戦略人事を導入する際に必要なこと7つ|導入するときの注意点3つ

2020年11月12日

カテゴリ:総務

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戦略人事とは?

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「戦略人事」とは、企業の経営に関わる戦略的な人事活動のことです。

一般的に人事の仕事は、採用・研修・評価といった管理的な業務と考えられがちです。しかし、近年の労働人口の減少を受け、人的資源を扱う部署の重要性が高まってきています。

そこで注目されているのが、経営目標を達成するために必要な戦略的人材配置を業務として行う人事活動です。

本記事では、そのような人事活動について詳しく説明していきます。

経営戦略との違い

「経営戦略」とは、企業が経営上の目的を達成できるようにするための方針や計画のことです。

たとえば、ある企業の目的が5年以内での東証一部上場であれば、それに向けてどういう方針で動き、どんな計画立案をするのかが、「経営戦略を練る」ということになります。

そして、その目的を達成するために、人的マネジメントの観点から必要なことを探り、実行していくのが「戦略人事」です。

戦略人事を導入する際の4つのポイント

「戦略人事」は、1990年代にアメリカで提唱された比較的新しい考え方です。

戦略人事を導入する際には、気をつけたい4つのポイントがあります。戦略人事の業務内容は、従来の人事活動と違う点が多いため、安易に導入すると現場に混乱をきたす恐れもあります。

ポイントをよく理解した上で、導入を検討してみてください。

戦略人事を導入するポイント1:BP(ビジネスパートナー)

BP(ビジネスパートナー)とは、言葉通り、人事が経営者のビジネスパートナーとなり、従業員へ対する戦略人事の窓口となることです。戦略人事では、人事は部署の一つではありません。経営者の理念を理解し、目標の達成のために協働するパートナーのような存在となることが求められます。

人事担当者に、後述するCoE(センター・オブ・エクセレンス)、OPs(オペレーションズ)、OD&TD(組織開発・人材開発)が求められるのも、有能なビジネスパートナーとして当然の条件と言えます。

戦略人事を導入するポイント2:CoE(センター・オブ・エクセレンス)

CoE(センター・オブ・エクセレンス)とは、卓越した研究拠点、中央組織という意味があります。

戦略人事では、人事がこれまで以上に組織を横断して管理、評価していきます。企業全体を俯瞰し、中央で人的マネジメントを遂行していくためには、人事担当こそが、どの部署よりも卓越した能力を有している必要があります。

戦略人事には有能な人事担当者の存在が不可欠であるということです。

戦略人事を導入するポイント3:OPs(オペレーションズ)

OPs(オペレーションズ)とは、従来的な人事業務のことです。つまり、採用活動や給与計算、社員の研修、労務管理などを指します。

戦略人事を導入しても、これまで人事が行ってきた業務がなくなるわけではありません。むしろ、人事が経営戦略に関わる施策の運用を行うのであれば、これまで以上に正確なオペレーションが求められます。

戦略人事を導入するポイント4:OD&TD(組織開発・人材開発)

OD&TD(組織開発・人材開発)とは、従業員へ経営理念を浸透させ、目標を達成できる組織づくりを行う活動のことです。「組織が一丸となって目標に邁進していける環境づくり」とも言い換えることができます。

経営者側が素晴らしい経営理念や方針を持っていても、現場がそれを理解して動かなければ良い結果は見込めません。

研修や採用活動を通してOD&TDを行うのが、戦略人事で求められる人事業務の一つです。

戦略人事を導入する際に必要なこと7つ

ここまで、戦略人事の重要性について説明してしきましたが、企業に卓越した人事担当集団がいても、それだけでは戦略人事はうまくいきません。

大切なことは、経営側が戦略人事の肝を理解し、企業の未来に対する明確なビジョンを持っていることです。

以下で、戦略人事導入のために必要な7つのことについて詳しく見ていきますので、ぜひ参考にして下さい。

戦略人事に必要なこと1:企業の目標を明確にする

戦略人事を導入する前に、企業の中長期的な目標を明確にしましょう。戦略を立てるには目標が不可欠です。企業全体の目標はもちろんのこと、各部署の目標や計画を、年単位ではっきりさせておく必要があります。

目指すべきゴールが明確になることで、効果的な方策が打ちやすくなり、現在進行している計画が適切なのかの見直しも効率的に行うことができます。

戦略人事に必要なこと2:経営方針を理解する

経営目標と同じくらい大切なのが経営方針です。経営方針を理解していなければ、経営者の意図からズレた戦略になりかねません。

一つの目標に到達するためのアプローチは一つとは限りません。どういう筋道を立て、どんな計画で達成したいのかは、企業の経営方針によって変わります。

戦略人事において経営者と人事はビジネスパートナーです。経営方針はしっかり理解しておくことが必要です。

戦略人事に必要なこと3:整合性を図る

人事での状況や取り組み方を統一し、常に整合性を図るように努めましょう。

人事が組織全体に大きく関わっていく分、人事には整合性が求められます。打ち出す方策や計画に個々でズレがあっては、組織全体の混乱につながってしまうからです。

打ち出した当初は整合性がとれていても、計画を進めていく段階でズレていく可能性もあります。常に全体をチェックし、ズレ始めたときは軌道修正できるようにしておくことも必要です。

戦略人事に必要なこと4:採用の計画をする

従業員に求められる人物像を明確化し、必要とする人材を確保できる採用計画をたてましょう。今いる人材の活用と共に重要なのが、新たな従業員の採用です。

近年では、SNSを用いた採用活動が活発化しています。新型コロナウイルスの影響でリモート面接をする企業も増加しており、採用活動は変化しつつあると言えるでしょう。

従来通りの採用プロセスに固執することなく、柔軟な方策をたてることが必要です。

戦略人事に必要なこと5:組織開発を行う

人事は、経営方針に沿った組織開発を行い、目標達成がしやすい環境づくりを進めます。

戦略人事を導入するポイントとして、OD&TDは重要です。どんなに素晴らしい経営理念や方針があっても、現場がそれを理解していなければ意味はありません。

一丸となって目標達成に向かうには、組織全体に通じる理念の浸透や風土づくりが必要不可欠です。

戦略人事に必要なこと6:従業員の状況を把握する

経営者と従業員の立ち位置は違います。

企業で働く従業員の状況を把握し、彼らにどうなって欲しいのかというビジョンを策定することが重要です。それにより、従業員のモチベーションを高められる方策を打ち出すことができます。

本来は人事も従業員側の立ち位置ですが、戦略人事においては経営者側に立つことも多くなります。ある意味では、従業員と経営者の橋渡し役となることも、人事に求められている役割と言えます。

戦略人事に必要なこと7:信頼を得る

現場からの信頼があってこそ、人事が打ち出す計画に従業員が全力で取り組んでくれるようになることを肝に銘じましょう。

人事は経営者側の立ち位置となることも多く、時に従業員から反感を買うこともあります。人事が現場から不信感をもたれていては戦略人事を行うことはできません。

現場の信頼を得るためには、人事のやることが常に整合性がとれていることや、従業員の状況を把握して彼らに寄り添う姿勢が大切です。

戦略人事を導入するときの注意点3つ

いざ、戦略人事を導入しようとしても、うまくいかない場合があります。

戦略人事がうまくいかない理由は、従来通りの人事に慣れて変化を受け入れられない現場や、戦略人事の本質をつかめていない経営者側にあります。

戦略人事の導入を検討する際は、下記の3つのポイントに注意してください。

戦略人事を導入する注意点1:経営戦略を明確にする

戦略人事を導入する際に、企業の目標を明確にすることの必要性は先に述べたとおりですが、戦略人事を効果的に活用するためには、経営戦略が具体的である必要があります。

これは、目指すべきゴールがはっきりしていないと、達成に必要な方針や計画も曖昧なままになってしまうためです。

経営戦略を明確にし、人事が具体的な方策を立てることが重要です。

戦略人事を導入する注意点2:人事の戦略人事への理解

戦略人事を導入する際は、人事との認識のすり合わせを丁寧に行います。戦略人事を担う人事がやるべき業務を理解していなければ、当然のことながらうまくいきません。

戦略人事には、人事の業務内容が大きく変化します。また、事前の説明や正確な理解なしに無理に導入すれば、現場からの反発を買いかねません。

新しい方法の導入を全体に周知する前に、まず人事担当に戦略人事を説明し、しっかりと理解してもらう必要があります。

戦略人事を導入する注意点3:従業員に理解してもらう

経営者と人事だけでなく、戦略人事には現場の従業員の理解も不可欠です。いくら素晴らしい経営戦略があっても、それを実行する従業員が非協力的では、狙った成果を上げることはできません。

戦略人事では、人事が横断的に組織を管理して部署の方針や計画に口を出すなど、従来とは違った役割をもつことになります。

無用な反発を受けないよう、戦略人事のあり方とメリットについて研修やセミナーを行うなど周知に努める必要があります。

戦略人事を導入しよう

戦略人事にはたくさんのメリットがありますが、同時に導入に際しては注意が必要です。

経営戦略の明確化や事前の周知徹底などのポイントを押さえ、導入が逆効果にならないよう気をつけましょう。

戦略人事の導入にあたり、WorkVisionの提供する「人事・給与ソリューション」が有効です。

会社の組織変更や業務の効率化に対応しているため、戦略人事の導入で煩雑になりがちな業務をスマート化できます。

戦略人事への理解を深めよう

戦略人事を導入する際に必要なことや注意点について理解していただけましたでしょうか。

新しいことを始める際には、反発が起きたり、業務が煩雑になったりすることはよくあります。効率的に組織改革を進めるには、便利なツールや基幹業務のシステム化がおすすめです。

戦略人事への理解を深め、より良い企業経営のために活用してください。

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戦略人事を導入する際に必要なこと7つ〜導入するときの注意点3つ〜

戦略人事を導入する際の注意点やポイントをご紹介します。

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