2017年10月03日
カテゴリ:クラウド
「雲の通ひ路」「雲のいづこに」「雲がくれにし」「雲ゐにまがふ」「たなびく雲の」 これらは、百人一首で雲が登場する歌の一節だ。往きかう雲の通り道、月を隠す雲の悪戯など、どれを取ってもその描写には思わず頷いてしまう。ロマンチストの先人たちは、皆、空を見上げながらそれぞれの想いを歌に寄せたのだろう。
現代のビジネス社会では、のんびりと空を見上げて雲を見る時間すらなくなっているが、皮肉なことにクラウド・コンピューティングが最も身近な雲の存在になっている。クラウドは、ネットワーク上にあるサーバのサービスを活用できるコンピューティング形態だが、ぼんやりしすぎて“雲をつかむような話”かもしれない。
しかし、総務省の統計によれば、社内に資産や保守体制を持たなくて良いことがクラウド利用の一番の理由になっている。これは、自然災害などによる事業資産の損失を最小限に抑えることができるからだ。他にも、場所や時間を問わないサービス利用やコスト削減など、メリットは多々ある。まさに、クラウドを利用するとしないとでは“雲泥の差”なのだ。現代のビジネスに携わる我々も、先人の描写にはなかった雲の一節を入れ、歌を詠むくらいの余裕が欲しいではないか。
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