従業員エンゲージメントとは?推進によるメリットや測定指標、具体的な施策について解説

2025年12月12日

カテゴリ:総務

従業員エンゲージメントとは、従業員が企業に対して抱く貢献意欲や信頼関係を指す言葉です。

この記事では、エンゲージメントの向上に不可欠な基礎知識から、現状を把握するための測定指標、そして実具体的な向上施策までを網羅的に解説します。

自社の組織課題を解決し、持続的な成長を実現するためのヒントとしてご活用ください。

INDEX

従業員エンゲージメントとは|企業と従業員の成長につながる信頼関係のこと

従業員エンゲージメントとは、従業員が企業の掲げるビジョンや戦略に共感し、その達成に向けて自らの力を発揮したいと考える意欲や熱意を意味します。

これは、会社から与えられる待遇への満足度とは異なり、企業と従業員が互いの成長に貢献し合う、双方向の深い信頼関係を示す概念です。

従業員のエンゲージメントが高い状態は、個人の働きがいを高めるだけでなく、会社全体の生産性や業績向上にも直結するため、現代の企業経営において非常に重要な要素と位置づけられています。

従業員エンゲージメントを構成する3つの要素

従業員エンゲージメントは、単一の感情や状態ではなく、複数の要素が組み合わさって構成されています。

一般的に、エンゲージメントは「理解度」「帰属意識」「行動意欲」という3つの要素から成り立っているとされます。

これらの要素がそれぞれ高いレベルで満たされることで、従業員のエンゲージメントは真に強固なものとなります。

ここでは、エンゲージメントを支える3つの柱について、それぞれ具体的に解説します。

企業のビジョンや戦略への深い理解

従業員エンゲージメントの基盤となるのは、従業員が自社のビジョンや経営戦略、事業の方向性を正しく深く理解している状態です。

自分が担当する業務が、会社の大きな目標達成に向けてどのように貢献しているのかを明確に認識することで、仕事に対する意義や目的意識が生まれます。

この理解がなければ、従業員は日々の業務をただこなすだけになり、自発的な行動にはつながりにくいでしょう。

企業側はビジョンや戦略を一方的に伝えるだけでなく、従業員一人ひとりが自分事として捉えられるよう、繰り返し具体的に発信する取り組みが求められます。

組織の一員であるという強い帰属意識

従業員が「この会社の一員として働き続けたい」と心から感じている状態、それが帰属意識です。

この意識は、組織の文化や風土、共に働く仲間との良好な人間関係、そして自社が提供する商品やサービスへの誇りなど、様々な要因によって育まれます。

帰属意識が高い従業員は、組織の一員としての自覚を持ち、困難な状況においてもチームで協力して乗り越えようとします。

逆にこの意識が低いと、些細なきっかけで離職を考えやすくなるため、企業は従業員が組織とのポジティブなつながりを実感できるような環境づくりに注力すべきです。

自発的な貢献意欲と行動

企業のビジョンへの理解と組織への帰属意識が高まった結果として表れるのが、具体的な行動です。

これは、与えられた職務をただこなすだけでなく、より良い成果を出すために自ら課題を発見し、改善策を考え、積極的に行動する意欲を指します。

例えば、業務効率化のための新しいアイデアを提案したり、部署の垣根を越えて他者と協力したり、自身の専門性を高めるためにスキルアップに励んだりといった行動がこれにあたります。

このような従業員の自発的な貢献は、個人の成長を促すとともに、組織全体のイノベーションや生産性向上に直接結びつく重要な要素です。

混同しやすい関連用語との意味の違い

「従業員エンゲージメント」は、人事領域で使われる他の用語と意味が混同されやすい側面があります。

例えば、「従業員満足度」や「モチベーション」「ロイヤリティ」といった言葉は、エンゲージメントと関連が深いものの、それぞれ焦点となる概念が異なります。

これらの用語との違いを正確に理解することは、自社の組織課題を的確に捉え、適切な対策を講じる上で不可欠です。

ここでは、エンゲージメントと混同されがちな代表的な用語との違いを明確に解説します。

「従業員満足度」との違いは何か?

従業員満足度は、給与や福利厚生、労働時間、職場環境といった会社から提供される待遇面に対する従業員の満足の度合いを示す指標です。

これは従業員が受け身の立場で評価するものであり、従業員満足度が高くても、それが必ずしも業績への貢献意欲に直結するとは限りません。

一方、従業員エンゲージメントは、従業員が企業の目標達成に自発的に貢献しようとする能動的な意欲を指し、企業と従業員の双方向の関係性に基づいています。

従業員満足度はエンゲージメントの土台の一部となり得ますが、満足しているだけでは企業の成長を牽引する力とはならず、貢献意欲を伴うエンゲージメントとは明確に区別されます。

「モチベーション」との違いは何か?

モチベーションは、個人が何らかの行動を起こすための動機づけや意欲そのものを指す言葉です。

その源泉は、昇進や報酬といった外的な要因から、自己成長や達成感といった内的な要因まで様々です。モチベーションは個人の内面的な心理状態に焦点を当てており、その意欲が向かう先は必ずしも所属企業とは限りません。

これに対して、従業員エンゲージメントは、その意欲やエネルギーが所属する企業の成功や成長という明確な方向性を持っている状態を指します。

つまり、個人と組織のベクトルが一致している点が大きな違いであり、高いモチベーションはエンゲージメントを構成する一要素と位置づけられます。

「ワークエンゲージメント」との違いは何か?

ワークエンゲージメントは、主に心理学や組織行動論といった学術的な文脈で用いられる概念で、個人の「仕事そのもの」に対するポジティブで充実した心理状態を指します。

「熱意」「没頭」「活力」の3つの要素で構成され、仕事への没入感や働きがいといった、従業員個人の心理面に焦点が当てられています。

一方、従業員エンゲージメントは、個人と「組織(企業)」との関係性に重きを置く概念です。従業員が組織の方向性に共感し、その一員として貢献したいという意欲を持つ点が特徴です。

ワークエンゲージメントは、従業員エンゲージメントを構成する重要な要素の一つですが、従業員エンゲージメントはより広範な組織との結びつきを含む概念と言えます。

「ロイヤリティ」との違いは何か?

ロイヤリティは、従業員が企業に対して抱く「忠誠心」を意味します。

この言葉は、伝統的な主従関係や終身雇用制度を背景としており、企業の指示や方針に対して従順に従うという、やや一方的なニュアンスを含みます。

企業が従業員の生活を保障し、従業員がそれに報いるという関係性が根底にあります。

対照的に、従業員エンゲージメントは、企業と従業員が対等なパートナーとして、互いの成長に貢献し合う双方向の関係性を前提としています。

従業員は企業のビジョンに共感するからこそ自発的に行動するのであり、単なる忠誠心とは異なる、より主体的で能動的な関与が特徴です。

ロイヤリティは関係の継続性に重きを置くのに対し、エンゲージメントは貢献の質を問います。

「コミットメント」との違いは何か?

コミットメントは、従業員が組織に対して抱く「愛着」や「関与」の度合いを指し、組織に留まりたいという継続的な意思や、組織の目標達成に対する責任感を意味します。

これは従業員エンゲージメントと非常に近い概念ですが、焦点にわずかな違いが存在します。

コミットメントは「組織への帰属意識」や「責任感」といった側面に重きを置くのに対し、エンゲージメントはそれに加えて、仕事に対する「熱意」や「誇り」、「活力」といったポジティブな心理状態や、自発的な貢献行動までを含む、より広範で能動的な概念と捉えられます。

コミットメントはエンゲージメントの重要な構成要素であり、その基盤をなすものと考えることができます。

従業員エンゲージメントが今、重要視される3つの理由

近年、多くの企業経営者や人事担当者が従業員エンゲージメントに注目しています。

その背景には、終身雇用の崩壊や人材の流動化、そして働き方に対する価値観の多様化など、企業を取り巻く環境の劇的な変化があります。

変化の激しい時代において企業が持続的に成長し、競争優位性を確立するために、なぜ今エンゲージメントが不可欠とされるのか。ここでは、その主な理由を3つの観点から解説します。

働き方の価値観が多様化しているため

終身雇用が当たり前ではなくなり、個人のキャリア観や仕事に求めるものは大きく変化しました。

かつてのように高い給与や安定性だけが重視されるのではなく、仕事のやりがい、自己成長の実感、社会への貢献、ワークライフバランスなど、従業員が働く上で大切にする価値観は多岐にわたっています。

このような状況下で、企業が画一的なマネジメントや金銭的報酬のみに頼っていては、多様な従業員の意欲を引き出し、能力を最大限に発揮させることは困難です。

従業員エンゲージメントの向上は、こうした多様な価値観に応え、一人ひとりが主体的に働ける環境を整えるための鍵となります。

優秀な人材の獲得競争が激化しているため

少子高齢化に伴う労働人口の減少は、多くの業界で深刻な人材不足を引き起こしており、優秀な人材の獲得競争はますます激しくなっています。

特に、専門的なスキルを持つ人材や、将来の組織を担うリーダー候補の確保は、企業の競争力を左右する死活問題です。

従業員エンゲージメントが高い企業は、従業員が生き生きと働いている魅力的な職場として外部に認識されやすく、採用活動において大きなアドバンテージとなります。

また、エンゲージメントの高い従業員が自らの知人や友人に自社を推薦するリファラル採用も促進されます。

採用市場における企業のブランドイメージを高め、人材獲得競争を勝ち抜く上で、エンゲージメントの向上は不可欠な戦略です。

企業の持続的な成長に不可欠なため

先行きが不透明で変化の激しい現代において、企業が持続的に成長を遂げるには、市場の変化に迅速に対応し、常に新しい価値を創造し続ける必要があります。

そのためには、経営層からのトップダウン指示を待つだけでなく、現場の従業員一人ひとりが自律的に考え、主体的に行動する組織文化が不可欠です。

従業員エンゲージメントが高い組織では、従業員が当事者意識を持って業務に取り組み、積極的に改善提案やイノベーション創出に貢献することが見込まれます。

こうした主体的な行動の積み重ねが、組織全体の生産性や問題解決能力を高め、結果として企業の持続的な成長を支える強力な原動力となるでしょう。

従業員エンゲージメントを高めることで企業が得られる4つのメリット

従業員エンゲージメントを高めるための取り組みは、職場の雰囲気を良くするだけでなく、企業経営に対して直接的かつ多岐にわたるプラスの効果をもたらします。

従業員が自らの仕事に誇りを持ち、会社の成功に自発的に貢献するようになると、組織の様々な側面で好循環が生まれます。

ここでは、従業員エンゲージメントを高めることで企業が得られる、代表的な4つのメリットを具体的に紹介します。

人材の定着率が向上し離職を防ぐ

従業員エンゲージメントが低い状態では、従業員は会社への帰属意識や仕事へのやりがいを感じられず、より良い条件や環境を求めて離職しやすくなります。

離職率の上昇は、採用や教育に投じたコストの損失だけでなく、残された従業員の業務負荷増加やモチベーション低下を招き、さらなる離職につながる負のスパイラルを生む危険性もはらんでいます。

一方、エンゲージメントが高い従業員は、自社で働き続けることに価値を見出しており、定着率が向上する傾向にあります。

これにより、企業は貴重な人材の流出を防ぎ、組織内に知識やノウハウを安定的に蓄積することが可能になります。

生産性が向上し企業の業績アップにつながる

エンゲージメントが高い従業員は、自身の仕事に誇りと責任感を持ち、与えられた役割以上の貢献をしようと自発的に行動します。

業務効率化のための改善提案や、新たなスキルの習得にも意欲的であるため、一人ひとりの生産性が向上します。

また、チームや組織全体の目標達成に対しても当事者意識を持つため、部署間の連携がスムーズになり、組織全体のパフォーマンスも高まります。

こうした個人と組織の生産性の向上が積み重なることで、最終的には売上や利益といった企業全体の業績向上につながります。

顧客満足度の向上に貢献する

従業員エンゲージメントは、顧客満足度と密接な相関関係にあります。

自社の商品やサービスに誇りを持ち、仕事に熱意を持って取り組む従業員は、顧客に対して質の高いサービスを提供する傾向が強いです。顧客が抱える課題を深く理解し、その解決のために親身に対応しようとする姿勢は、顧客からの信頼を獲得し、満足度を高めることにつながります。

特に、営業職やサービス提供者、カスタマーサポートなど、顧客と直接接点を持つ従業員のエンゲージメントは、顧客体験に大きな影響を与えます。

従業員のポジティブな姿勢が顧客に伝わることで、リピート率の向上や良好な口コミの拡散も期待できます。

組織内の協力体制が強化される

従業員エンゲージメントが高い組織では、従業員が会社のビジョンや目標という共通の目的に向かって一体感を持ちやすくなります。

自分の業務が組織全体にどのように貢献しているかを理解しているため、部署や役職の垣根を越えた自発的な協力が生まれやすくなるのです。

個人の成果だけでなく、チームや組織全体の成功を重視する風土が醸成され、情報共有や相互のサポートが活発に行われるようになります。

このような強固な協力体制は、複雑な課題の解決や新たなプロジェクトの推進において大きな力となります。組織内の一体感を高め、円滑な連携を実現する上でも、エンゲージメントの向上は重要な役割を果たします。

自社の現状を可視化する|従業員エンゲージメントの測定方法

従業員エンゲージメントを効果的に向上させるためには、まず自社の現状を客観的に把握し、課題を正確に特定することが不可欠です。

勘や経験則に頼るのではなく、適切な調査方法を用いてデータを収集・分析し、組織の状態を可視化する必要があります。

そのための代表的な手法が、定期的なエンゲージメントサーベイの実施です。近年では、調査から分析、改善アクションの提案までをサポートする専門のツールも多数提供されており、多くの企業で活用されています。

エンゲージメントサーベイで現状を把握する

エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメントレベルを定量的に測定するために実施されるアンケート調査のことです。

このサーベイでは、組織への共感、仕事への熱意、成長機会、人間関係、経営陣への信頼など、エンゲージメントに影響を及ぼす様々な要因について多角的な質問が設計されます。

サーベイを定期的に実施することで、組織全体のエンゲージメントレベルの推移を時系列で把握できるだけでなく、部署別、役職別、年代別といった属性ごとに結果を分析し、具体的な課題を特定することが可能になります。

また、匿名のアンケート形式で実施することにより、従業員が本音を回答しやすくなります。

サーベイで確認すべき主要な測定指標

エンゲージメントサーベイでは、総合的なエンゲージメントレベルを示す「エンゲージメントスコア」を主要な指標として用いるのが一般的です。

このスコアは、eNPS(従業員推奨度)、総合満足度、継続意向といった複数の核心的な質問から総合的に算出されます。

特にeNPSは、「現在の職場を親しい友人や知人にどの程度勧めたいか」という質問から算出され、組織への愛着度を測る代表的な指標として広く用いられています。

これらに加え、「仕事のやりがい」「人間関係」「評価制度」「成長機会」「経営方針への共感」といった個別の項目ごとのスコアも重要です。

これらの指標を多角的に分析することで、自社の強みと弱みを具体的に把握し、優先的に取り組むべき課題を明らかにできます。

従業員エンゲージメントを向上させる具体的な施策7選

従業員エンゲージメントを測定し、自社の課題を特定した後は、それを高めるための具体的な施策を実行に移すフェーズに入ります。

有効な施策は、経営層からのメッセージ発信、人事制度の見直し、職場環境の整備、コミュニケーションの活性化など多岐にわたります。

重要なのは、特定された課題に合わせて適切な施策を組み合わせ、一度きりで終わらせずに継続的に取り組むことです。

ここでは、従業員エンゲージメントを高めるために多くの企業で実践されている、代表的な7つの施策を紹介します。

企業のビジョンやパーパスを明確に伝え浸透させる

従業員が自社の目指す方向性に共感し、自身の仕事に意義を見出すためには、企業のビジョンやパーパスが明確に定義され、組織全体に浸透していることが大前提となります。

経営層は、全社会議や社内報、動画メッセージなど、様々なチャネルを通じて繰り返しビジョンを発信し続ける必要があります。

さらに、管理職が部下との日常的な対話の中で、日々の業務とビジョンとのつながりを具体的に説明することも極めて重要です。

ビジョンが単なる壁に飾られたスローガンで終わらず、従業員一人ひとりの行動指針となるレベルまで浸透して初めて、組織としての一体感が生まれ、エンゲージメントが向上します。

従業員一人ひとりの成長を支援する機会を提供する

従業員が「この会社で働き続けることで自分は成長できる」と実感できることは、エンゲージメントを高める上で非常に強力な動機付けとなります。

そのため、企業は従業員のキャリア志向やスキルレベルに応じた、多様な成長機会を提供する必要があります。

具体的な施策としては、階層別研修や専門スキル研修の実施、資格取得支援制度の導入、挑戦的な業務やプロジェクトへの抜擢、社内公募制度によるキャリアチェンジの機会提供などが挙げられます。

また、上司が部下のキャリアプランについて定期的に話し合い、個々の成長を後押しする姿勢を示すことも欠かせません。
従業員が成長を実感できる環境は、学習意欲と貢献意欲を同時に引き出すことが可能です。

公平で納得感のある人事評価制度を構築する

人事評価制度は、従業員のモチベーションや会社への信頼感に直接影響を与える、エンゲージメントの根幹をなす要素です。

評価基準が曖昧であったり、評価プロセスが不透明であったりすると、従業員は不公平感を抱き、エンゲージメントは著しく低下してしまいます。

納得感のある評価制度を構築するためには、まず評価項目や基準を明確に定義し、全従業員に公開することが求められます。

また、期初に目標設定面談、期末にフィードバック面談を実施し、上司と部下が評価について十分にすり合わせる機会を設けることも重要です。

成果だけでなく、プロセスや挑戦した姿勢も評価に加えるなど、従業員の納得感を高める工夫が不可欠です。

心理的安全性が高い職場環境を整備する

心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや意見を、他者からの拒絶や不利益を受ける心配なく、安心して発言できる状態を指します。

心理的安全性が高い職場では、従業員は失敗を恐れずに新しいことに挑戦したり、建設的な意見交換を活発に行ったりすることが可能です。

これにより、イノベーションが促進され、チームとしての学習能力も高まります。

心理的安全性を確保するためには、経営層や管理職が率先して多様な意見を歓迎する姿勢を示し、ハラスメントを許さない毅然とした態度を取ることが重要です。

従業員が互いを尊重し、安心して働ける環境は、エンゲージメントの土台となります。

上司と部下の円滑なコミュニケーションを促進する

従業員のエンゲージメントに最も大きな影響を与える存在の一つが、直属の上司です。

上司と部下の関係性が良好で、円滑なコミュニケーションが取れている職場では、エンゲージメントが高まる傾向にあります。そのための有効な手法として、定期的な1on1ミーティングの導入が挙げられます。

1on1では、業務の進捗確認だけでなく、部下のキャリアの悩みやコンディションにも耳を傾け、信頼関係を構築することが目的です。
上司からの適切なフィードバックや承認は、部下の成長実感と貢献意欲を高めます。

会社として管理職向けのコーチング研修を実施し、部下のエンゲージメントを高めるマネジメントスキルを育成することも重要です。

ワークライフバランスを尊重した働き方を推進する

従業員が心身ともに健康で、仕事と私生活を両立できる環境は、長期的に高いパフォーマンスを発揮するための基盤となります。

長時間労働の是正や有給休暇取得の促進はもちろんのこと、テレワークやフレックスタイム制度の導入など、従業員が自律的に働き方を選択できる環境を整備することは、エンゲージメント向上に大きく寄与します。

企業が従業員のワークライフバランスを尊重する姿勢を明確に示すことで、従業員は会社から大切にされていると感じ、会社への信頼感や愛着を深めます。

また、多様なライフステージにある従業員が働き続けやすい環境は、ダイバーシティの推進にもつながり、組織全体の活性化をもたらします。

従業員の貢献を正当に評価し称賛する文化を醸成する

従業員は、自分の仕事や会社への貢献が周囲から認められていると感じたときに、大きなやりがいや誇りを感じ、エンゲージメントが高まります。

この「承認」は、金銭的な報酬だけでなく、非金銭的な形でも示すことが非常に重要です。

例えば、上司が部下の良い働きを具体的に褒める、同僚同士で感謝の気持ちを伝え合う「サンクスカード」のような仕組みを導入する、社内表彰制度を設けるなど、貢献を可視化し、称賛する文化を組織全体で醸成することが求められます。

日常的な承認や称賛の積み重ねが、従業員の自己肯定感を高め、さらなる貢献意欲を引き出す良いサイクルを生み出します。

まとめ

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員が相互に信頼し、共に成長を目指す関係性のことであり、企業の持続的な成長に不可欠な経営指標です。

働き方の価値観の多様化や人材獲得競争の激化といった社会背景から、その重要性はますます高まっています。

エンゲージメントの向上は、離職率の低下や生産性の向上、さらには顧客満足度の向上など、企業経営に多くのメリットをもたらします。

自社のエンゲージメントを高めるためには、まずサーベイなどを活用して現状を正確に把握し、課題を特定することが第一歩です。

その上で、ビジョンの浸透、成長機会の提供、公正な評価制度の構築、良好なコミュニケーションの促進など、自社の状況に合わせた施策を継続的に実行していく必要があります。

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