HRテック導入に向けて、人事関係者が取り組むべきこと

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第9回 HRテックと人事情報・データの活用 ③

今回のコラムは、HRテック導入に向けての注意点、および人事関係者が取り組むべきことについて解説します。

HRテック導入に向けての注意点

「HRテックを導入したものの、何も成果が出てこない」という悩みを抱える人事関係者もいらっしゃいます。このような方々は、「HRテックを導入すれば、短期間で大きな成果が出る」と期待しすぎていますが、HRテック導入の成果が顕在化するまでには、ある程度の期間を必要とします。

ですから、HRテックを導入するときには、「短期間で大きな成果がでるものと期待しすぎない」ようにしてください。このことを踏まえたうえで、HRテック導入に向けての具体的な注意点を2つ示します。

(1)HRテックによって実現するべきことのイメージを関係者の間で共有する

HRテック導入時には、人事情報システムの刷新や関係者への教育などを行うための費用が必要になります。したがって、経営者や人事関係者の間で、「HRテックによって実現するべきこと」のイメージを共有しておかないと、「多額の費用をかけなくても、今のままで十分だ」という声が出てきて、HRテック導入は頓挫してしまいます。

例えば、「給与計算に関わる工数を削減し、その業務の担当者を2名削減する」、「上司が部下の目標の進捗度合いを確実にサポートすることによって、目標達成者を20%増やす」など、HRテック導入後のイメージを具体的に示し、関係者の間で共有しておくとよいでしょう。

(2)とりあえず導入し、データを蓄積しながら、継続してブラッシュアップする

HRテック導入に成功した企業においても、「最初からデータが揃っていた」というケースは極めて少なく、「とりあえずHRテックを導入して、データを蓄積しながら、それらの活用を検討していく」というケースのほうが多いのです。その意味では、人事部門は、HRテック導入で満足せず、導入後もデータを蓄積し、継続してブラッシュアップしていくことが、とても重要と言えます。

データは、量が多くなるほど、分析できることが広がり、また、予測の精度が増していきます。導入当初はデータ不足により十分な活用ができないHRテックであっても、使い続ける中でデータやノウハウが蓄積されていき、数年後には、人事管理に欠かせない強力なツールになるはずです。

「データが揃ったらHRテックを導入する」と考えている人事関係者は、「まずはHRテックを導入して、使いながらデータを揃えていく」という考え方に改めていかなければなりません。

HRテック導入に向けて、人事関係者が取り組むべきこと

今後、多くの企業がHRテックを導入するものと見込まれます。その際に、人事関係者が取り組むべきことをまとめておきましょう。

(1)データ活用に関する責任感、倫理観を養うこと

HRテックが導入されれば、人事部門が収集、管理するデータが急増します。このデータの中には、企業の機密情報や個人情報も大量に含まれているので、それを扱う者は、情報漏えいや不正利用が発生しないように責任感をもって管理すると同時に、それらのデータを活用してよいかどうかを見極める倫理観を養うことが必要です。

人事関係者は、プライバシーに関わるデータの規制やそれらが絡んだトラブルなどを勉強して、データ活用に関する責任感や倫理観を今のうちから養っておかなければなりません。

(2)「経験・勘」や「センス」を磨くこと

HRテックが導入されて、データに基づく合理的な思考や判断が行われるようになれば、人間の「経験・勘」や「センス」は無用になる、という話を耳にしますが、これは誤解です。データ分析の結果として得られるものは、客観的な事実や(過去の傾向から推測した)将来イメージにすぎません。それらが持つ意味を考えて、実行するべきことを判断するのは、あくまでも「人間」であり、その判断をするうえで「経験・勘」や「センス」が必要になるのです。

前々回のコラムでは、「経験と勘だけに頼る人事管理から、データを使った合理的な管理に脱却するべき」と述べましたが、それは「経験・勘だけで事を進めてはいけない」と言っているのであって、「経験・勘は必要ない」と言っているのではありません。

AI時代が到来し、データ分析が活発に行われるようになればなるほど、人間の「経験・勘」や「センス」の重要性は、むしろ高まっていきます。人事関係者は、これからも様々な経験を通して、HRテックを使いこなす勘やセンスを磨いていかなければなりません。

皆様におかれましても、本コラムを参考にして、HRテック導入の検討をすぐにでも始めていただきたいと思います。

HRテックの活用領域

社会保険労務士 深瀬 勝範

Fフロンティア株式会社代表取締役。人事コンサルタント。社会保険労務士。
1962年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社などを経て、経営コンサルタントとして独立。
人事制度の設計、事業計画の策定などのコンサルティングを行うとともに執筆・講演活動など幅広く活躍中。

深瀬勝範

働き方改革時代に、企業を強くするソリューションとは…
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