2020年11月04日
カテゴリ:販売管理
棚卸は手間がかかる作業?
棚卸は、商品や部品などの在庫と帳簿の数量に違いが無いかを確認する作業です。もし棚卸業務の際に差異が発見された場合には、原因をつきとめて違いを無くさなければなりません。
原料や部品など、多くの在庫を持つ会社では、一つ一つ在庫を確認・記帳して、データ入力などを行うため、棚卸業務には膨大な時間と手間がかかります。ひと昔前は、棚卸のために定休日を設けて一日がかりの作業となっていたスーパーもありました。
棚卸の目的は正確な在庫管理です。棚卸は在庫の数量を把握して棚卸資産を確定させ、原価・利益を決める重要な役割があります。そのため棚卸作業は会社の利益を左右する重要な作業になります。
棚卸のやり方
業種ごとに棚卸のやり方は異なりますが、いずれにせよ、実在庫を数えることから始まります。そして、それぞれの原価から資産を算出・確定させることが目的です。
小売業なら、資産となる商品をすべて数え、商品それぞれの個数と原価から資産を計算します。製造業などの場合は、工程ごとに掛かっている費用や原料費などから、進捗原価を算出することも必要となります。
棚卸で確認する項目
棚卸では資産として数えられるものはすべて数える必要があります。商品・材料・仕掛品・貯蔵品・資材などの資産がそれぞれ何個あるのかを確認するため、品目・数量をチェックし、最終的に原価と結び付けて確認できるようにします。
棚卸で確認した在庫は記録として残す必要がありますが、使用する書式には決まりはなく、業種などに合わせてテンプレートなどを活用しても問題ありません。
棚卸業務を効率化する方法5つ
棚卸作業で差異が出る主な原因はヒューマンエラーによるものです。では、どうすれば差異を出さずに効率よく棚卸ができるのでしょうか?棚卸の方法には人手を使う方法と棚卸に対応できるシステムを使う方法がありますが、どちらの方法でも準備をしっかりとしておくことが重要です。
棚卸作業の大半は在庫のカウントとその後の集計データ作成です。棚卸票の用意や棚卸場所の整理整頓、棚卸のルールの明確化などの準備しておくことで、カウントミスや漏れ、入力漏れ、読み取りミスなどのヒューマンエラーを減らすことができます。
効率化する方法1:管理ラベルにチェックできるスペースを空けておく
棚卸を効率化する方法の一つ目は、管理ラベルにチェックできるスペースを空けておくことです。管理ラベルの空いたスペースに、品物を確認したら忘れずにチェックをいれます。こうしておくことでチェック漏れを防ぐことができ、さらに、数年分を作っておけば遡って棚卸の管理ができます。
もし、管理ラベルが付いていない品物が見つかった場合は、次に確認した時に分かりやすいようにその品物が分かる位置に付箋を貼っておきます。そして、棚卸リストと照合し現物を特定した後で改めてラベルを準備します。
効率化する方法2:シールなどで目印をつける
棚卸を効率化する方法の二つ目は、シールなどで目印をつけることです。最初に棚卸をした人が確認したという目印に管理の上にラベルにシールを貼り、次に棚卸をする人はシールが貼られていない品物を探してチェックしてシールを貼ります。こうして棚卸対象の全ての品物にシールを貼り終えたら完了です。年度ごとにシールの色や形を変えておけば、他の年度との区別ができるため、便利です。
効率化する方法3:業務マニュアルの作成を行う
棚卸を効率化する方法の三つ目は、業務マニュアルを作成することです。棚卸を行う前に業務マニュアルを作成して、棚卸の重要性や手順を全体に周知させておくことで、実際の棚卸現場の混乱や時間のロスを減らすことができます。
一人で行う棚卸ならいいのですが、取り扱う商品や部品の規模が大きくなると人員も増えて、それぞれが勝手な判断で作業を行うとミスも増えていきます。その結果、棚卸終了後の集計にかかる時間も膨大なものになります。それを防ぐためにも業務マニュアルを作成して、誰が読んでもわかるようにしておく必要があります。
効率化する方法4:運用方法の見直しを行う
棚卸を効率化する方法の四つ目は、運用方法の見直しを行うことです。棚卸を効率よく行ってコスト削減に繋げるためにも棚卸の作業方法の見直しも必要です。棚卸の方法には、手入力、ハンディターミナルとバーコード、ICタグなどがあります。自社に適した棚卸の運用方法を選ばなくてはなりません。
効率化する方法5:在庫管理システムを導入する
棚卸を効率化する方法の五つ目は、在庫管理システムの導入です。在庫管理システムの基本的な機能は、入出庫の管理です。システムの導入により仕入や検品、商品の出荷時に在庫表に反映され、リアルタイムでの在庫管理が可能になります。
在庫管理システムには自社サーバーを導入して行うオンプレミス型とWebブラウザを介してクラウド上のデータベースなどを利用するクラウド型があります。また、在庫管理システムは生産管理や販売管理など他の業務システムと連動して使用されることもあります。どのような在庫管理システムを導入すれば自社の棚卸に適しているか、また業務の効率化が図れるかの見極めが重要です。
棚卸の注意点
棚卸で注意しなければならないことは作業範囲と責任の範疇を明確にすることです。また、棚卸は正確性も重要なポイントになります。棚卸を行う場合に業務を完全にストップできない店舗や工場などでは、棚卸を行わない範囲を決めておくことも必要です。そして、その範囲を分かるようにしておかなければなりません。また、会計上の仕掛品や固定資産の棚卸も忘れないように注意が必要です。
棚卸のタイミングはいつ?
売上の総利益は、売上高から仕入額などの売上原価を引くことで求められます。売上原価は、棚卸を行い資産を確定することで初めて正確な金額が確定しますが、そのためには期首棚卸高と期末棚卸高を理解する必要があります。
期首棚卸高と期末棚卸高
期首棚卸高とは前期に売れ残ってしまった在庫や資産の総額のことで、期末棚卸高とは当期の棚卸で確定した在庫や資産の総額のことです。つまり、期首棚卸高とは、前期の期末棚卸高ということになります。決算においては、この二つの数値を明確にする必要があります。
売上総利益の求め方
売上総利益を求めるために必要な売上原価は、期首棚卸高と当期に仕入れた在庫高から、期末棚卸高を減じることで正確な値が求められます。帳簿上の在庫数と、売上金額から売上総利益を求めることもできますが、帳簿上存在する在庫を紛失している場合や、保管状態が悪く商品価値を失っている場合もあります。正確な資産を確定させるためには、棚卸を行い、期首棚卸高と期末棚卸高を知る必要があります。
棚卸業務を効率化しよう
棚卸業務は毎年必ず実施する業務だからこそ、効率化することで大幅なコストダウンに繋がります。とは言え、会社の利益を確定させるための大事な業務ですから、正確さも重要です。
棚卸業務の正確さを保ちながら効率化するシステムを導入するなら、WorkVisionの販売管理システムを検討しましょう。あらゆる企業への導入実績から、現場ごとのニーズに対応可能です。
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