2020年01月31日
カテゴリ:財務会計
固定資産管理とは?
固定資産を保有する法人や企業は、固定資産税の償却資産に関する申告をおこなう必要があります。固定資産管理とは、会社の経理担当が固定資産を正確に把握し、スムーズに申告するために必要な固定資産の管理のことです。ちなみに固定資産とは、文房具などの事務用品以外のもので、販売する目的で保有していない社用車や機械設備など、一定の金額以上のもの(通常10万円未満のものは経費、10万円以上のものが主に固定資産)が該当します。
固定資産管理でするべき事5つ
固定資産管理はとても重要な業務のひとつですが、具体的にどのような作業があるのでしょう。一般的な流れや必要な書類の作成など、固定資産管理でするべきことを詳しくまとめましたので、ご紹介します。
するべき事1:償却費の計上
購入した資産の耐用年数に応じて減価償却費を算定します。算定したものを減価償却費として計上します。減価償却とは、時間の経過や使用頻度により、ものの価値が減少するような固定資産を購入した際に、支払額をその耐用年数に応じて費用計上していく会計処理を指します。(土地などの、時間経過や使用頻度で価値が減少しないものに関しては、減価償却資産に含まれません)
するべき事2:固定資産管理台帳の作成
保有する固定資産についての詳細内容を記載した「固定資産管理台帳」を作成します。固定資産管理台帳には、「固定資産番号」「取得年月」「使用部門」「管理部署」「固定資産の種別」「名称」「数量」「取得価格」などを正確に記載します。上記内容を固定資産管理台帳に記載しておくことで、それぞれの固定資産をいつ、どこで、いくらで購入したのかを、正確に把握することができます。
するべき事3:リース物件管理台帳の作成
固定資産に当てはまらない「リース物件」に関しては、固定資産管理台帳とは別に、リース物件管理台帳を作成します。リース物件管理台帳には、価格の代わりにリース料の毎月の支払額や、総額などを記載します。また、これら項目に加え「リース会社名」「リース期間」「リース契約番号」なども記載します。必要に応じて、リース回数や、再リースの有無などの項目も設けると良いでしょう。
するべき事4:各部署の固定資産の状況をチェックする
固定資産管理台帳を作成したら、実際に資産が管理されている現場に出向き、資産の状況と台帳の内容が合っているか照らし合わせます。現場判断で、不要になった資産を廃棄、または新たな資産を購入した際に、申告漏れがある可能性があります。固定資産の申告漏れで後々問題が発生する可能性があるので、必ず現場まで出向き、現物確認を実施しましょう。
するべき事5:固定資産の廃棄処理
機械設備の新設や購入以外にも、固定資産に登録されている機械設備を廃棄する際にも、廃棄にかかる処理が必要になります。機械や設備などの固定資産にも寿命があります。経年劣化、耐用年数に期限がきたものは、「廃棄処理」を行います。固定資産を廃棄する場合は、業者に引き取ってもらいます。また、廃棄ではなく「除去処理」というかたちで、社内に保管することも可能です。使用しなくなった機械を廃棄するにしろ、除去するにしろ、固定資産に登録されているものはすべて処理が必要です。
固定資産管理の3つのポイント
固定資産のなかには、金額が大きいものも多くありますので、思わぬ損失をしてしまわないためにも価額を正確に把握しておきましょう。経理担当の方がスムーズに業務を遂行できるように、固定資産管理におけるポイントを、大きく3つに分けて紹介したいと思います。
ポイント1:社内で確実にルールを共有
機械設備や社用車など、固定資産の数が多い大企業になってくると、固定資産管理を1人の経理担当者がおこなうのは困難です。その為、何人かのスタッフで手分けして管理するケースが多いです。その場合、適切な管理基準を設け、社内ルールとして共有することが求められます。ざっくりとした不充分な管理基準で、社内ルールが浸透していないような部署があると、固定資産管理台帳と、実際の現物に差異が発生してしまいます。その為、まずは一貫した明確な管理基準を設けて、社内で確実にルールを共有する必要があります。
ポイント2:徹底した現場での日常管理
固定資産管理は、現場の資産の管理状況と固定資産管理台帳に差異がないか、実際の現場に出向いて照合することが重要です。その為には、現場の日常管理を徹底するとともに、管理しやすい環境を整えることが大切です。社内ルールを教育し、必ず現場のリーダーまたは責任者クラスの作業者に、管理を依頼します。その際は、依頼した現場のリーダーまたは責任者が、分かりやすい固定資産一覧フォーマットを作成し、管理します。それと同時に、現場判断での固定資産の廃棄、または購入を避ける為、「固定資産廃棄時の申請書」「固定資産購入時の申請書」のフォーマットを作成します。作成したら、各部署に配布し、管理を徹底するよう教育しましょう。
ポイント3:固定資産管理のシステム導入を検討
固定資産の管理は、法で定められた国からの規定があります。その為、適切な管理方法を実施しなくてはなりません。しかし、固定資産管理は頻繁に法改正が行われ、管理方法が変更されることがあります。法改正の度に、新たなルールを勉強しないといけないのは、正直手間だと考える人も多いと思います。そんなときにオススメなのが「固定資産管理システム」です。固定資産管理システムは、法改正や環境の変化に対応して、固定資産の管理を手助けしてくれる管理システムです。また、償却費などの計算を、自動で行ってくれる機能を有したシステムもあり、とても便利です。その他にも、さまざまな便利な機能を有しているため、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
固定資産管理は管理しやすい仕組みを作ることで楽になる
固定資産管理で大切なことは、「固定資産管理の仕組み作り」と、「現場との共有」です。社内ルールを整備し、現場への教育はもちろんのこと、申請用紙の作成と申請方法など、あらゆることを現場と連携して行うことが重要です。管理しやすい仕組みを作り、現場とうまく連携できる体制を整えれば、固定資産管理をスムーズに行えるはずです。自分1人でやろうとせず、現場との仕組み作りからはじめることを意識しましょう。法改正への対応や、社内ルールの作成、またシステムの導入を検討される方は、まずは下記URL「WorkVisionのソリューション」ページを参考にしていただけると幸いです。
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