2019年01月07日
カテゴリ:財務会計
“世渡りは 嘘と正直 紙一重” “薄くても 価値を求めて 髪と紙”
こんなジョークを盛り込んで、「紙」を題材に川柳をしたためてみた。空気や水のようにいつも身の回りにある紙。ほとんどの人は、毎日の暮らしで紙の恩恵を受けている。「書く、包む、折る、破く、拭く、貼る」などの行為はもちろんだが、「紙コップ、紙箱、紙おむつ」なども暮らしに溶け込み、人間と紙の関係は昔から強く深く、今も続いている。「日本の家は紙でできている」と、どこかの外国人が言ったそうだが、言われてみれば、障子や襖を使った独特の文化を創り上げることができたのも、紙の存在があったからだ。
しかし、環境問題やオフィスのスリム化の観点から、現代社会ではなるべく紙を使わない動きが加速している。「ペーパーレス」は、1970年代から始まったコンピュータの一般普及や、その後に訪れたネット社会の拡大に比例し、人々の意識にも定着していったのは言うまでもない。2004年には「e−文書法」が制定され、行政は一部の文書を電子データ化して保存することを認めた。それと歩調を合わせるように、企業でも紙の消費を削減する動きが進み、社内文書や伝票を電子決裁し、ペーパーレス化するシステムも登場してきた。さらに、オフィスの移転や拡張は、思い切ったペーパーレス化の好機と捉える会社が多いのも事実だ。しかし、紙には紙の良さがあり、技術の進歩とともに「書く・包む…」以外にも、紙の新たな価値が芽生えている。だから今こそ、“紙様に 感謝の意を込め ペーパーレス”と叫びたい。
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