時短勤務を導入する目的|導入するメリット3つや対象になる従業員は?

2020年12月04日

カテゴリ:総務

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時短勤務とは?

時短勤務とは、フルタイムで働く人が一日の所定労働時間を、8時間から原則として6時間に短縮するなどの働き方です。

定められた労働時間よりも出勤時間を遅らせたり、退勤時間を早めたりすることで、労働時間を調整します。従業員が1日の労働時間を一定の期間内で調整し、フレックスタイム制と組み合わせて導入されることもあります。

時短勤務を導入する目的

時短勤務は2009年の育児・介護休業法の改正によって、各企業に導入が義務付けられました。子供の保育園の送り迎えや、介護ヘルパーの滞在時間などに応じて労働時間を調整し、仕事を続けながら育児や介護がしやすくなる制度です。

昨今では政府の働き方改革の推進もあり、ワークライフバランスを重視する考え方が広がり、育児や介護を抱える従業員は、仕事を辞めずに時短勤務を選択する人が増えてきました。

時短勤務を導入するメリット3つ

時短勤務を推進することは、従業員はもちろん企業側にもメリットがあります。働き続ける意思のある従業員にとって、時短勤務の選択肢があることは心強く、働く意欲を維持しやすくなります。

従業員のモチベーション、ワークライフバランス、離職率に注目し、それぞれメリットを解説していきます。

時短勤務のメリット1:モチベーションの維持

育児や介護を抱える従業員は、時間に余裕ができることで、モチベーションを維持しやすくなります。

核家族化が進み、保育園に預けている間以外は夫婦で協力して子供の面倒を見なければならない家庭が増えています。共働き世帯などでは負担はさらに大きくなります。これは介護を抱える家庭でも同様です。

このような状況下でフルタイム勤務を続けると、心身ともに疲労が蓄積し、仕事でのモチベーションを維持することが難しくなります。

時短勤務のメリット2:ワークライフバランスの実現

時短勤務でプライベート時間が増えることで、ワークライフバランスを保つことができます。

育児や介護の時間を確保しやすくなるため、子供や親とのコミュニケーションを多く取れるようになります。もちろん、プライベートの時間も増やすことができるため、仕事以外の時間がより充実したものになります。

プライベートの充実は、仕事へのやる気にも繋がります。ワークライフバランスの実現と仕事のモチベーションはリンクしているともいえます。

時短勤務のメリット3:離職を防ぐ

育児や介護をする人でも継続して仕事に取り組みやすく、離職を防ぐメリットもあります。女性は特に、出産でキャリアの継続が難しくなることが多く、離職の原因となっていました。時短勤務の制度が整っていれば、出産後に早期復職が可能になります。

親の介護が必要となる世代でも同様で、早期退職や負担の軽い職種への転職などを防ぐことができ、従業員はもちろん企業にも大きなメリットとなります。

時短勤務の対象になる従業員4パターン

時短勤務の対象になるかどうかは、法的に定められた条件があります。そもそも時短勤務は、育児や介護を目的に作られた制度ですので、大前提として育児や介護をしている人でなければなりません。

ですが、育児といっても、何歳までが時短勤務対象として認められるのでしょうか。時短勤務の対象になるかどうかの線引きを、3パターンで解説します。

時短勤務の対象1:3歳未満の子供がいる

育児で時短勤務の対象となる条件は、3歳未満の子供がいることです。

また、時短労働は1日の所定労働を原則6時間とする制度のため、もともとの所定労働時間が6時間以下であれば、子供が3歳未満であっても適用されません。

ただし、日々の労働時間が変わる変形労働時間制が適用される従業員に関しては、すべての労働日の所定労働時間が6時間以下であることを指し、対象となる期間を平均した一日の所定労働時間ということではありません。

時短勤務の対象2:育児休業をしていない

時短勤務の適用期間に、育児休業をせずに勤務していることも条件になります。育児休業とは、女性なら出産後の産休明けから、子供が1歳の誕生日を迎える前日まで取得でき、男性であれば1年間取得することができる制度です。

育児休業中は、育児休業給付金を受け取ることができ、休業中に収入が無くても安心して育児に専念することができます。なお、この制度は休業していることが条件となるため、時短勤務であっても働いている場合は利用することはできません。

時短勤務の対象3:1年以上の雇用

企業に1年以上雇用されていなければ、時短勤務の対象にならない場合があります。これは、企業側に認められている権利ですので、企業が定めた協定に記載があるかどうかがポイントになります。

また、1年以上の雇用とは、継続して雇用されているかどうかであるため、日々雇用される従業員は対象外となります。

時短勤務の対象4:介護によるもの

時短勤務は、育児だけでなく介護にも利用することができます。要介護状態の家族を2週間以上にわたって常時介護する必要のある場合に、連続して3年以上の期間で2回以上、以下の時短勤務を行うことが可能です。

  • 所定労働時間の短縮(時短勤務)
  • フレックスタイム
  • 時差出勤
  • 介護サービス費用の助成

時短勤務の対象外になる従業員は?

本来は時短勤務の対象となる従業員でも、労使協定によって企業が対象外にできる場合もあります。まず、1週間の所定労働時間が2日以下の労働者は対象外にすることができます。

また、1年以上雇用され、労働時間を満たしていたとしても、勤務時間の短縮が困難な業種は対象にならない場合があります。企業の方針次第の部分ではありますが、客観的に合理的な理由がない限り、企業は従業員を時短勤務制度の対象外とすることはできません。

時短勤務の給与の計算方法は?

時短勤務をする場合、基本的には働かなかった時間の分、支給額が減額されます。例えば月給25万円で8時間のフルタイム勤務をしている従業員が、時短勤務で6時間になったとします。この場合は、労働時間が25%減っているため、月給も25%減額され、18万7千5百円となります。

計算方法に関しては厳密に法律で定められてはいませんが、短縮した労働時間以上の減額はできません。ただし、手取りの金額で考えた場合、給与はさらに減ることがあります。

基本給

時短勤務による減額は、短縮した労働時間に応じて基本給から減額されます。つまり、それ以外の役職手当や残業代には影響がありません。

ただし、時短勤務では残業が抑制されるため、基本的には残業がなくなり、これまでよりも手取り金額が減少します。また、時短勤務を選択することで役職手当などが支給されなくなると、基本給の減額以上に手取り金額が少なくなります。

社会保険料

時短勤務によって給与が減額となった場合は、社会保険の等級も下がり減額されます。

また、育児休暇終了日に3歳未満の子を養育しており、一定の条件を満たす場合には、日本年金機構に「育児休業等終了時報酬月額相当額変更届」を提出することで、特例措置を受けることができます。

なお、この制度を利用したことで将来給付される年金が減ることは無いため、企業側も忘れずに提出を求める必要があります。

住民税

住民税は前年の給与をもとに徴収されるため、給与が減っても、その年は減額されません。

有給休暇

有給休暇は勤務日数によって日数が決まるため、時短勤務で労働時間が短くなったとしても付与日数は変わりません。もちろん、時短勤務になったことで、有給休暇が取得できなくなることもありません。

ただし、有給休暇の賃金は所定労働時間で労働した場合に支払われるため、例えば6時間労働であれば6時間分の賃金がカウントされます。

時短勤務を導入するときの注意点

時短勤務では、対象の従業員に対して、時間数以上に基本給を減額したり、正当な理由なく悪い評価を与えて給与を減額することは禁止されています。時短勤務を導入する場合は、従業員が必要以上に不利益を被らないように注意する必要があります。

取得を希望する従業員とは、コミュニケーションを取りながら手続きを進めることはもちろん、時短勤務を選択した場合の給与の扱いを細かくルール化し、従業員に周知しておくことが大切です。

時短勤務はテレワークでも取得できる?

新型コロナウィルスの感染症対策として急速に普及しているテレワークに、時短勤務を組み合わせる企業も増えています。

テレワークは通勤時間が短縮されることで、プライベートで使える時間も増える働き方です。テレワークと時短勤務を組み合わせることで、従業員はより多くの時間をプライベートで使えるようになり、ワークライフバランスをさらに整えることができます。

ただし、勤務時間や休憩時間など、就労状況がしっかり把握できるような仕組みは必要です。

時短勤務の勤怠管理に便利なシステムとは?

時短勤務は「勤怠管理システム」や「クラウド打刻サービス」を使用することで、効率的な運用ができます。

働き方改革の推進もあり、従業員の就労形態は時短勤務に限らず、テレワークやフレックスタイムなど、さまざまな働き方が選択できるようになりました。複雑化する勤務時間を効率よく管理するには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

時短勤務への理解を深めよう

時短勤務の導入には、メリットやデメリットはもちろん、勤怠管理をする上での業務上の準備が欠かせません。働き方改革の推進で、時短勤務に限らず、さまざまな働き方が社会的に求められるようになっています。

複雑な勤怠管理には、WorkVisionのソリューションがおすすめです。様々な業種・業態への導入実績があり、現場の状況に応じたスムーズ勤怠管理が可能になります。詳しくは下記リンクを確認してください。

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