大臣から小学生までみんなが考えた「ハンコ文化」のなぜ

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「知ってる??はんこってなんで押さなきゃいけないの?~日本のとくべつな文化~」。これは、公益財団法人図書館振興財団が主催する「第23回調べる学習コンクール」で、文部科学大臣賞を受賞した小学4年生の自由研究の作品テーマです。

作品は、ハンコとは何か、ハンコ普及の歴史と背景、ハンコ文化が残る理由など、様々な観点で整理されていますが、研究のきっかけとなったのは「ハンコがないとプールに入れない学校の決まりごと」に疑問を抱いたことでした。

ハンコは、宅配の受け取りや銀行口座の開設、婚姻届や出生届など、個人として利用する範囲が多岐にわたります。また企業でも、契約書や請求書、社内稟議書や各種の届出用紙など、承認や意思表示の手段として多目的に利用されています。

この記事では、日本にハンコ文化が定着した背景や課題、脱ハンコに有効となる企業のITツールなどを解説します。

ハンコは日本特有の文化である

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日本で最初のハンコと言えば、国宝に指定されている「漢委奴国王」の金印です。このハンコは、弥生時代(西暦57年)に存在していたと推定されています。

ハンコは日本特有の文化であり、ハンコに関わる用語は数多く存在します。

すぐに連想できるものでも、認印、実印、印章、判子、印鑑、印影、半、押印(記名押印)、捺印(署名押印)、割印、捨印、届出印、訂正印など、ハンコ自体を指すものや、ハンコの使い方を指すものなど様々です。これは、ハンコが長年にわたり文化として定着していた実態の裏付けと言えるでしょう。

なぜ日本にハンコ文化が定着したのか

公益社団法人全日本印章業協会の運営するWebサイト「印章博物館」で、ハンコの普及は明治6年(1873年)に発せられた太政官布告(法令)に起因していることが紹介されています。

この太政官布告に「実印が捺されていない公文書は裁判において認められない」ことが明記されたことで、法的に実印の重要性が確立し、社会に実印や認印が普及することとなりました。

なお、当時の政府は欧米の慣習である「サイン」の併用も検討していたようですが、日本の社会に馴染まず、その後は印章を最重視する社会的慣習が定着していきました。

なぜビジネスシーンにハンコが普及したのか

ハンコ文化が脈々と受け継がれてきた日本では「書面、押印、対面」を基準とする行政手続や商慣行が根付き、登録を必要としない安価な認印(三文判)が普及しました。

認印は、契約書などの書類上において実印と同じ捺印効力を持っているため、自身が確認した証としてビジネスシーンにも広く普及し、令和の時代を迎えます。

認印は、請求書や社内書類への押印にも頻繁に使用され、今なおオフィス利用として購入した認印を机の引き出しに保管している従業員が大半であると推測されます。

承認を依頼する上長に対して、「申請内容を承認してください」ではなく「ハンコをください」という社内敬語が定着している企業も多いのではないでしょうか。

ハンコ文化の中で、企業には様々な課題が生じていた

しかし、ハンコ文化の定着に伴い、企業には様々な課題が生じてきました。

企業の課題1.稟議書・申請書の決裁遅延

企業活動では、計画の実行に必要となる書類を作成し、関係者に回付して承認を得ることが必要となります。回付は、担当者、上長、組織長、事業部長、経理責任者、役員などの順番が定められていることが一般的です。

ハンコ文化の企業では、各承認者が稟議書に押印して次の承認者に回付することになります。回付の過程で承認者が不在である場合は、そこで承認がストップしてしまい決裁が遅延することが多々あります。

これは交通費などの経費精算も同様です。申請用紙には上長の押印が必要となるため、上長が不在の場合は経費締め日に間に合わず、入金時期が遅れてしまうことがあります。

企業の課題2.テレワークの障害

新型コロナウイルス感染症対策として多くの企業が導入したテレワークは、働き方の新しいスタイルとして定着傾向にありますが、テレワークの障害となっていた業務のひとつが契約書への押印です。

それは、上司は押印のための出社が、担当者は押印された契約書に収入印紙を貼るための出社が必要となることが原因です。

契約先の担当者も、郵送されてくる契約書を受け取るために出社が求められます。押印返送が必要となる契約書であれば、契約先の上長も出社が必要となります。

脱ハンコの動きが加速

2020年7月、内閣府、規制改革推進会議、経団連など四経済団体の連名で「書面、押印、対面」を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言が発出されました。

これは、デジタル時代に向けて押印廃止や書面の電子化を実現するために、従来の規制・制度や慣行の見直しを進めるもので、「書面、押印、対面」を必要とする行政手続や商慣行をデジタル技術の積極活用によって速やかに再構築することなどが明記されています。

その後、デジタル改革関連法が国会で可決され、行政手続きにおける押印義務の見直しが進むなど、日本のハンコ文化は大きく変わろうとしています。

その先進例が、金印の出土地である福岡市の取り組みです。福岡市では、市に提出される申請書など4700種類のうち、令和2年9月段階で3800種類の脱ハンコ化を全国に先駆けて実現しています。これにより、市民の申請手続きの負担が大幅に軽減されました。

この取り組みは全国に広がりを見せており、内閣府は地方公共団体が脱ハンコに取り組むときの推進体制、作業手順、判断基準等を示すマニュアルを公表しています。

脱ハンコに有効となる企業のITツール

前述の「書面、押印、対面」を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言には、民間の商慣行等の見直しも含まれています。

企業において「書面、押印、対面」が定着している業務には対外的なものと社内的なものがありますが、取引先との協調や経営者のリーダーシップで、脱ハンコとペーパーレスを進める取り組みが求められています。

現在、脱ハンコの有効手段として普及が進むITツールとしては「電子契約サービス」や「電子決裁システム」などが挙げられます。

脱ハンコに有効なツール1.電子契約サービス

ハンコと紙をクラウドに置き換えることで、契約作業をオンラインだけで完結できるサービスです。WorkVisionは「クラウドサイン」を提案しています。

クラウドサインは、クラウド上にアップロードした契約書に取引先が合意ボタンを押すだけで契約の締結ができます。契約書には収入印紙を貼付する必要がなく、クラウドサインのみが発行可能な電子署名が付与され、真正な書類の判別が可能です。

クラウドサインを利用することで、押印、収入印紙の貼付、郵送や受取など、オフィスにいなければできなかった業務から解放され、テレワークでの契約締結が実現します。

また、用紙や印刷コスト、収入印紙や郵送コストに加え、通勤時間を含む人的コストを削減することができ、契約書類の紛失などのリスク低減にも有効です。

脱ハンコに有効なツール2.電子決裁システム

申請書の紙を回付して押印を行う承認業務のフローを電子化するシステムです。

テレワークでも申請や承認が可能であるため、決裁遅延を解消できると共に、通勤時間を含む人的コスト、用紙や印刷コストの削減にも有効です。

交通費などの経費精算では、会計システムとのデータ連携で素早い申請と承認、支払処理を実現できます。

企業の脱ハンコへの取り組みは押印のための出社を不要とし、テレワークの拡大・定着など、ニューノーマル時代における生産性の向上にも有効です。

脱ハンコと連動するペーパーレス化

この記事では、ハンコ文化が定着した背景や課題、脱ハンコに有効となる企業のITツールなどを解説してきました。

企業活動における脱ハンコは、業務効率化や生産性向上に有効です。また、収入印紙や郵送コストに加え、通勤時間を含む人的コストを削減することも可能です。

また、脱ハンコを進めるうえで深く連動するのがペーパーレス化です。運用業務の電子化を検討している企業は、以下のWebサイトを参考としてください。

重要な契約に使用する印章は今後も変わらず必要

脱ハンコとは、手続きの簡素化、電子化等により押印を不要とする政府の施策です。社会全体のデジタル化で、一層の生産性向上と経済活性化を図るために重要なこととして進められています。

但し、印鑑証明が必要とされる手続きは今後も存続します。実印や銀行印など重要な契約に使用する印章は今後も変わらず必要となりますのでご注意ください。

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