民事再生、自主廃業の進め方、売却先などの見つけ方

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第11回 「前向きな撤退」のススメ… 民事再生、自主廃業の基礎知識 ②

事業主や従業員がどんなに頑張っても、会社は業績低迷から抜け出すことができず、倒産や廃業に追い込まれてしまうことがあります。こうなったときに、会社や事業を継続して再建を図る「民事再生」、あるいは、会社がひどい状況に陥る前に事業を終了させる「自主廃業」を円滑に進めることができれば、事業主や従業員は、そこで気持ちを切り替えて、次に向けた新たな一歩を踏み出すことができます。

今回のコラムは、このような「前向きな撤退」の進め方について解説します。

1. 民事再生手続きの進め方

民事再生は、次のような流れで行われます。

(1)民事再生手続きを行う弁護士の選定

(2)裁判所への民事再生の申し立て

(3)裁判所による保全処分の決定、監査委員の選任

(4)債権者向け説明会の実施

(5)裁判所による再生手続き開始の決定

(6)債権者による届出と認否書の作成、財産評定の手続き

(7)再生計画案の作成

(8)債権者による再生計画案の可決、裁判所による再生計画の認可

(9)再生計画の遂行、再生手続きの終結

期間の大まかな目安としては、「(2)民事再生の申し立て」から「(8)再生計画の認可」までが6か月、「(9)再生計画の遂行」は3年ぐらいとなります。

このように、民事再生は、会社を残し事業を継続したまま、スピーディーに再建を図ることができます。さて、会社が民事再生の申請を検討するにあたり、注意していただきたいことが、2点あります。

1点目は、民事再生は、あくまでも倒産における手続きの1つということです。つまり、債務弁済に支障が生じておらず、会社が倒産するような状況にないのであれば、そもそも民事再生は適用されません。

2点目は、再生計画を債権者が認めてくれなければ、民事再生を進められない(この場合は、破産手続きに移行します)ということです。ですから、民事再生を申請するのであれば、債権者を納得させるような再生計画を立てられる(つまり、債務が過剰に膨らまない、あるいは、事業を黒字転換できる見込みが立つ)うちに行わなければなりません。

民事再生の流れ

2. 自主廃業の進め方

自主廃業は、次のような流れで行われます。

(1)事業終了日の決定、弁護士などへの相談

(2)取引先・関係者への連絡、従業員への説明

(3)株主総会による解散決議

(4)事業活動の停止、従業員の解雇(解散)、定款変更(清算会社へ移行)

(5)解散公告(官報への掲載)、解散時の確定申告

(6)清算人(事業主または弁護士など)の選任

(7)債権債務の整理、資産売却、残余財産の株主への分配

(8)決算報告および株主総会の承認(清算結了)

(9)清算結了時の確定申告、清算結了の登記・届け出

期間の大まかな目安としては、「(1)事業終了日の決定」から「(9)清算結了の登記・届け出」まで6か月程度となります。(ただし、規模が小さい会社は3か月程度で終了させることも可能です。)

自主廃業は、会社そのものが消滅するので、従業員全員を解雇することになります。事業主や総務スタッフは、従業員が再就職できるように、できる限り支援していくべきです。例えば、関係会社や取引先などに自社の従業員を受け入れてもらうようにお願いする、また、ハローワークに廃業することを伝えて従業員の再就職について相談する、などの対応をすることが必要です。

なお、当然のことながら、自主廃業すれば、事業主も無職になってしまいます。ですから、事業主自身も、そこで気持ちを切り替えて、「次に何をやるのか」ということを考えなければなりません。

一般的に、倒産(破産)した場合、事業主には「取引先や従業員に大きな迷惑をかけた」「最後までうまくいかなかった」という思いが強く残ってしまうため、気持ちの切り替えができずに、再起が難しくなります。一方、自主廃業の場合は、最終的には事業主自身が廃業を決断している(つまり、決断した時点で気持ちの整理がついている)ので、次の事業に向けた意欲が湧きやすいのです。

私がこれまで見てきた限りでは、「倒産」よりも「自主廃業」を選択したほうが、事業主も従業員も立ち直りが早く、最終的にうまくいっています。厳しい状況にある今だからこそ、自主廃業のような「前向きな撤退」を考えることも必要ではないでしょうか。

自主廃業の流れ

3. 会社の売却先、事業譲渡先の見つけ方

「自分が事業を続けることはできないが、自主廃業によって従業員を解雇することもイヤだ」という事業主は、他社に会社ごと売却してしまう、あるいは事業を譲渡するという方法を検討されると良いでしょう。こうすれば、自社は消滅しますが、従業員の雇用は他社に引き継がれることになります。「前向きな撤退」としては最も良い方法と言えます。

この場合は、「売却先や事業譲渡先を、どのようにして見つけるのか」ということが問題になります。

インターネットで検索すれば、会社の売却や事業譲渡の仲介をしてくれる会社を見つけることができるので、そこに相談してみることも一つの方法です。また、取引のある金融機関などに相談すると、売却先や事業譲渡先を紹介してくれることもあります。

「売却先、事業譲渡先が見つかれなければ、自主廃業を考える」ということでよいので、とりあえず金融機関などに会社の売却について相談してみてはいかがでしょうか。

なお、民事再生の場合は、「再生計画」の中で業務合理化(システム化)が盛り込まれることが多く、また、自主廃業(会社売却・事業譲渡)の場合は、会社統合に関わるシステム整備の話が必ず出てきます。万が一の場合に備えて、現在の業務システムの見直しを進めておくことも必要となります。

クラウド型のWebサービスは、拡張性が高いことに加え、自社でサーバー環境やシステムを新たに保有する必要がないなど、システム見直し時の初期費用を大幅に抑えられるというメリットがあります。

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さて、民事再生や自主廃業の流れをつかむことができましたでしょうか?いずれの方法をとるにせよ、「前向きな撤退」を進めるうえで、事業主や総務スタッフの最大の悩みは「解雇する従業員への対応」です。次回のコラムでは、「解雇する従業員への対応」について説明します。

見直しポイント例

監修: 社会保険労務士 深瀬勝範

Fフロンティア株式会社代表取締役。人事コンサルタント。社会保険労務士。
1962年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社などを経て、経営コンサルタントとして独立。
人事制度の設計、事業計画の策定などのコンサルティングを行うとともに執筆・講演活動など幅広く活躍中。

深瀬勝範

前向きな撤退の対応のポイントは…
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