2020年04月27日
カテゴリ:総務
高齢者雇用促進とは
高齢者雇用促進とは、少子高齢化が進む社会の雇用問題解決のため、高齢者の雇用を促進する制度や取り組みのことです。少子化により労働人口が減少し、中小企業を中心に働き手を確保することが難しくなっています。そこで、定年を迎える高齢者を働き手として新たに雇用する取り組みが始まりました。高齢者雇用安定法が平成25年に改正され、高齢者雇用を促進するための様々な取り組みが、国や地方自治体のもとで行われています。
高齢者の雇用促進が求められる理由
高齢者の雇用促進が求められる理由は、少子高齢社会における雇用問題を解決することです。日本の人口は減り続けており、それに伴い労働人口も減少しています。新しい人材を確保することが難しくなる局面において、知識・経験の豊富な高齢者を雇用することは、人手不足の問題解決への糸口となります。また働き手の確保以外にも、高齢者が労働を通じて生きがいを感じ、地域社会で活躍することによって地域の活性化を進めていくという目的もあります。
高齢者雇用促進のための対策7選
高齢者雇用促進のための対策は、働き手の年齢を問わず働き続けられる社会を実現することです。具体的には、高齢者を雇用する企業へ助成金を給付するという雇い主側への対策や、働き口のない高齢者向けの相談会を実施したり専門の窓口を設置したりという働き手側への対策があります。ここでは、主な対策を7つ紹介します。
対策1:高齢者を雇用する企業への助成金
対策の1つ目は、高齢者を雇用する企業への高齢者雇用促進助成金です。厚生労働省は、定年を引き上げたり、高齢者を雇用する制度を作ったりしている事業主に向けて、高齢者雇用促進制度の一つとして助成金を出しています。たとえば、65歳超雇用推進助成金がそれにあたります。他にも、60歳以上、65歳以上の高齢者を雇用したときに受給できる助成金もあります。さらに、高齢者雇用を始めていきたい企業向けに相談会や研修などが実施されています。
対策2:知識の豊富なアドバイザーによる相談窓口の設置
対策の2つ目は、知識の豊富なアドバイザーによる無料相談窓口の設置です。高齢者雇用に関しては、高齢者雇用促進機構として、高齢・障害・求職者雇用支援機構という独立行政法人が全国で相談を受け付けています。この組織は、高齢者雇用の相談窓口だけでなく、助成金の受付やセミナーも開催しています。また、高齢者雇用に関する制度を企画・立案したり、企業診断を無料で行うサービスも充実しています。
対策3:人手不足の事業を積極的にシルバー人材センターへ展開
対策の3つ目は、人手不足の事業を積極的にシルバー人材センターへ展開することです。シルバー人材センターとは、各地域の高齢者に仕事を提供することで地域活性化を図る組織です。生活費を得るための仕事の斡旋ではなく、高齢者が労働により生きがいを感じ、それを通じて地域を活性化させることを目的としています。シルバー人材センターでは、家庭教師から庭木の剪定、筆耕、施設管理まであらゆる分野の仕事を請け負っています。人手不足の事業を積極的にシルバー人材センターへ展開することで、事業者はスムーズな労働力の確保が可能になり、高齢者も培ってきたスキルを発揮する場が与えられるというメリットがあります。
対策4:地域における高齢者雇用の促進
対策の4つ目は、地域における高齢者雇用の促進です。厚生労働省では、高齢者雇用促進を地域から進めていくために、生涯現役促進地域連携事業を行っています。高齢者に自分の住んでいる地域で働いてもらうことで、高齢者の活躍と地域の活性化を狙いとしています。生涯現役促進地域連携事業については、毎年実施団体が募集されています。区分は都道府県から市町村単位まであり、実施団体に選ばれると、都道府県の場合は4,000万円が補助されます。
対策5:ハローワークに高齢者雇用のための特別な窓口を設置
対策の5つ目は、ハローワークに高齢者雇用のための特別な窓口を設置することです。ハローワークには、60歳以上の高齢者を対象とした「生涯現役支援窓口」が設置されています。この窓口では、高齢者を積極的に雇用する企業の紹介に加え、履歴書の書き方や面接のガイダンス、スキルアップのための講習なども実施しています。
対策6:高齢者がスキルアップできるワークショップや面接会の実施
対策の6つ目は、高齢者がスキルアップできるワークショップや面接会を実施することです。たとえば、ハローワークに設置されている生涯現役支援窓口では、高齢者向けの技能習得や面接対策の講習を実施しています。また、高齢・障害・求職者雇用支援機構では、事業者向けに、生涯現役社会の実現に向けた地域ワークショップを毎年開催しています。他にも、高齢者雇用促進フォーラムなど、自治体ごとに色々な高齢者雇用促進事業が実施されています。
対策7:高齢者を積極的に受け入れる環境でない事業の指導
対策の7つ目は、高齢者を積極的に受け入れる環境が整っていない事業者への指導です。平成25年に、高年齢者雇用安定法が改正され、高齢者の雇用促進のために多くの施策がとられるようになりました。高齢者を受け入れる環境が整っていない企業・事業主からの相談受付や支援がその一部です。企業・事業主からの相談や支援は、高齢・障害・求職者雇用支援機構が行っています。
高齢者の雇用促進について知ろう
高齢者の雇用促進は、今後の日本社会において重要な取り組みの一つです。高齢者の雇用促進は、働き手の確保だけでなく、働く高齢者の生きがいや、それによる地域の活性化など多くのメリットをもっています。高齢者の雇用促進について知り、積極的に取り組みを進めていきましょう。
シニア世代もデジタル端末を身近なツールとして活用している
NTTドコモのモバイル社会研究所様の「ケータイ社会白書2019年版」では、60代のスマートフォン所有率は約7割、パソコン所有率も約6割とレポートされており、シニア世代の大半がデジタル端末を身近なツールとして活用していることが分かります。WorkVisionの雇用管理システムは、雇用契約のスピードアップ、業務負荷の軽減が可能です。雇用者本人が、雇用契約に必要な個人情報をスマートフォンから入力し、でPDFで出力される契約書に、Web上で捺印できるペーパーレスのシステムです。
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