健康経営を導入すべき背景とメリット6つ|上手に運用するための取り組み方も紹介

2020年08月13日

カテゴリ:総務

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健康経営の取り組みとその仕組みとは?

健康経営®とは、従業員の健康管理を経営という視点でとらえ、計画を立てて実行していくマネジメントを指します。

従業員の健康管理を徹底し、従業員の活力とモチベーションを高めることは、生産性の向上や企業イメージアップなどのメリットがあります。逆に、従業員の健康に関心がない企業は、従業員の健康を維持できず、生産性の低下を招いたりします。

経済産業省が導入した、「健康経営優良法人認定制度」が導入され、健康経営優良企業の「見える化」も促進されました。

健康経営に取り組むようになった背景

国が健康経営に取り組むようになった背景はいくつかあります。少子高齢化や、健康理由による労働人口の減少、これに伴う健康保険料の企業の負担増、長時間労働など、多くの問題を改善するためです。

また、従業員の健康を維持・増進し、生産性アップを狙うことによる赤字減少への期待も込められています。健康を経営としてとらえ、計画的に実践していくことで、多くのメリットが予想されます。

健康経営に取り組むメリット6つ

従業員が健康で勤務できることは、もちろん大切なことです。ですが、健康経営には、企業全体の経営の観点からも様々なプラス要素を含んでいます。

健康経営に取り組むメリットを6つまとめました。ひとつずつ見ていきましょう。

健康経営に取り組むメリット1:リスクマネジメントが可能になる

リスクマネジメントが可能になり、従業員の突発的な健康上の問題に対処することができるようになります。

リスクマネジメントとは、全体のリスクを組織的に管理し、そのリスクによる損失を軽減するプロセスを指します。健康経営でリスクマネジメントを実施し、従業員の突然の入院などの、突発の問題に対処する方法を、あらかじめ模索し、穴埋めのコストを最小限にとどめます。

健康経営に取り組むメリット2:労働生産性がアップする

従業員の健康状態を、維持・増進させることは、労働生産性アップにつながるというメリットがあります。

従業員の健康状態が良好だと、単純にパフォーマンスが上がります。また、会社をあげて従業員の健康維持・増進に対して取り組む姿勢は、従業員のモチベーションを向上させます。

やる気と体力に満ち溢れた従業員が働く職場は、自然と労働生産性が上がり、企業としても大きなメリットとなります。

健康経営に取り組むメリット3:テレワークにおけるストレス対策になる

働き方改革の導入で、様々な企業がテレワークを導入するようになりました。健康経営は、テレワークのストレス対策にも適していると言われます。

テレワークには、自分のペースで業務をこなせることや、家事、育児を手伝えるといったメリットがあります。しかし同時に、残業代の削減による収入減少や、家庭での業務のし難さによる、ストレスがあることも事実です。

健康経営では、テレワークにおける従業員のストレス対策についても、意見を聴取して議論し、改善を進めることが必要です。

健康経営に取り組むメリット4:医療費の負担が軽減できる

健康経営に取り組み、従業員の健康維持・増進に貢献することで、従業員の医療費の負担を軽減することできます。

労働人口の高齢化に伴い、企業が負担する医療費・健康保険料は増加傾向にあります。従業員による健康管理の徹底に加え、企業としても健康経営に邁進することで、企業が負担する医療費などの赤字を軽減する効果も期待されます。

健康経営に取り組むメリット5:企業イメージが向上する

健康経営に真摯に取り組み、従業員の健康を大切にする企業は、企業イメージが向上します。

経済産業省では、「健康経営優良法人認定制度」を創設しています。これは、健康経営に取り組む企業を「見える化」し、社会的評価を受ける環境を構築するための施策です。

社会的に優良企業が「見える化」されるようになり、健康経営に力を入れることで、企業イメージの向上につながります。

健康経営に取り組むメリット6:離職率が低下する

健康経営の実施は、労働環境の改善にもつながり、離職率が低下します。

従業員の健康を追求することは、おのずと労働環境の見直しや、改善にもつながります。労働環境が良くなれば、従業員が定着し、離職率を低下できるというメリットがあります。

健康経営を実践するための取り組み方

現在の高齢化社会において、健康経営への取り組みは、とても重要なことだといえます。ここからは、健康経営を実践するための取り組み方について解説します。

健康経営の取り組み方1:従業員への告知を行う

まずは、健康経営についての趣旨を、従業員にしっかりと告知しましょう。

健康経営は、企業が主体で実施する施策ですが、従業員の理解と協力は欠かせません。まずはしっかりと健康経営の趣旨の説明を実施し、企業と従業員との意思の共有を図りましょう。

健康経営の取り組み方2:実行する組織作りをする

次に、実際に健康経営に取り組むための、専門組織を作ります。

健康経営の専門部署を設置し、健康経営を促進するにあたっての計画を考案します。また、健康経営に関する窓口として利用することにより、従業員からのアクセス先を明確にするというメリットもあります。

健康経営の取り組み3:計画を実行する

専門部署を作ったあとは、実際に健康経営を実施するにあたっての計画を立て、実行します。

専門部署にて、健康経営実行までの「P(計画)D(実行)C(評価)A(改善)」を作成します。計画の場で出た課題の解決策や、結果の確認までのプロセスを細かく設定しましょう。健康診断およびストレスチェックの実施とあわせ、実際にアンケートをとることも必要です。

腰痛に悩む従業員の方が多いという部署であれば、それに対しての対策案や実行方法を模索し、ひとつずつ改善していく、という流れを作りましょう。

健康経営に取り組むべき企業とは?特徴5つ

従業員が健康に働くために健康経営はとても重要です。健康促進によってさまざまなメリットもあります。ここからは、健康経営に取り組むべき企業の特徴を5つご紹介します。

健康経営に取り組む企業1:高年齢の従業員が多い場合

高年齢の従業員が多い企業は、積極的に健康経営に取り組みましょう。

少子高齢化社会の影響で、労働人口の高齢化は進みつつあります。これからの企業にとって、シニア世代の労働力は、貴重な戦力です。しかし、高年齢の従業員は若い従業員と比較すると、健康状態は低下しています。

そういった企業は、健康経営に積極的に取り組み、高年齢の従業員の健康維持・増進に努めましょう。

健康経営に取り組むべき企業2:従業員が長期休業している場合

体調不良などの理由で、従業員が長期休業している企業は、積極的に健康経営に取り組むべきです。

業務に起因する体調不良で、長期休業を余儀なくされてしまった従業員がいる企業は、労働環境を改善する義務があるといえます。中でも、心理的問題で休業をとる従業員は年々増加傾向にあり、社会問題ともなっています。

こういった問題を抱える企業は、早期に健康経営に取り組み、職場環境の改善を実施するようにしましょう。

健康経営に取り組むべき企業3:ストレスチェック制度の結果が悪い場合

企業が実施する「ストレスチェック」の結果が悪い企業にも、健康経営への取り組みが推奨されます。

ストレスチェックとは、従業員が抱えるストレス度合を確認する制度で、事業場単位で常時50人以上の従業員が働く場合には労働安全衛生法で義務化されています。全従業員に対して実施することで、潜在的なストレスを数値化し、分析するものです。

導入の背景には、メンタルヘルス不調の未然防止や、職場風土の改善などがあります。ストレスチェックの結果が悪い(ストレス過多、モチベーションの低下)企業は、抽出された課題を改善する対策を速やかに実行しましょう。

健康経営に取り組むべき企業4:従業員の食生活の乱れがある場合

従業員の食生活の乱れがある企業も、見直しが必要な場合があります。

シフト勤務で働く従業員は、決まった時間に食事をとることができず、栄養が偏りがちになる場合もあります。

食生活の管理を徹底させることは難しいですが、社員食堂がある企業であれば、バランスの良い食堂メニューに見直すという改善方法もあります。社員食堂のない企業は、保健師監修のうえ、食生活に関するアドバイスを行いましょう。

健康経営に取り組むべき企業5:就業管理を怠っている場合

就業管理体制に不備のある企業は、積極的に健康経営に取り組みましょう。

就業管理体制に不備があると、従業員の労働時間や年休取得日数などを把握できず、長時間労働になってしまう恐れがあります。

就業管理を徹底できていないという企業は、積極的に健康経営に取り組み、働き過ぎによる労災から従業員を守りましょう。

メリットや取り組み方を押さえて健康経営の導入を始めましょう

働き方改革が導入され、企業は従業員を守るための業務改革へとシフトしました。しかし、現状は思うように改革が浸透していない企業が多いようです。改革に難航している企業は、働き方改革と並行して「健康経営」にも着目してみてはいかがでしょうか。

健康経営には、労働生産性の向上や、企業イメージアップなど、数多くのメリットが存在します。ぜひ健康経営を導入し、従業員の健康の維持増進に努めましょう。

なお、健康経営によって時間外手当が減り、その分を様々な形で従業員に還元する企業も増えています。健康経営の促進にはシステムを活用することも有効です。

WorkVisionの提供する就業管理システムには、変形労働時間制の採用、在宅勤務などテレワークの勤怠管理、時間単位年休制度の導入、時短勤務対応など、様々な働き方にマッチした機能が搭載されており、法令に即したチェック・アドバイスを行う働き方改革アドバイザーの設定を支援する導入サービスオプションも選択可能です。ぜひ検討してください。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

人件費の適正化、コンプライアンス、社員の健康管理サポートなど、働き方改革に対応する就業管理システム

最適なICT環境を構築し、安心して利用できるテレワーク導入を支援します。

事例1:株式会社WorkVision アンケート調査結果から見たテレワークの現況と緊急導入体験

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