第4次産業革命で高まるスタートアップへの期待

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2011年にドイツ政府が「インダストリー4.0」を掲げスタートした技術戦略は、2016年のダボス会議でも取り上げられ、第4次産業革命として世界的な広がりをみせている。日本でも内閣府が2017年1月に出した『日本経済2016-2017』には、そのインパクトについて記載されている。

第4次産業革命の鍵のひとつが、先端技術(エマージングテクノロジー)による「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。DXはスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。タクシー業界ではUber、旅行業界ではAirbnbのようなサービスが登場したように、既存の産業が、技術革新により構造変化を余儀なくされている。第4次産業革命によって、数多くのサービスが、非常に速いスピードで登場する。しかもその範囲はとてつもなく広い。

産業構造が急速に変化していく中で、企業が単独で新しいことを創出するには限界がある。また同業者だけで閉じていてもイノベーションは起こりにくく、生き残りが難しい。

そのような背景もあり、日本全体でスタートアップへの投資意欲が高まっている。不動産会社やIT関連会社、映像制作会社など多様な分野の大手企業が、CVC(Corporate Venture Capital)といわれる組織を立ち上げ、ベンチャー企業への投資を本格化している。ベンチャーに対する投資が、従来と変わってきているのは、単にお金を出して終わりではなく、投資する側も現場に入りこんで、お互い成長することを強く意識しているケースが増えている点である。

これまでも大企業がスタートアップへ投資するというケースはあったが、さらにそれを加速させるため、企業はCVCという形で受け皿を作り、スタートアップを本格的に集める体制をとりはじめた。数が集まれば、あるサービスだけでは不十分であっても、複数のサービスを組み合わせることでブルーオーシャンへ攻めていくことができる。

従来はベンチャー同士のM&Aが多かったが、今後は大企業がM&Aでスタートアップを買収するケースも増えていくだろう。企業が新たな技術やサービスを手に入れる近道だからである。スタートアップの成功はIPO (Initial Public Offering)と思われている。しかし、ゼロから1にするのが得意な人が、次々と新しい事業を生み出していく役割を担っていくことも大切である。それにより、イノベーションが数多く生まれ、企業とスタートアップとの可能性も拡大していくだろう。

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