークフローシステムを取り入れることで、場所にとらわれず承認対応が可能になります。
テレワークが普及している現在、今後は社員が全員出社して勤務するとは限りません。その場合、紙の書類で申請や承認を行うことが難しくなります。
電子承認ワークフローシステムを取り入れることで、テレワークの場合も会社に出社することなく申請・承認の業務を回せることは、大きなメリットとなります。
印刷代などのコストが削減できる
電子承認であれば文書の印刷が不要なため、印刷代がかかりません。
紙の書類の場合は、印刷代のほか、紙そのものの代金などがかかります。
その他、紙の書類を保管しておく必要があるため、書類を保管するためのファイル代、キャビネット代がかかります。また、不要になった書類は廃棄する必要があるため、シュレッダーの購入費用など、廃棄に関わる費用も発生します。電子承認の場合は、これら「紙」の書類にかかる費用は不要となり、コストが削減できます。
書類の保管スペースが削減できる
紙の書類は、種類によって数年間保存する必要があります。大量の書類を多くのスペースを利用して保存しておかなければならない状態です。
その点、電子文書はサーバー上にデータとして保管することができるため、社内の多くのスペースを利用する必要はなく、その分の空間を活用することができます。
プライバシーの保護になる
承認が必要となる内容には、社内へ通達前の案件の内容や休暇の取得理由など、秘匿性の高いものやプライバシーに関わる内容も含まれます。従来では、申請書類が承認者のデスクに置きっぱなしになってしまうような事も起きました。しかし、システムの導入により、申請内容を見られるのは申請者と承認者に限られます。
内部統制が強化できる
内部統制は、金融庁の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」において定義されています。
その定義は、以下の4つです。
- 業務の有効性及び効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令等の遵守
- 資産の保全
※参照元:金融庁「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」
電子承認ワークフローシステムを用いることで、申請・承認業務の効率化を図ることができ、また、電子署名やタイムスタンプを用いることから書類の信頼性を高めることができるため、内部統制の強化につながります。
電子承認ワークフローシステムを導入する際の注意点
電子承認ワークフローシステムは、紙の書類で行う申請・承認フローに比べるとメリットが多いですが、注意点もあります。システム導入に際し、どのような点に注意すべきかご紹介いたします。
業務フローとシステムを合わせる必要がある
電子承認ワークフローシステムを導入することにより、現状のフローにあわせてシステムをカスタマイズする必要がでてきます。
初期設定時だけでなく、担当者の異動や組織の変更といった際にも承認フローの見直しが必要となるため、都度メンテナンスをすることになります。
現状の業務フローをできるだけ変更せずにシステムを運用するために、以下のようなシステムを検討するとよいでしょう。
・承認ルート等の設定を自由にカスタマイズが可能
・説明書を見ずとも直感で操作が可能
また、電子承認ワークフローシステムと一口にいっても、製品によって機能や仕様が異なります。自社の業務や課題にどれだけマッチしているか、運用コストや作業工数含め総合的に判断し、優れている製品を選ぶと良いでしょう。
注意点にあわせて、下記ではシステムを選ぶ際の基準を詳しくご説明いたします。
電子承認ワークフローシステムを選ぶ際の3つの基準
電子承認ワークフローシステムを選ぶ際に基準となる3つの考え方を紹介します。
対応させる業務に合っているか
交際費申請であれば経費精算システム、休暇申請であれば勤怠管理システム、といったようにほかのシステムで管理できる場合があります。そのためワークフローシステムを導入する際には、あらかじめ、どの申請業務の管理をするか決めたうえで検討するとよいでしょう。
企業規模や業種に合っているか
承認のフローは企業規模によって変動します。大手企業などでは独自の申請条件を設けていることも多いため、複雑な承認フローにも対応できるシステムを選ぶ必要があります。また、扱う情報の内容や業種によっては閲覧制限やセキュリティ対策といった機能を備えているかどうかも重要になります。
申請書の形態に対応しているか
フォーマットを新規作成する場合は簡単にWeb上で作成できるシステムを選ぶとよいです。また、テンプレートが豊富にあり、手軽に作成・編集できる機能があると便利です。
一方で、できれば既存の申請書の形態を変えずに利用したいというケースもあるかと思います。その場合は、申請データをそのままシステムに取り込んで展開できるワークフローシステムを選ぶとよいでしょう。
まとめ
電子承認ワークフローシステムを導入し、電子承認を行うことは、コスト面や承認フローの時間短縮による業務の効率化など、あらゆる面でメリットがあります。
ただ社内へ新しい仕組みを導入する際には、「社員にとってわかりやすいこと」、「その仕組みに早く馴染んでもらえるよう、早い段階から計画を立てて準備していくこと」が重要です。
より効率的な業務を行うために、電子承認ワークフローシステムの利用を視野に入れると良いでしょう。
下記のページでは、WorkVisionが提供しているワークフローシステムや導入事例を紹介しています。業務効率化や生産性向上を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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