2018年12月03日
カテゴリ:オピニオン
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マナーの勘違いにご用心
その場に応じた行儀や作法、これを「マナー」と呼んでいる。我々が身を置いている社会全体で、常識を背景に形にしたもの、マナーとはそう捉えて良いだろう。では、いっそのこと「規則」で統一しては駄目なのか、と議論したくなるが、マナーは周囲に対して不快感を与えない所作や振る舞いであり、罰則もないので規則よりも個人の自発性が問われるのだ。
例えば、電車に乗った時、座席で足を組んでいると周囲の迷惑になるため、「車内マナーを守ろう」が常識になっている。足を組んで座っていても罪に問われることはないが、他の乗客に不快な思いを与えてしまう。このような経験は、誰もが一度はあるはずだ。
しかし、最近ではマナーを取り違えて身に付けてしまっていることが多く見受けられるようになってきた。顕著なのがビジネスマナーだ。「これが常識」と思っていても、実は間違いだったケースが少なくない。同じく罪に問われることはないが、ビジネス上“世間知らず”“常識がない”などの印象を持たれてしまっては、社員個人だけではなく会社としての損失にもなりかねない。
ビジネスの世界は、ツールの多様化とともにコミュニケーション手法も進化していることを踏まえると、原点に立ち返り、ビジネスマナーの学習機会をもつのも良いだろう。
正しいマナーは会社を伸ばす
人が会社の大切な資産である以上、経営的な視点でビジネスマナーを徹底させることは決して無駄なことではない。事業を営むうえで、業務上適切な判断や行動を取れる人間か、人間同士のコミュニケーションはどうか、決められたルールを守れるかなど、ビジネスマナーは広義に捉えると個人の問題だけではなく、会社の成長ベクトルには欠かせない因子と言える。つまり、自社の社員がビジネス社会における基本常識を身に付けているかを問われることに等しい。
敬語の使い方、ビジネスメールの作成、電話応対、接客など、昔からある基本中の基本と言われる項目を復習することはもちろん大切。さらに今は、自己の健康管理や、マナー違反をした時の改善提案などもビジネスマナーの重要項目に加わり、検定も行われているほどだ。
正しいビジネスマナーを身に付けることで、“良い仕事”の実現につながり、周囲から感謝や賞賛の声を得ることが多くなる。そして、自分自身が感じる自信と周囲からの好評価によって、職場での存在価値が生まれ、仕事へのモチベーションも高まっていく。これが、個人のビジネスマナーによる会社成長のシナリオだ。社員にとっては実感と見返りがとても重要である、と同時に経営者にとってはその演出力が問われる時代になっている。
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