2020年11月19日
カテゴリ:クラウド
クラウドの概念とは?
クラウドとは、インターネットを通じてサービスを利用できる仕組みを指します。
クラウドの定義は様々ですが、一般的にはインターネットを利用してサービスを利用することをクラウドと呼びます。近年は、さまざまなサービスがクラウドで提供されるようになってきています。
ユーザーは、自社内にサーバーやハードウェアを用意することなく、必要なサービスを速やかに利用できるようになります。
「SaaS」「PaaS」「IaaS」それぞれの違いとは?
クラウドの仕組みは大きく分けて3種類あります。
クラウドにはいくつかの種類がありますが、普段はまとめてクラウドと呼ばれています。クラウドは大きく分けると、「SaaS(サース)」「PaaS(パース)」「IaaS(イアース)」の3種類に分類することができます。
ここではクラウドのそれぞれの違いについて解説していきます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
SaaS | 管理やソフトウェアの開発が不要 | ソフトウェアに制約がある |
PaaS | システム開発がスムーズになる | 言語・データベースが限定的 |
IaaS | 自由度が高い | 専門的な知識・スキルが必要 |
SaaSとは?
SaaSとは、欲しい機能を必要な分だけ利用できるソフトウェアを指します。
SaaSは「Software as a Service」を略した言葉で、インターネットを経由して必要なソフトウェアを利用する仕組みです。
従来であればパッケージとして購入する必要があったソフトウェアを、クラウドで手軽に利用できるようにしたもので、一例としてはメールサービスなどが挙げられます。
SaaSのメリット:運用管理やソフトウェアの開発が不要
SaaSを利用することで運用管理をしたり、ソフトウェアを開発したりする必要がありません。
自社でソフトウェアを管理する場合は、バージョンアップも行わなければいけませんが、SaaSはダウンロードするわけではないため、自社内で管理する必要がありません。
また、SaaSの機能だけで要望を満たせる場合は、必要な機能を必要な分だけ利用できますので、自社でシステムを開発する必要がなく、手軽に利用することができます。
SaaSのデメリット:ソフトウェアに制約がある
SaaSはソフトウェアの利用に制約があります。
SaaSは利用したい機能をすぐに利用できるというメリットがありますが、ソフトウェアに制約があるというデメリットがあります。たとえば、バージョンアップされた機能が気に入らなくても、ユーザー側で機能を変更することはできません。
また、インターネットを介して利用することになるため、ソフトウェアのパフォーマンスが制限されるケースもあるでしょう。
PaaSとは?
PaaSとは、ソフトウェアを開発するための環境を提供するサービスを指します。
PaaSは「Platform as a Service」を略した言葉で、アプリケーションを稼働させるためのデータベースや開発環境などのリソースを提供します。
PaaSを利用することで、自社内でプログラムを実行したり開発したりするためのデータベースを用意しなくても、システム開発ができるようになります。
PaaSのメリット:システム開発がスムーズになる
PaaSを利用することで、システム開発をスムーズに行えます。
一般的に自社でシステム開発を行う場合、自社内にデータベースなどの開発環境のインフラを構築する必要があります。
しかしPaaSを利用すれば、開発環境のプラットフォームが提供されるため、自社でインフラを構築しなくてもすぐに開発を始めることができます。
PaaSのデメリット:言語やデータベースが限定的
PaaSでは、提供される言語やデータベースなどが限定的になります。
PaaSは契約をするだけですぐに利用を開始できますが、一方で提供される言語やデータベースなどが限定的です。
そのため、さまざまなユーザーに幅広く利用されるというよりも、特定のユーザーばかりが利用することになりやすいというデメリットがあります。
IaaSとは?
IaaSとは、仮想サーバーやストレージなどのインフラ環境を提供するサービスを指します。
IaaSは「Infrastructure as a Service」を略した言葉で、アプリケーションが稼働するためのデータベースなどのリソースのことです。
IaaSでは、システムを稼働させるためのインフラのみをインターネット上で利用できるため、SaaSやPaaSよりも自由度が高いという特長があります。
IaaSのメリット:OSやスペックなどの自由度が高い
IaaSは、ハードウェアのOSやスペックなどの自由度が高いクラウドサービスです。
IaaSが提供するのはインフラのみとなっているため、サーバーを利用する際に必要なOSやハードウェアのスペックはユーザー自身で選ぶことができます。
そのため、ユーザーが必要なスペックを自由に設定することで、自由度の高い開発ができるというメリットがあります。
IaaSのデメリット:専門的な知識・スキルが必要
IaaSを利用するには、専門的な知識やスキルが必要になります。
前述のとおり、IaaSではインフラのみを提供するため、OSやデータベースなどはユーザー側で選定する必要があります。
また、セキュリティ対策などを含めてユーザー自身で管理を行う必要があるため、IaaSを扱うには専門的な知識やスキルが必要になるでしょう。
「SaaS」「PaaS」「IaaS」の比較
「SaaS」「PaaS」「IaaS」それぞれのサービスの概要やメリット・デメリットについてご紹介してきました。ここからは「SaaSとPaaS」「PaaSとIaaS」「IaaSとSaaS」と分けて、両者を比較してどのような利用に適しているかを説明します。
SaaSとPaaS
SaaSは、ユーザーがそのまま使用できるアプリケーションを提供するクラウドサービスのことで、言わばエンドユーザー向けのサービスです。
メールやチャット、クラウドストレージなど様々なサービスが提供されているため、利用したいサービスを契約するだけで利用することができます。もちろん、インフラやシステム開発を自社で行う必要はありません。そのため、すぐにアプリケーションを使い始めたい場合に適しています。
一方、PaaSは、システムやアプリの開発・運用・保守を行うためのツール一式を提供するクラウドサービスです。PaaSの利用者は、アプリの開発や社内のシステム運用を担うスキルのある従業員ということになります。
そのため、アプリケーションを社内業務にあわせて一から作成したい場合に適しています。
SaaSとPaaSの名称は似ていますが、提供するサービスの内容は大きく異なります。目的に合わせて利用するサービスを選ぶことが大切です。
PaaSとIaaS
PaaSとIaaSは、どちらもシステム開発を行うことを目的としたサービスですが、両者の違いは自由度の高さです。
PaaSとは、システム開発を行うためのツールやOS、データベースといった開発環境を提供してくれるため、自社でプラットフォームを構築しなくてもすぐにシステム開発を行うことができるサービスです。
一方、IaaSは、システムの稼働に必要な仮想マシンやサーバーなどのインフラをネットワーク上のサービスとして提供するものですので、OSやデータベース、セキュリティ対策などをユーザー側で用意しなければならず、専門的な知識が必要となります。
したがって、手軽にシステム開発を行いたい場合はPaaSを、自前で開発環境を用意できる場合は自由度の高いIaaSを検討するのが良いでしょう。
IaaSとSaaS
IaaSとSaaSは、サービスの利用者や目的が大きく異なります。IaaSは、システムやアプリの開発を行うエンジニアが主に利用し、SaaSは、メールやチャットなどのアプリを利用するすべてのエンドユーザーが利用します。
IaaSは、開発の自由度が高い反面、専門的な知識が必要となります。社内にインフラ設計やサーバー管理の専門的な知識を持つエンジニアがいる場合、IaaSを利用すれば、データベースやOSなどを自由にカスタマイズしながら、自社専用の開発環境を構築することができます。
対してSaaSは、ITに関する専門的な知識が無くても、便利なサービスを手軽に利用することができます。
それぞれの違いを把握して自社に適したものを選ぼう
普段まとめてクラウドと呼ばれることの多いSaaS、PaaS、IaaSですが、それぞれサービスの内容・範囲は大きく異なります。
それぞれの違いや、メリット・デメリットを理解し、利用目的によって必要なサービスを使い分けることが大切です。
WorkVisionのクラウド型サービスはさまざまな種類があるため、より適したサービスを選ぶことができます。この記事で紹介したサービスや、それぞれの特長、メリット・デメリットなどを参考にご検討ください。
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