2020年04月13日
カテゴリ:販売管理
滞留在庫とは
滞留在庫とは、今後売れる可能性が低い、需要の無い商品のことを指します。倉庫に眠ったままの商品であっても、売れる可能性があれば余剰在庫と呼ばれます。値下げなどの販促活動を行っても売れない商品、パッケージや商品自体に傷や汚れがある不良在庫、食品であれば賞味期限が迫っているものなども滞留在庫です。滞留在庫は、会計処理上の損失となるのはもちろん、保管・管理に関わる人件費などのコスト増の問題にも繋がります。
滞留在庫が増える原因4つ
商品が生産され消費者が購入するまで、もしくは、購入されずに滞留在庫となるまでの流通経路が追跡可能な状態であることをトレーサビリティと呼びます。滞留在庫の原因を考える上では、トレーサビリティが取れていることが大前提となります。その上で、生産過程、販売方法、商品管理の状況、マーケティング手法を調査すると、滞留在庫の原因が見えてくるはずです。
滞留在庫が増える原因1:仕入個数を多めに発注してしまう
最初に疑うのは、発注数が多すぎる可能性です。単純な数量ミスが原因となることもありますが、天候や災害、一過性のブームなどの社会的影響など、商品の販売可能数は外的要素で増減します。発生した滞留在庫が、発注時のミスや、予測可能な要因を見逃していたことが原因なら、なぜそのような結果となったのかを解明しておく必要があります。
滞留在庫が増える原因2:製造・販売・経理部門との連携がとれていない
同じ社内でも、製造・販売・経理ではそれぞれで商品在庫に対する考え方が異なります。大切なのは、それぞれの部門間でコミュニケーションをとり、市場の状況を見極めて在庫を管理することです。製造部門では、作っても売れ行きが悪ければ無駄な業務を行うことになってしまいますから、製造数を増やすことに関しては消極的です。一方経理では、商品が売れるのであれば製造を強化したいと考えますが、滞留在庫のリスクも知っているため、基本的には慎重です。これに対して、販売を担当する部門では、品切れによる機会損失を防ぐためにも、多めに発注し余剰在庫を確保しておきたいと考えます。各部門それぞれが単独で行動してしまうと、適切な在庫管理はできません。
滞留在庫が増える原因3:マーケティング活動がおろそかである
在庫数が適正であっても、マーケティング活動がおろそかであれば、最終的に滞留在庫となる可能性もあります。食品をはじめとする、賞味期限がある商品はもちろんですが、多くの商品は時節に応じたトレンドが存在します。売れるべき時期を逃した商品は、一定の期間が経過すると滞留在庫になる可能性があるのです。そのため、売れるべき時期に適切なマーケティング活動を行うことが必要です。もちろん、仕掛ける販促活動は、販売・製造・経理とも共有することが大切です。
滞留在庫が増える原因4:在庫の保管場所が整理されていない
余剰在庫の保管場所が整理されておらず、簡単にピックアップできない状況になると、売り場への展開が滞り、滞留在庫となる場合もあります。商品数が多くなると、余剰在庫も増えるため、在庫管理も煩雑になります。売り上げを優先するため、売り場面積に対して倉庫面積が狭いことも多く、整然とした倉庫にすることが物理的に難しいこともあります。在庫の保管場所が原因で滞留在庫が発生しているのであれば、倉庫の管理も見直す必要があるでしょう。
滞留在庫を破棄しても良い?破棄する効果2つ
余剰在庫が滞留在庫となった場合、破棄処分してしまった方がメリットが大きくなる場合があります。値下げやプロモーションなどで少しでも在庫を消化できるのであれば、それも一つの方法です。また、商品によっては買い取りを行っている企業も存在します。もちろん、それらにかかる人件費などの諸費用を差し引いて考える必要があります。
滞留在庫を破棄する効果1:税金の支払い額が減る
税金は売り上げの中でも利益となった金額を基準として発生しますが、算出時には抱えている在庫もすべて資産として計上され、税金額に影響します。棚卸で確定した在庫は、会社の資産として価値が認められてしまいますから、在庫が増えれば増えるほど、税金は増えていくことになります。これは滞留在庫も例外ではありません。利益を生む可能性がない上に、その分の税金もかかってしまうのです。そのため、廃棄した方が税金を抑えられ、結果的にメリットが大きい場合があります。
滞留在庫を破棄する効果2:キャッシュフローが確保できる
滞留在庫を廃棄するというのは、資産を捨てることと同じです。ですから、それによってキャッシュ(現金)が増えることはありません。ですが、滞留在庫を廃棄すれば、税金が少なくなることで、支払うべきキャッシュが少なく済むのです。結果として、キャッシュを多く確保することができ、安定した経営に繋がります。売れる可能性の低い滞留在庫を持ち続けるよりも、キャッシュフローを確保し、経営を健全化したほうがメリットが大きい場合があります。
滞留在庫が増える原因を探ろう
滞留在庫が発生しても、要因が明らかでない場合、原因がどこにあるのか曖昧なままにしていないでしょうか。滞留在庫が発生した場合、その原因について追究することが大切です。原因が判明したら、滞留在庫を抑制させるための方法を考えましょう。販売管理システムの導入やリニューアルを検討されているのであれば、WorkVisionに相談してください。在庫管理が難しいロット管理にも対応し、ケースバイケースで最適の管理方法を提案しています。
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