月次決算の目的5つとメリット3つ|年度決算の利益を早期に予測

2020年02月20日

カテゴリ:財務会計

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月次決算とは

月次決算とは、通常企業が年度末に行う決算を毎月実施することです。年度末に行う決算は、法人税などの支払いのために自社の財務状況を確認する目的で行いますが、月次決算は社内で営業成績や財務状況を把握するために行います。年度末の決算は日本の全企業が行う必要がありますが、月次決算はあくまでも社内で財務状況を把握するために行うものですので、必ず行う必要はありません。この記事では、月次決算の目的と月次決算を行うメリットについて紹介します。

月次決算の目的5つ

企業の取り組みには目的が必要とされ、その目的や実施する理由から外れる行動は無駄な仕事となる可能性が高く、自社の利益に繋がらなくなってしまいます。月次決算も同じで、毎月自社の財務状況を把握する目的を理解していなければ、無駄な仕事が増えてしまいます。そうならないために、ここで紹介する「月次決算の目的」をしっかりと理解しておきましょう。

月次決算の目的1:経営状態を早期に把握するため

月次決算を行う目的の1つとして、経営状態を早期に把握することが挙げられます。通常企業は1年ごとや、上場企業の場合は四半期ごとに決算を行います。しかし、それでは自社の売上・利益・事業運営上かかっているコストの把握が、3ヶ月毎・1年毎になり、自社の経営状況を把握するのに時間がかかります。一方で、月次決算を行えば、「気づかないうちにコストを使いすぎていた」「思っていた以上に売上が追いついていない」といったことに気づくのが早くなり、1年間の売上目標や目標の達成に向けた効果的な方法を早い段階で打てるようになります。

月次決算の目的2:進歩管理を行う

月次決算は、1年間の売上・利益目標に向けた進捗管理をよりリアルタイムに行うためにも必要です。四半期や年度末ごとの決算の目的は「1年間の業績の明確化と税金を納めること」ですが、月次決算の目的は、「1年間の経営目標達成に向けた進捗速度が適切かを把握すること」にもあります。これも1つ目の目的と同じように、早期に進捗の遅さを把握できれば、年間の目標を達成するために今何をすべきかを考え、残りの期間で効率的に目標達成する方法を考えられるようになります。

月次決算の目的3:年度決算の利益予測を早期に行うため

通常の決算では年度末に初めて明確になる利益額を、早めのうちに予測できるようにすることも、月次決算の目的の1つです。多くの場合、企業は第4四半期を迎えた時に翌年度の事業計画や目標を意識し始めますが、通常の四半期ごとの決算では、第4四半期が終わるまでその年度の売上・利益・コストを把握できません。しかし月次決算をすることで、第4四半期の途中でもその進捗が把握でき、今年度の目標達成に対する予測や、翌年度の目標を上方修正・下方修正すべきかの意思決定を早めに行うことが可能となります。

月次決算の目的4:精度の高い決算を行うため

精度の高い決算を行うことも月次決算の目的の1つです。年末の大掃除が大変になってしまうように、1年間(もしくは3ヶ月間)自社の財務状況の整理を放っておけば、その分その期間の財務整理には時間も手間もかかります。3ヶ月毎の決算でさえ、領収書の記載が不鮮明な時に「何のために使ったお金か」を思い出すのに時間がかかることもあります。月次決算はこうした問題を防ぐことにもなり、その月の売上や支出を正確に把握することができます。

月次決算の目的5:帳簿の整理を確実に行うため

月次決算によって、帳簿の整理を確実に行うことが可能となります。4つ目の目的に似ていますが、年度が終わった時に初めて領収書や契約書などを整理しようとすると、その資料の数も膨大になり、決算作業中にミスが生まれる可能性が高まります。そうなれば、自社の売上や利益を正確に把握できなくなり、事業規模が大きくなればなるほど、決算の期間を伸ばすことで財務処理の効率性・正確性が低くなります。その結果、本当に売上が上がっているのか、翌年度の目標を上げるべきかなどの判断が難しくなってしまいます。

月次決算のメリット3つ

3ヶ月・1年毎に行っていた決算業務を毎月やることは非常に手間がかかります。しかし、その手間をかけることで、ここから紹介する3つのメリットを得ることができます。ぜひ参考にしてみてください。

月次決算のメリット1:年度末や四半期決算にかかる手間を分散できる

1つ目のメリットは、年度末や四半期決算にかかえる手間を分散できるということです。経理部の従業員にとって決算期は、仕事に追われストレスが溜まるものです。正確に帳簿するために、各所に確認する手間も増えてしまいます。しかし、月次決算を行なえば、年度末に溜まってしまう決算の手間を分散できます。また、手間を分散させることで、決算期に多くなりがちな超過勤務が減り、働き方改革にも繋がります。

月次決算のメリット2:財務状況の現状把握や経営判断が早期にできる

2つ目のメリットは、財務状況の現状把握や経営判断が早期にできるということです。毎月の財務状況の現状把握が早期にできれば、1年間の売上や利益目標の進捗だけでなく、四半期ごとの進捗も把握できます。また、財務状況の現状把握が早期にできれば、その分経営判断や事業戦略・目標達成に向けた戦略の立て直しが早い段階で実現できるでしょう。企業にとって成長は必須事項なので、財務状況に基づいた効果的な戦略構築ができることは、より確実に・安定的に成長を続けることを可能にします。

月次決算のメリット3:金融機関からの融資が受けやすくなる

3つ目のメリットは、金融機関からの融資を受けやすくなるということです。企業は融資によって自社の資本金以上のお金を使えるようにすることで、より早く事業規模を拡大できますが、当然融資を受けるには事業の成長性と、財務状況の正確な把握が必要になります。年度の利益を早期に予測し、精度の高い確実な帳簿を提示することで、融資元の金融機関も財務面の不安が少なくなるため、スピード感を持って融資の意思決定ができるようになります。

月次決算の流れを把握しよう

「毎月決算をする」と聞くと、忙しい企業にとっては手間がかかるイメージで必要性を感じづらいかもしれません。月次決算は、慣れない企業にとっては難易度が高い手法ですが、安定的かつ継続的に企業を成長させることを考えると、取り入れるべき決算方法です。これから月次決算を始めようとしている方は、WorkVisionのシステムを導入してみてはいかがでしょうか。詳しくは下記リンクをご覧ください。

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