2020年05月08日
カテゴリ:総務
人材確保戦略とは
企業が事業を継続するためには、自社の売上・利益に貢献してくれる高い能力を持つ人材を確保し、継続的に自社で働いてもらえる環境を提供し続ける必要があります。今回は人材確保に関する中小企業の現状と課題、そして高い能力を持つ人材を確保し続けるための注意点について紹介します。今までの採用活動に疑問を持っている方や、より高い能力を持つ人材を確保する方法が知りたい方はぜひご一読下さい。
中小企業の人材確保の現状
中小企業庁が公表する『中小企業白書 2019』によると、従業者数29人以下の事業所の求人数は増加しているものの、同規模の事業所で働く従業員数は減少しており、特に小規模企業では人手不足が加速しています。リーマンショックが勃発した2009年の従業者数29人以下の求人数が約300万人だったのに対して、2018年は約750万人に増加しています。その一方で、同期間の同規模の事業所における従業者数は約1,700万人から約1,520万人に下落しています。上記以外の事業所の従業員数は横ばいか上昇しているので、特に小規模企業における人材不足が2009年以降深刻化しています。
中小企業の人材確保の課題
『中小企業白書 2019』の55項の記載を見ると、収入面や仕事内容への魅力を感じて中小企業に勤める人の割合が小さく、これらの点を克服する必要があると言えます。その一方で、前職が中小企業であれ大企業であれ、中小企業に転職する理由は自分の能力・個性・資格が活かせることを挙げています。多くの中小企業では、社員一人ひとりの能力を発揮できる環境を維持しつつ、収入面の充実と自社の事業や仕事内容の魅力を効果的に伝える必要があると言えるでしょう。
人材確保戦略の注意点4つ
では、中小企業が必要な人材を確実に確保するためには、具体的にどのような点に注意すればよいのでしょうか。ここではコンセプト・求人先・採用活動に関わる従業員・職場環境の4つのポイントから注意点を紹介します。
人材確保戦略の注意点1:人材確保のためのコンセプトを確立する
1つ目の注意点は、人材確保のためのコンセプトを確立することです。採用活動時のコンセプトを明確にすることは、求人情報を掲載するチャネル・求人情報の書き方・採用の判断基準・提示する待遇などに一貫性が生まれ、望む人材を確保しやすくなります。その結果、会社と応募者のミスマッチが減り、長期的な雇用関係の継続にもつながります。採用活動と雇用の継続どちらにもつながることですので、しっかりとコンセプトを固めることから始めましょう。
人材確保戦略の注意点2:適切な人材紹介会社を見極める
2つ目の注意点は、適切な人材紹介会社を見極めることです。ハローワーク・大手求人情報サイト・特定の業種や業界に特化した人材紹介会社など、求人情報を掲載できる場所は沢山あります。その中で最適な人材がいる可能性が高いメディアに求人情報を掲載できなければ、どんなに待遇や給与を工夫しても良い人材の確保が難しくなります。マーケティングのように、求める人材が頻繁にチェックする可能性が高い求人情報媒体を厳選し、より確実に自社で求める人材にアピールすることが必要です。
人材確保戦略の注意点3:総務・人事のみに任せない
3つ目の注意点は、採用活動を総務や人事のみに任せるかどうかです。基本的に採用活動は総務部や人事部の専任業務です。そのためコンセプトの確立・人材紹介会社への募集情報・採用後の待遇等はこれらの部署で決定します。しかし、採用した従業員は総務・人事以外の部署で働く人もいるので、可能な限り他部署の社員にも選考過程に参加してもらい、現場で活躍できる人材かを判断してもらいましょう。
人材確保戦略の注意点4:職場環境の改善
4つ目の注意点は、離職率に問題がある場合、求人情報と実際の職場環境の差が大きく、不満を持たれていることが考えられます。やりがい、働きがいを持ってもらうことが重要で、その1つに給与もあります。募集時の給与を上げれば簡単に応募数は増えます。しかし、給与を上げれば当然会社の利益率は下がりますし、現社員との整合性が取れなければ、社内の不満が大きくなる可能性があります。簡単に給与を上げるのではなく、採用した人材が長期的に働いてくれるための施策で行動できているかをよく見極めることが大切です。
人材確保戦略をもう一度見直そう
この記事では、中小企業の人材確保について、中小企業庁が発表した資料からその課題と、採用活動を行う際の注意点を紹介しました。人材確保と人材の長期定着に関わる企業活動に対して、助成金の提供などもあります。人材確保に本格的に取り組みたい企業様は、この助成金の申請も検討してみて下さい。また、WorkVisionでは質の高い人事・給与業務に最適なシステムを提供しています。人材確保・社員の待遇や定着率の改善を目指す方は、下記のページでサービス内容と導入事例を紹介していますので、ぜひご一読下さい。
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