電子帳簿保存法を導入するための準備3つ|データ保存方法についても解説

2020年09月14日

カテゴリ:財務会計

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電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿書類に関し、電子データでの保存を認めた法律です。1998年に制定され、これまで書面で保管・管理していた国税関連書類を、パソコンなどでデータ保存できるようになりました。

IT化の加速で、現代ではほとんどの企業が会計処理に関する記録をデータ管理するようになりました。そうした時代の潮流が後押しする形で制定された法律ともいえるでしょう。

電子帳簿保存法を導入する際に必要なこと

電子帳簿保存法においては、企業は会計上の電子データをただそのまま保管すればよいというわけではなく、導入には一定の要件を満たす必要があります。紙での保存と比べ、電子データ保存で発生する懸念を解消するためのルールがあるのです。

具体的には「真実性の確保」と「可視性の確保」が求められます。電子データにおける懸念とはどういったものでしょうか。それぞれ解説していきます。

真実性を確保する

保存した記録が本物であることを明確にする必要があります。

例えば電子データを修正した場合、その記録が残せなければ改ざんの余地が生じてしまいます。通常の業務期間外の処理や修正の記録のほか、紙の帳簿があればセットで保存するなど、関連性が確認できるようにしておくことが定められています。

いずれも、データ管理で希薄になりがちな真実性を確保するためのルールで、電子帳簿保存法の導入にはシステムの対応が必要です。

可視性を確保する

保存した記録を誰でも見られる状態にする必要があります。

例えばパソコンで保存する場合、管理システムを誰でも使えるように操作マニュアルを備え付けることや、日付や金額などの項目で検索できることが必要です。

書類をペーパーレス化すると、どこにどの書類があるのかが分かりづらくなる懸念があります。電子化された書類をいつでも、誰でも簡単に探せて確認できるシステム化が求められます。

電子帳簿保存法を導入するための準備3つ

国税関連書類のデータ保管には税務署長の承認が必要で、導入には事前準備が不可欠です。

IT化が進んだ現代においても、電子帳簿保存法の導入に躊躇している企業は少なくありません。しかし、電子決裁やテレワークなどが急速に広がりを見せており、今後導入企業は拡大していくものと考えられます。

導入に向けて、ここまで解説した真実性の確保と可視性の確保はもちろん、手続き上のフローも理解しておきましょう。

電子帳簿保存法を導入する準備1:導入に必要な書類

電子帳簿保存法の導入には、税務署長の承認が必要です。申請書は「承認申請書」と会計システムの概要などを記した「添付書類」の2つがあります。

一口にデータ保存といっても、保存しようとする方法によっても申請書が分かれています。例えば電子データの場合は、国税関連帳簿と国税関係書類でも異なるので注意が必要です。

承認申請書は国税庁ホームページからダウンロード可能

電子帳簿保存法の導入に関連する各種承認申請書は、すべて国税庁のホームページからダウンロードできます。導入に伴う申請書類や、過去に紙で保管していた書類をスキャナで取り込んで電子保存する場合の専用申請書もダウンロード可能です。

ほか、申請内容の変更や、電子帳簿保存法を導入した後に取りやめる場合の申請書も、下記のサイトからダウンロード可能です。

電子帳簿保存法を導入する準備2:書類の提出先

電子帳簿保存法の導入に際し、申請書類は所轄の税務署長宛に提出します。

電子帳簿保存に関する相談や問い合わせは、提出先と同様に所轄の税務署で行なうと良いでしょう。もしくは国税局でも相談窓口が設置されています。

電子帳簿保存法を導入する準備3:提出する期限や手数料

税務署への申請は、データで書類を保存しようとする日の3か月前までに提出する必要があります。そのため、思い立ってすぐに導入することはできませんし、すでに電子帳簿システムを導入していたとしても、申請し承認が下りるまでは紙での保存が必要になります。

なお、申請に際しての手数料は不要です。

電子帳簿保存法でデータを保存する方法3つ

電子帳簿保存法でデータを保存するには3つの方法があります。ペーパーレスといっても保存方法は1つではありません。電子帳簿保存法では3つの保存方法が規定されています。

具体的にはマイクロフィルムによる保存、スキャナでの保存、そして電子データでの保存です。自社に適した保存方法を検討するとともに、保存方法によって申請する書類が異なるので注意しましょう。順に解説していきます。

電子帳簿保存法で保存する方法1:マイクロフィルム

マイクロフィルムとは正式には「電子計算機出力マイクロフィルム」のことを指し、イメージしやすくいうと写真フィルムのことです。もともと図書館で古文書などを保管するために採用された方法です。

CD-ROMなどの記憶媒体に比べ、改ざんが難しく耐久性も高いため、現在でも需要があるデータの保存方法です。自己発行した国税に関する帳簿書類すべてで認められています。

電子帳簿保存法で保存する方法2:スキャナ

すでに紙で保管している書類を電子化する方法としてスキャナ保存も認められています。これにより、紙媒体で保管していた書類も電子化できるため、保管場所や劣化の懸念を払しょくできます。

ただし、スキャナ保存では国税関連帳簿や決算書は現状認められていません。保存できるのは国税関連書類に限られますが、自己発行したものに限らず、受領書類もスキャナ保存が認められています。

電子帳簿保存法で保存する方法3:電子データ

パソコンなどで作成した書類を、そのまま電子データとして保管することも認められています。電子データもマイクロフィルム同様に、自己発行する国税に関するすべての帳簿書類に認められています。

パソコン内やサーバーなどにデータ保存することはもちろん、CD-ROMなどの記憶媒体に記録して保存することも認められています。

電子帳簿保存法でもデータの保存期間は7年

帳簿書類は税務上7年間の保管期間が必要ですが、電子データも同様の期間保存する必要があります。ただし、欠損金が発生する年度に関しては10年間の保存が必要で、これも紙保存と同様です。

保存期間は、これまで紙で保管していた帳簿書類を途中で電子データ化した場合、紙で保管していた期間と電子データで保存した期間を合わせて7年間経過すれば、保存期間は満了したことになります。

今後は規制が緩和される?

電子帳簿保存法はこれまでにも幾度かの改正がなされており、その度に業務の効率化が進んでいます。例えば、スキャナによる保存は2005年の法改正で初めて導入された方法で、それ以前は認められていませんでした。

近年ではスマホで撮影した写真も許可されるなど、時代に即した規制緩和がなされています。また、昨今の電子マネー普及もあり、今後も電子取引におけるデータ保存の規制緩和が期待されます。

電子帳簿保存法の導入を検討しよう

昨今の法改正から、多くの企業で電子帳簿保存法の導入が拡大しています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、オフィスには出勤せずにテレワークなどの新しい働き方が広がり、帳簿書類の管理もペーパーレス化がより求められているといえます。

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