2020年12月07日
カテゴリ:販売管理
購買管理とは
購買管理とは、適正な時期・量・質などを判断しながら、企業の購買活動を管理することです。特に製造業では、ものづくりをするための材料を、社外から仕入れています。適切な時期に適切な量を仕入れることで、生産活動がより効率的になります。
卸売業や小売業などでも、販売計画を完遂させるために必要な商品を、いつ、どのくらい、どの程度の質で調達するのかを考える必要があり、購買管理は製造業に限らず必要となる業務です。
調達管理との違い
調達管理は、材料などを購入して実際に納品されるまでを管理することを指します。購買管理と同じような意味で使われることもありますが、一般的には購買管理の範囲に加えて、確実に納品されるかの管理までを指します。
また、調達管理はリース契約など購買の他にも適用され、購買管理よりも広義の意味で使われています。
購買管理の原則5つとは
購買管理には、企業の生産性を高めるために重要な原則が5つあります。
例えば製造業において、利益が最大化する商品を生み出すためには、高品質の材料を安定して最も利益が出る価格で仕入れることが重要です。購買管理で重要な原則5つについて、1つずつ解説していきます。
適切な仕入先を選定する
仕入先の都合で納品が滞れば、生産活動は大きな影響を受けることになります。自社で必要な商品や部材が、確実にかつ安定して仕入れできるかは、購買管理において重要なポイントです。
自社の業務に支障が出ないかどうかは最低限度の条件とし、供給能力や自社との関係性などを考慮して適切な仕入先を選定するようにしましょう。
品質を確保する
特に製造業においては、仕入れる材料の品質が商品に大きく影響するため、品質確保が重要です。信頼のおける仕入先であっても、特定の材料で品質が低い場合や、他社と比べて不具合品の割合が多ければ、生産効率が下がるだけではなく、商品価値や顧客の信用も下がってしまいます。
適正量を確保する
商品や部材には、適正量があります。材料が足りなければ生産活動が滞りますし、多すぎれば余計な仕入れになるだけでなく、保管などにコストがかかってしまいます。必要以上の調達で、コストがかさんでしまうことは想像に難くないといえます。
購買管理においては、適正量を調達することで、企業活動の利益を最大化させることに繋がります。
適切な納期を定める
適切な納期設定を怠ると、必要な時に業務が進まなくなる可能性があります。
また、納期が遅れれば仕入先はもちろん、顧客への連絡などの余計な業務も増えてしまいます。購買管理では、自社の生産活動計画を把握して、必要な量を必要な時に手配できるようにすることが大切です。
適切な納期管理は、余分な在庫管理を防ぐことにも繋がります。これは余計なコストを削減することになり、利益の最大化にも繋がります。
適正価格を設定する
購買管理における仕入価格の設定は、利益に直結する重要な業務です。
当然、高品質な材料を安く仕入れできれば、利益は大きくなります。もちろん、安さばかりを重視すれば、最終的に出来上がる製品は低品質のものになります。反対に、高品質ばかりを重視すれば、需要が減少する可能性があります。
大切なのは、品質を保ったままコストを抑え、利益が最大化する価格を設定することです。
購買管理の業務フロー
購買管理の具体的な業務フローは、見積依頼・発注・受入・検収の4つです。前項で説明した通り、適切な仕入先に見積を依頼します。見積の段階で、複数社に依頼して選定しても問題ありません。選定後、価格や納期などを確認し発注します。
受入・検収では、納品物の品質や量などが契約と相違ないかをチェックします。契約にもよりますが、一般的に検収まで完結した後に支払手続きを行います。
スムーズに購買管理をするためのポイント5つ
購買管理における原則を守るためには、5つのポイントがあります。購買管理の原則5つは、いずれも理解しやすい内容ですが、実際に業務上で実現していくには、どのように管理すればよいのかを知る必要があります。
購買管理における適切な品質・数量確保、納期・価格設定は、具体的にはどのように実現できるのか、5つのポイントで解説します。
購買管理のポイント1:担当者を明確にする
可能な限り兼務は避け、それぞれの業務に担当者を配置します。誰がどの材料を購買管理しているのか分からない場合や、他の業務と兼務ですぐに連絡が取れない状況では、情報の共有がスムーズに行われず、適切な数量確保や納期設定に影響を及ぼします。
購買管理とは、言い換えれば会社の資産を管理することで、利益に直結する重要な業務です。担当者が購買管理に専念できる環境づくりが大切です。
購買管理のポイント2:購買手順を社内で統一する
購買手順や基準を明確にすることで、誰が担当しても安定した購買を実現できるようになります。品質や納期、価格などは担当者ごとの価値観でぶれが生じないようにすることが大切です。
また、担当者が居ないと判断が遅れ、材料調達が滞ってしまうことも考えられます。
購買方法は統一のルールを策定し、社内で共有することが大切です。
購買管理のポイント3:購買データを共有する
仕入先とのやり取りや需要の変化で、利益を最大化できる価格・品質・仕入先も常に変化していきます。購買データは、担当者の頭やパソコンの中だけではなく、社内で情報共有することで、無駄のない購買管理に繋がります。
購買業務を通じて得たノウハウや情報を一元管理しておくことで、社内全体の購買管理が最適化されます。
購買管理のポイント4:チェック体制を強化する
不正がなく、ルールに沿った購買業務ができているか、確認するフローが必要です。購買管理担当者は会社の資産を任されていることに加え、仕入先との交渉権も併せ持ちます。つまり、仕入先に対して優位な立場に立ちやすく、不正を起こしやすい立場とも言えます。
購買管理の業務フローである、見積依頼・発注・受入・検収の手続きが適正に行われる体制や、仕入先との癒着を防止するためのルール化が必要です。
購買管理のポイント5:販売管理システムを活用する
購買情報の一元管理、チェック体制の強化は、販売管理システムの活用が有効です。企業が管理する購買情報は多岐にわたるため、手作業で管理することは困難です。ここまで解説した購買管理のポイントは、システム化することで容易に実現できます。
スムーズな購買管理に取り組もう
購買管理は、企業の資産を預かるという点においてはもちろん、利益にも直結する非常に重要な業務です。スムーズな購買管理には、いくつかのポイントがありますが、事業の拡大に応じてシステムを見直すことも必要です。
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